駿君の家族日記 8(夏休み編 2)
8月に入りました♪
夏休みの終わりはまだ遠い・・・。
駿君の夏休み庶民の夏を楽しんでもらいましょう♪
いろんなコメントをいただいて全部を体験させたいと思いつつ・・・
そうするとひと夏では終わりそうもありません。(^_^;)
*「駿、なにが食べたい?」
そう僕に聞いたおばあちゃんと一緒に歩いて出かけたお店。
籠を乗せたカートを押すのは僕。
ちょっとの力でも動くカートは楽しくて走ってみたくなるけど、危ないからダメだと僕は知っている。
翼はいつも走ってお母さんに怒られるんだ。
カートから顔も出ない絶対前が見えない身長の翼を止めるのは僕の役目。
「オムライスにハンバーグでいいかな?」
聞いてきたおばあちゃんに少し心配になった。
おかあさんがおとうさんと結婚するまではお金がなくって大変だった話は聞いている。
1円でも大事に使うものなんだからと僕にお母さんは教えてくれた。
「鳥皮の唐揚げ!」
言った僕を見つめたおばあちゃんがキョトンとなってクスクスと笑った。
「駿は食べた事があるの?」
「ないけど、おかあさんが小さい頃はそれがごちそうだって聞いたから、鶏肉のから揚げよりおいしいのかなって」
「おじいちゃんは鶏肉の方がいい」
僕よりおじいちゃんの方が食べたそうだ。
最後に花火を買ってお店を出る。
並んだ花火の中から小さい方から2番目の大きさの袋の花火。
宝物みたいに思えてうれしくて胸の中に抱え込みながらウキウキして歩いた。
僕はお母さんと、弟達と一緒に手でもつ花火が好きなのに、花火って言うとお父さんはすぐお空に上がる花火を準備してくれる。
そして「もったいない」と、お母さんがお父さんに顔をしかめる。
舞は花火を見ると怖がって泣くから今年はまだ花火をやってない。
だからおばあちゃんちで花火ができるのはすごく楽しみだ。
ご飯を食べて進おじさんとお風呂に入る。
僕とおじさんでいっぱいになってお風呂からお湯がザブンとこぼれた。
それがすごく面白い。
「駿はお母さんとお風呂入るのか?」
「翼と舞とお母さんと四人で入るよ。お父さんが帰って来ると途中からお父さんの入ってくるの」
それでも全然狭くないジャグジーのお風呂。
アワのでないお風呂は初めてだ。
それが普通なんだっておじさんが僕に教えてくれた。
「なるほどね」
進おじさんは楽しそうに笑ってる。
僕の話をにこにこと何でも聞いてくれるから僕もいっぱい話をしたくなる。
家ではいつも舞と翼と競争してお母さんに話を聞いてもらわなくっちゃいけないから大変なんだ。
「でもねお母さんはお父さんが帰ってくる前にお風呂から出たいんだって」
「お父さんが一緒に入るとのぼせるっておかあさんは言うの」
進おじさんは「ブッーーー」と噴き出して笑う。
僕はおかしなこと言ったのかな?
お風呂から出ておばあちゃんが用意してくれた甚平に着替えた。
おじいちゃんとおじさんと僕とおそろいの甚平はおばあちゃんが作って準備してくれたみたいだ。
「世界に1つしかないのよ」
帰ったら僕だけのものだって自慢しよう。
庭に出て買ってきた花火の袋を開ける。
手に持った花火に進おじさんが火をつけてくれた。
パチパチと目の前ではじける花火。
僕に飛んできそうで腕をいっぱいいっぱいに身体から遠くに延ばす。
消えた花火をバケツの水の中に入れて新しい花火を持つ。
「牧野さん」
隣の垣根から現れたのは知らないおじさんとおばさんに僕と変わらないくらいの男の子と女の子。
「孫が遊びに来てまして」
うれしそうにおじいさんが僕を紹介してくれた。
女の子は男の子の後ろに隠れるように動いてじっと僕を見ている。
学校の友達とは違う感じ。
「僕、蒼。こっちは妹の凛」
僕に遠慮なく男の子は近づいてにっこり笑う。
学校での僕の存在は特別で、遠くからいつも見られてる感じは僕をつまんなくする。
女の子は照れくさそうにして蒼君の後ろから出てこない。
僕の方もなんだか照れくさくなった。
「一緒に花火をやろう」
「うん」
花火を一緒にやりながら僕らはすぐに仲良くなった。
明日も遊ぼうと約束しておうちの中に入る。
なんだか楽しみで眠れそうもない。
気がついたら「駿君、朝だよ」って、おばあちゃんに起こされていた。
拍手コメント返礼
b-moka様
今の夏休みとは違った楽しさがいっぱいありましたよね。
宿題をぎりぎりまで残してた私は毎日子供の宿題をチェックしてますが・・・
その間に花男の妄想を書いています。(笑)
さっちき様
わぁ~類とかやってきたらおもしろそうですね。
類にも庶民の夏休みを駿と一緒に体験!
想像してしまいニンマリです。
リンゴ様
たくさん駿君に庶民の夏休み体験させたいですね。
8月いっぱいで書ききれるか不安が・・・