木漏れ日の下で 36
*抜けるような青空。
照り注ぐ太陽の下で無邪気に明るく響く笑い声。
見てるのが俺だけじゃない状況。
未だに続く。
ロサンゼルス発・お勧めショッピング ツアー。
姉貴たちが日ごろ行かない様なアウトレットめぐり。
「これ、安い!」
「60%OFFだって」
誰も値段は気にしていねぇよ。
ただ一人以外はな。
「もう、つくしちゃんといると楽しわ」
俺は楽しくねぇぞッ。
荷物持ちやらされてるだけだし。
時間が経つ間に増える紙袋。
午前中から続いてる。
セレブについて歩くホストになった気分。
これで一日は終わった。
「明日はディズニーランドにユニバーサルスタジオなんてどう?」
「ぜひ行ってみたいです」
姉貴の言葉につくしの目が輝き出している。
屋敷に戻って6人で囲む夕食。
にぎやかに話の弾む食卓。
「おいッ」
話に乗るなと肘でつくしの脇を突いた。
「なに?」
「なにって・・・」
アミューズメント巡りまで計画されたらたまらない。
俺らの時間がなくなるぞ。
本当に気が付いてないのだろうか?
「おまえ、明日も姉貴に付き合うつもりか?」
「俺と二人でいたくねぇのかよ」
ほとんどぼやきに変わってる。
「あっ・・・そうか」
「そうだよね」
ようやく気が付いた様に小さくつぶやいて照れくさそうにつくしの頬が緩む。
「明日はかさねぇからな」
小声のつもりがいつの間にか皆に届く声量に変わっていた。
「おっ!キバをむきだしたぞ」
ジョンがうれしそうな声を上げた。
「そんな唸り声上げなくても」
どうしようもないなみたいな表情を作る姉貴。
唸り声なんて上げてないだろうがぁぁぁぁぁ。
「どっちも可愛いわね」
クスクスと姉貴の口元から声が漏れる。
可愛いって・・・
最後まで姉貴におもちゃにされてる。
もう、日本に帰った方がよくねぇか?
そのほうが邪魔されないような気がする。
予感は的中へと変わる。
気が付けば二人っきりの思い出をロスで作ることもなく日本へ向かうジェットのなかにいた。
もう・・・
ロスには行かねぇーーーッ!
END
つくしの後期修習の別居生活から始まったお話。
いつの間にか舞台はロスまで飛んでしまってました。
最後までお付き合いありがとうございました。
次回のお話はこの後のつくしの妊娠発覚までのお話となると思います。
そしてHAPPY LIFE へと続いていく♪
拍手コメント返礼
りんごじゃむ様
ねぇ様には従順で~そしてHappyLifeな毎日につながります。
マリエ様
そうです次のお話はおめでた発覚まで続きます。
b-moka様
二人の甘い時間はこれからたっぷりということで許してくれないでしょうか(^_^;)