ごめん それでも愛してる 25
今回は葵ちゃんサイドからのお話になります。
早くご機嫌取りもどしてあげないと大変なことになっちゃうかもよあきら君♪
という設定はある?かも・・・(^_^;)
*「ねぇ、葵、どうだった?」
目の前に顔を突き出す同僚三人。
ブッー。
思わず食べていたスパゲティーを吹き出しそうになった。
アイツとの関係をみんなが知ってるわけがない。
落ち着けと自分に言い聞かせる。
「どどうって何が?」
完全に浮ついてる。
「社長と出張だったんでしょう?」
「仕事でもうらやましいよね。いいな~秘書課」
みんなのノリは合コンのノリと一緒だ。
「なにもあるわけないじゃない」
ごまかすように言ってグラスの水をスパゲティーと一緒に流し込む。
つるっと胃の中に入るはずの麺も喉元で狼狽えてる。
せき込みそうになった。
さっきまで楽しそうにしゃべってた声がピタッと止まる。
「やだーだれも葵と社長が何かあったと思うわけないわよ」
止まったおしゃべりは笑い声に代わる。
それはそれで悔しい気がした。
「あっでもさ、あの美人な社長さんが香港までうちの社長を追いかけて行ったんでしょう?」
「あっ、それ私も聞いた」
「社長に面会に来てすぐその足で空港に向かったって」
「美男美女よね」
「でも社長より年上でしょう?」
「知らないの?」
「社長の今までの彼女みんな年上だって」
「だったら私たちも可能性あるじゃん」
「やだー無理に決まってるでしょう。高値の花よね」
私そっちのけで続く会話。
入り込めそうにもない。
「葵、その女社長さん見た?」
突然話題を振られた。
見た。キスした形跡も・・・。
ここでまた思い出すムカッとした気持ち。
「見たけど、すぐに帰ったわよ」
「な~んだ。帰ったんだ」
落胆的なため息が漏れる。
「香港の甘い夜~みたいのなかったんだ」
甘いって・・・
昨夜のアイツは優しくて・・・
私が少しでも痛みを訴えるごとに瞼や頬に優しくキスしてくれて・・・。
新しい痛みが生まれるたびに振れる指先が熱くて何度も愛してるとつぶやいてくれた唇。
一つになるための痛みを切なくなるほどの優しさで包み込んでくれていた。
「なんで、葵が赤くなってるの?」
「ちょっと暑くなっただけよ。クーラー効いてないんじゃないかな」
「そうかな?」
同僚はそのまま気にしない感じでフォークを動かす。
そして私はため息をつく。
気が付けば昨日の夜の幸せな気分と甘い感情と切ない思いが交差する。
それを粉々に打ち砕いたのもあいつだ。
「そんなすぐに結婚までって、考えはまだ回らないだろう」
私も今すぐ結婚なんて思ってもいない。
見合いする予定だって聞いて一緒に暮らして、職場の部署も変わってこれだけですごい環境の変化。
私との結婚に条件まで付いてるなんて、素直に結婚まで行けるわけがない。
それでもこのまま一緒にいたい気持ちはある。
「初めてだから、責任とってなんて言いませんから」
「バカ、それは違う。そんなこと思ってない」
バカはどっちだ。
責任で付き合ってほしいわけじゃないけどもっと他に言い方があるだろう。
愛してると何度つぶやいて抱きしられた腕の中で目覚めた幸福感は錯覚だったと思いそうになる。
それでも・・・
あいつの愛を信じてる。
私を傷つけることはしないとわかってるのに拗ねている心は自分ではどうしようもない。
バカなのは私だ。
「やっと見つけた」
「里中先輩?」
目の前に現れたのは香港から本社に戻ってきた大学の先輩里中一真だった。
覚えています?葵の先輩里中一真?
最初の設定からからめるつもりでいたオリキャラです。
やっとここで出番が~[emoji:v-406]