木漏れ日の下で 20
*-From 1 -
「つくしちゃん、まだ?」
突然開けられた試着室。
鍵をかけるの忘れたみたいだ。
試着した服を脱ごうと動作を起こした瞬間の出来事。
脱ぎかけた服は腰の所で止まってる。
条件反射みたいに胸を両手で隠して背中を向けて座り込むしか逃げ場を見つけ出せなかった。
「司じゃないからそんなにおびえなくても・・・」
そのあとのお姉さんの言葉が止まった。
この無言はなんだ?
微妙に恥ずかしい。
振り返る様見上げた視線がお姉さんの視線とぶつかって止まる数秒間。
「背中がそれじゃ、前はもっとすごいよね」
クスッと笑って試着室のドアを閉めるお姉さま。
せ・・せ・・・せなか?
慌てて背中を鏡に映して身体をひねる無理な態勢。
気が付かなかった後ろの赤い痕。
それも一つ二つじゃない。
腰のあたりには指圧された様な左右に一つの痕。
前に左右3本後ろに左右一つの痕って・・・
どれだけの指の力で押さえこまれたんだ。
試着室からで出たくない気分になった。
のろのろともの服に着替える。
ゆっくりと試着室のドアを開け亀が甲羅からひょこっと顔を出すみたいに差し出した。
その前に満面の笑みのお姉さま。
喜んでいるような・・・。
「あいつが手加減知らないの知ってたけど、ごめんねつくしちゃん」
お姉さんに謝られても困る様な照れくさい感覚。
なんて返事をすればいいのか分からない。
「ホントにそうです!」って言い得るわけもないもの。
半分は私のせいだろうし・・・。
久しぶりだったし・・・。
訳がわかんなくなって・・・
付いて行けなくて・・・
夢中になりすぎて・・・
道明寺が身体に残した痕さえも甘いうずきとなって身体を熱くする。
・・・って、今思い出したらまともに道明寺の顔も見れないつーの。
ダメだ。
顔から火が出るっていう段階じゃない。
灰になりそう。
「お姉さんはうれしい、君たちが仲良くて」
結局返事した言葉は「ありがとうございます」
それも消え入りそうな小さい声しか出てこなかった。
「さぁ、行こう」
お姉さんはすっきりした表情で私の肩を抱いて店を出る。
パンプスを履いたお姉さんは道明寺とほとんど変わらない背丈。
肩を抱かれた安心感はちょっぴり道明寺の雰囲気と似ている気がした。
「どこに行くんですか?」
「飛行機で6時間」
「えっ?」
「ロスで二人で思い切り楽しむっていうのはどう?」
「ロスってロサンゼルス!?」
「つくしちゃんまだロスの家には来たことないでしょう?」
家って・・・
まだあるのか。
「ロスの家の方が日本より大きいのよ」
想像がつかなくなった。
「司がどこまで我慢できるか見てみたいし」
道明寺に我慢て言葉はない様な気がするんですがお姉さま。
「司はつくしチャンがいなくてどのくらい一人でもつのかな」
悪戯っぽい表情は西門さんと美作さんのそれを彷彿とさせる。
この前まで十分道明寺には我慢してもらってたんですけど・・・。
「それはちょっとヤバいかと・・・」
「そのくらいしてやんないと、私の大事なつくしちゃんを手加減なしに傷つけて」
傷って・・・
それほどたしたものでは・・・
それにすぐ消えるだろうし・・・
でもまたつけられそうだけど。
今度は断固拒否してやる。
今決心することじゃないよね。
バカだよなぁ。
やけに力が入ってるお姉さん。
押しの強さはさすがに姉弟。
イヤ母親譲りか。
あとが怖いと思いつつ拒否もできずにジェットの中に連れ去らてしまった。
やっぱりすぐにつくしちゃん帰したら面白くないですよね。
こんなこと考えるから話が終わらずまた延びる~
本当は椿お姉さまの登場も予定してなかったんですが(^_^;)
NYからロス。
きっと司の仕事の能率が上がることでしょう。
「椿さま感謝します」西田さんの声が聞こえてきそう♪
拍手コメント返礼
椿お姉さま西田さんのアシストする気はなかったと・・・
自分が楽しみたいだけですよね。結果には西田さんは喜ぶのか慌てるのか?どっちだ~
西田さん日記が楽しみと催促されてる気がいたします。
b-moka様
我慢できないでしょう司クン。
しずか様
さあここから西田さんの腕の見せ所♪
どのくらい司を耐えさせることができるのか!
どっちにしても一番の被害者はつくし♪