夢色!恋色!花模様 8

確実に近づいてる2周年。

この作品は以前のお話を織り交ぜながらUPしています。

懐かしさにもう一度読み直して手直しをしたり・・・。

これで別なお話の更新が遅れてる。

途中で読み直すのをやめました。

*

最初から分かっていた。

素直じゃねぇーあいつの性格。

俺のことを我儘とか自分勝手とぼやくあいつの方がよっぽど扱いにくいと俺は思ってる。

この世で一番俺の思い通りにならないやつ。

そして誰よりも何よりも大切な愛しい女。

そろそろいいだろう。

プロポーズして過ぎた4年の月日。

牧野が俺のものなんだって世界中の奴らに宣言したい。

一緒にいても、毎晩抱き合ってもまだ安心できないのは子どもみたいな独占欲。

もうそろそろ俺を安心させろ!

思ってるうちからあきらの手が牧野の肩に触れた。

3人の長身の男の真ん中にこじんまりとちょこっと収まってる。

類が牧野の耳元に唇を寄せる。

あの中に牧野を置いてきたのは間違いだ。

お前らを俺を動揺させる天才だよ。

牧野が行かないと拒むのは想定内。

今日壇上に牧野を伴わなかったのは近いうちに世間に来年結婚することを公表する計画が進行中だからだ。

「道明寺だけじゃなくF4のみんなに囲まれただけで私の存在は1段か2段は絶対上がってるから」

「会社の社員は私のこと知ってるみたいだしね」

会社の社員なんてチンケな範囲じゃねぇよ。

今じゃなくても近いうちに日本中、世界中に俺たちの結婚の速報が伝わるはずだ。

西田がただ今調整中。

牧野には内緒にして驚かせるつもりだ。

「心配するな、牧野の面倒は俺たちがしっかり見ててやるから」

ほかの男は寄せ付けないとでもいう様に近くの男性陣に視線を回すあきら。

お前が一番あぶねぇよ。

1年前なら疑っていたが今はあきらにも夢中の女性がいるから許す。

「牧野は注目されるの嫌がるからな」

総二郎に同調するように牧野が何度も頷いた。

俺と一緒にいてそれは無理な相談だ。

「これ以外の事なら何でも司の言う通りにするって、なぁ牧野」

あきらの言葉に下に一度降りそうになった顎が途中で止まって慌てて正面を向きなおす。

ぎょっとなってあたふたしてる表情。

ククッと笑いが漏れるのを抑えるのはなかなか骨が折れる。

俺の言う通りって何を想像してるんだか・・・。

多分お前の思っている通りだ。

今の牧野にやかんを乗っけたらすぐに沸騰しそうだ。

「約束な」

不愛想に声を出したのは馬鹿笑いしそうな自分を抑えるため。

今日は許してやるよ。

声にせずに心の中でつぶやく。

で・・・

俺が離れたそのすぐ後でデレデレするなッ。

牧野も全く俺を見てねじゃねぇかッ。

創立のあいさつが終わった後、言うつもりのなかった言葉を付け足した。

「個人的なことではありますが、婚約者を紹介します」

すぐに牧野に当たるスポットライト。

ライトの係に指示を出す西田の姿が見えた。

どこまでも用意周到な奴。

あきらに俺を見るように促されて振り向いた牧野がようやく俺を見た。

遅せぇよ。

幽霊でも見たような驚いた顔をするなッ。

俺が壇上を降りて迎えにいく前に来い!

今日一番のキツイ視線で

牧野を見つめる。

「あっ・・・」と動いた口元。

困ったとで言う様に変わる顔色は赤から青に点滅。

嫌だと言える雰囲気は周りが消してくれている。

今日一番の盛り上がり。

静まり返った会場が一気に湧く。

ところどころから上がる悲鳴は知ったことじゃない。

F3に守らてるように4つの影はゆっくりと俺に近づいた。

壇上に上がった牧野。

遠慮がちに俺の隣に並ぶ。

「嬉しそうに出来ないのか?」

「嬉しくないわけは無いけど、いつも唐突すぎ」

拗ねて見つめる瞳がクスッと笑った。

「素直に喜べ」

牧野の耳元に寄せる唇。

甘い香りが鼻先をくすぐる。

「逃げんなよ」

これじゃ無理だと言いたげに自分の腰におかれた俺の腕を牧野の指先が掴んだ。

か細い柔らかな力で。

「俺たち居るの忘れてないよな?」

「牧野のだけしか見えてねぇ」

総二郎にそう答えた俺を呆れた顔が3つ出来上がる。

「もうっ」

もう一つ赤く色づいた顔は俺の横で膨らんだ。

拍手コメント返礼

ゆめ***様

このお話もあと少しで終わりです。

それまでどうぞお付き合いをお願いします♪