HAPPY LIFE 29

 *

「・・・ねぇ」

「ダメだ」

「まだ何も言ってないけど・・・」

お前がそんなもの欲しそうな顔してる時は俺が喜ぶことじゃないってそっぽ向かれた。

「喜ぶことかもしれないよ」

んなわけあるかと訝しく表情を作って意地悪い笑いが浮かぶ。

「なっ・・・なに考えてるのよッ」

声の震えは私の焦りを完璧に司に伝えてしまってる。

「駿もいないし・・・」

「久しぶりの二人っきりだ」

熱を帯びる声が耳元に響く。

夜の仕事がらみのパーティーへの夫婦での出席。

駿を連れて出席出来るわけがない。

今日は自宅で留守番だ。

それにまだ人の目は・・・ある。

周りを気にするタイプじないのは分かっている。

会場に入った時から腰に回される腕。

司に寄り添リそわれたまますぎる時間。

こんなにくっくかれるの久しぶりだ。

いつもは駿の抱っこでつかれる腕。

今日はやけに身体全体が緊張して硬直気味だ。

「しっかり背筋を伸ばせ。俺がついている」

それが緊張のもとなんだつーの。

華やかな場所にいる司はいつもより輝きを増すから始末が悪い。

見上げた私の瞳を捉えて離さない優しい笑顔。

「なんだ?」と言う様にまた目を細める。

「よっ!」

「久しぶり」

「元気だった」

相変わらず周りの注目を集めてる3人。

いきなりスポットライトを当てられたみたいに華やぐ。

「お前らも相変わらずだな」

邪魔すんなと愛想のない司の態度を気にする様な3人じゃない。

「相変わらずは司だろう」

からかう口調で西門さんがほほ笑む。

遠巻きで見ている女性達の夢見心地の表情。

きっと崇高な会話をしてるとしか見えてないはずだ。

美化するだけ美化した状況で羨望のまなざしは色が虚ろぐことはなさそうだ。

「元気そうだね」

「司ほどじゃないけどね」

「駿は大きくなっただろう?」

「花沢類は1週間前に会ったじゃない」

「子供はすぐに成長するからね」

「おい!まて、なんで類に会ってんだ」

会話を遮る様に私を司が背中に隠した。

「俺達も10日ほど前には会ってるよな」

西門さんと美作さんが会話に合流。

微妙に不機嫌の方向へ流れ出す道明寺の表情。

「じゃあ、全然久しぶりじゃねえじゃねえかッ」

「司に会ったのは久しぶりだからなぁ」

「つくし、お前そんなこと俺に言わなかったよな。俺が聞かなかったからなんて言い訳すんなよ」

言いそうになった言葉を慌てて呑み込んだ。

「みんな仕事の合間に駿を見に来てくれるんだよ」

「なんだか自分の子供の様な気がしてな」

「今度は司似の男の子じゃなく牧野に似た女の子がいいな」

「お前ら何考えてるんだ」

「牧野予定ないの?」

眼中から司は完全に外れて無視する様に西門さんがつぶやいた。

「えっ・・・」

「まあ・・・その・・・」

思わず口ごもる。

「予定あるんだ」

思惑気に天然的に聞こえた花沢類の何気ない一声。

もっと・・・

ゆっくりと、落ち着いて話したかったんだけど、どうやらこのままばれそうだ。

「本当か?」

司の声にコクンと小さく頷いた。

「歳の差27か・・・」

「紫の上の育成っていうのも魅力だよな」

「性格はどっちに似ても素直じゃねえぞ」

「まずは女の子だよな」

小声でこそこそと言い合ってるがわざと聞こえる様な音域は確保している。

ったく・・・。

この3人はとため息が漏れた。

「お前ら、いい加減にしろッ」

怒りを殺した低音の声が響く。

「次も男だ!男を産め」

「産めって言ってもこればかりはまだわかんないわよ」

2人目の感動はどこに行った?

「「「ブハハハハハ」」」

遠慮ない笑い声が3人から響いてきた。

F3はどうしてるんでしょうのリクエストもありまして、こんな感じで登場をさせてみました。

いろいろ妄想♪期待させて裏切る感じですみません。

これがなかなか思い描くには邪魔ものが~~~~~。

HAPPY LIFEもこの辺で一区切り。

次は新バージョンで登場かな?なんて考えてます。

拍手コメント返礼

まなこうぢ様

F3もみたいと要望もあるんですよ。

F4がそろわないと花男じゃない感じもしますものね。

一応今回は皆様の投票を踏まえて女の子に決定と言う感じでしょうか。

なかの良い夫婦でうらやましい限りですよね。

みかん様

偶然見つけて読破。

うれしいですね。

一気読みしていただけるだけでもうれしいのに温かいコメントまでいただけて意欲が出ます。

子供とF4が絡むと司の一途な愛情だけが浮き彫りにされる感じがツボで、まだまだ楽しい妄想は続いてしまいます。(笑)