Fools Rush In 5

*

「う~っ」

唸る?

呻る?

俺が帰ってきても気がつかなくてウナル背中。

今度は腕組んだ。

そしてハーアーと大きく息を吐く。

次はそっとお腹に手を当てて撫でた。

後ろからでもつくしの動きが予想できる俺。

じーっと、観察中。

嫌なことでもあったか?

「おい」

「へっ?あっ?お帰り」

振り向いた口元に笑みが浮かぶ。

明るい表情。

さっきの唸りとえらい違い。

一緒のやつの態度とは思えない。

「気がつかなくてごめん・・・」

「考え事か?」

「まあ・・・そう言えばそうなんだけど・・・ね」

「今日、産婦人科に行って来たんだけど・・・」

朝の出勤前に検診に行ってくるなんて言ってたことを思い出す。

駿の時は俺も何度か一緒について行った。

つくしのお腹の中で手足を伸ばしてあくびしたなんて説明聞いてワクワクしたのも昨日みたいだよな。

時間があれば俺もついて行ったのに朝一の会議が邪魔をした。

「何かあったのか?」

食い入る様につくしの腹部を見つめてつくしの手のひらの上に俺の手のひらを乗せる。

「あったと言えばあったのかな」

病気とか・・・

育ってないとか・・・

生まれないとか・・・

実は妊娠してなかったとか・・・

頭ん中にグルグル浮かぶ異常事態。

「グフフ」

「なに噴き出しているんだ」

俺は本気で心配してるんだぞ。

「二つだったんだよね」

「二つ?」

「何が?」

「心臓がね二つ動いてた」

つくしの手のひらの上に置いていた俺の手のひらをつくしがつかんで自分の手のひらと入れ替えた。

「心臓が二つあるのか!?」

心臓が二つあったら病気か?

んな訳ねよな。

一つのものが二つあれば上等じゃないか。

一つ止まっても生きていける。

心臓二つ持っている人間なんて聞いたことないよな?

「なんか変なこと考えてない?」

眉をしかめた顔がじっと俺を見つめる。

「百面相になっているんだけど?」

呟いた口元がまた「クスッ」とほころぶ。

「二人いるみたい」

「二人・・・」

「双子だって」

「へぇ、双子か・・・ ふッ双子!」

駿の時より突拍子もない声が頭の先から飛び出した。

「まさか双子だとは思ってもいなかったからなぁ」

「うれしいのはあるけどびっくりしちゃった」

人を心配させる様な言いかたするなッ。

華奢な肩を胸の中に押し込めて長めの息が俺の口から洩れた。

俺の心臓が半端なく鼓動を速めてた。

今も・・・収まらない。

「双子なら双子と最初から言え」

「言ったよ。心臓が二つだって」

「ばーか、勘違いするだろう」

「勘違いって?」

どこをどう勘違いするのか分からないときょとんとした瞳が俺を覗き込む。

「ごめん、あなたは普通じゃなかった」って、言われた。

「男?女?」

「まだわかんないよ」

「すーげ幸せ」

抱きしめながら耳元でそっと囁いた。

今回は双子ということでお話を進めさせていただいてます。

男女の双子が投票ではトップ。

女の子の双子という意見もありましたが・・・。

どっちだろう♪

さあ次は名前だ!

駿君の名前も投票TOPから頂いたんですよね。

ということで今回も投票をお願いします。(上げてる名前は以前の投票で多かったものです)

拍手コメント返礼

こざるまま様

初めまして♪

おもしろいと言っていただいてうれしいです。

花男を知ったのは私も漫画が最初ですが、あんまり2次小説にも興味なかったんですよね。

でもドラマのFを見てからムズムズとして2次を検索。

原作を離れた世界に驚きました。

で・・・私の欲する世界に行きあたらず自分で書き始めたて現在に至ります。

双子ちゃんまで産ませる結果になりました。

よろしくお願いします。

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