☆幸せの1歩手前 17 おまけの話
*「・・・足らなくなった」
「なっなにッ・・・」
うつむいていた顔が俺を見つめて紅く色づく。
「惚れなおしたなんて言われるとな」
背中から抱きつかれて「お願い」と俺を欲してるみたいに聞こえる。
自分にいい様に解釈してるってことはないはずだ。
それを無視して仕事に向えるほどの余裕はない状況。
何をガッついてるのか。
それもいつも一緒に寝てる自分の妻。
手を伸ばせばいつでもそこにいる相手。
口元に浮かぶ苦笑。
素肌が触れ合って・・・
感じる体温・・・
それだけで・・・
この上なく極上の安らぎの場所を俺に与えてくれる。
だから・・・
離れられなくなる。
今さらがつがつと押し倒すほど欲求不足ってこともないはずなんだが、こいつに素直に出られると調子が狂う。
予測もなしに突然胸の中に飛び込んでくる。
自分から俺に火を付けて逃げだされるのは経験上80%。
最近は30%くらいにはなってきてるはずだ。
俺も随分慣れたもんな。
経験に勝るものなし。
逃がさないためにもこのままって流れが1番だ。
「良く頑張ったよな」
お前も俺も・・・。
今日の会議は上出来だ。
誰も文句のつけようがないくらい。
俺が文句を付けさせるわけないけど。
腕をまわして抱き寄せる華奢な身体。
されるがままにつくしが身体を俺に預けた。
鼻先に感じる柔らかい長い黒髪。
嗅ぎ慣れた香りが鼻孔をくすぐる。
香りを楽しむように髪にキスを落とした。
「早く、二人っきりになりたい」
つくしの耳元にそっと寄せる唇。
緩めに優しく咬む耳朶。
俺の熱が伝わるみたいにつくしの頬が見る間に紅く染まっていった。
続きの部分からはR18禁です。
年齢に満たない方はお控えください。
成年でも、そのような表現がお嫌いな方はお戻りくださますようお願いいたします。
触れられた部分から熱を発して熱くなる肌。
すべてを知ってるとでも言う様に責める指先。
堪らなくなって漏れる声はどこまでも甘さを含んでこらえられなくなる。
怖いくらいに幸せな夜。
いっぱいに道明寺に甘えてる。
部屋にたどりついたままに倒れ込むベット。
破けるんじゃないかと思うくらいに着ているものが乱暴に取り除かれていく。
背中に回した腕がたくましい身体にしがみつく。
離れない様に・・・。
放さない様に・・・。
私が触れていたいのはきっとこの世界でこの手だけだ。
「大好き・・・」
心がこぼれる様に口元から言葉が漏れた。
「素直すぎだ」
「そう甘えられると優しく出来なくなる」
「・・・道明・・・ッ」
声を飲み込むように塞がれる唇。
舌が生き物みたいに動いて口の中のすべてが浸食されていく。
まるで食べられていくみたいに・・・。
頭が真っ白になって何も考えられなくなった。
気がつくと抱き起こす様に動いた道明寺の腕に支えられている身体。
自分じゃ支えることもできなくて胸元に押し込められている。
「・・・あっ・・・ちょっ・・・まって・・」
「や・・・」
大きく開かされた脚。
道明寺の長い指先で生地ごしに伝わる刺激に熱くなる。
されるがままに・・・
感じるままに漏れる吐息。
抵抗するすべをすべて失ってそしてまた道明寺に絡みつく。
そのままギュッと抱きしめられて鼻先に触れるくせ毛の柔らかい黒髪。
下着の中に滑り込んだ指先はそのまま潤みを帯び始めたクレパスへと埋められていく。
「・・やっ・・・」
コクンと喉をならして息を飲み込み、どんどん強くなる刺激に堪えようと唇をかむ。
「我慢するな、諦めろ」
とっさに湧き上がってきた羞恥心に、理性の糸がプツっと音を立てた。
「・・・もう・・・やだ」
「やじゃ、ねえだろう」
一気に入ってきた道明寺に上げそうになった声を押し殺す。
我慢するなと言う様に送り込まれる刺激。
こんな意地悪を仕掛けてきながら道明寺の瞳には優しい色がにじんでいる。
「っ・・・」
声が出口を求めて 渦巻く。
腰の動きを微妙に変えながら与えられる刺激に翻弄される。
我慢できなくて漏れる声。
「やっと素直になったな」
「もっと気持ちよくしてやるよ」
意地悪だ。
そしてどうしようもなく優しい。
与えられる感情はすべてが愛しいと言ってる様に私に惜しげもなく注がれる。
混乱と羞恥と、この身体の熱を早く解放して欲しいと思う想い。
理性だけでは押さえつけられない辛い疼きを耐えているだけで涙がこぼれそうになった。
嵐が過ぎ去ったあと、規則正しい寝息に包まれる。
道明寺がおとなしくしてるのって寝てる時しかなさそうだ。
朝、目覚めたら少しは私を解放してくれるのだろうか。
そんなことを思いながら上下する胸の動きを感じられるようにそっと頬を寄せて私も眠りについた。
お待たせしました。
久々のPW付きのお話です。
えっ?期待してない?
もう書かないと思いつつ、あまりにもPWの申請があるものですから書いちゃってます。
大丈夫かな。(^_^;)
反応を気にするのは新作のUPと同じくらいの緊張感です。