星を掴むその日まで 3

愛すべきキャラ西田さん。

貴方は我が家の二次では欠かせないキャラになりました。

きっとサブキャラ選手権では1位を獲得するのでは?

どうなんだろう?

オリキャラを入れたら駿君といい勝負?

投票でも作ってみようかな。

*

真夜中過ぎまで会長が持ち帰った仕事に付き合って、お屋敷にそのまま泊まった週末の朝。

開けた窓からかすかに聞こえるピアノの音。

ベートーヴェンピアノソナタ14番「月光」

朝の清清しさには似合わない。

そしてテンポの良い曲に変わった。

ガクンッ

窓辺にもたれかかった体がよろけそうになった。

『そうだ うれしいんだ

生きる よろこび

たとえ胸の傷がいたんでも

なんのために 生まれて

なにをして生きるのか

こたえられないなんてそんなのは いやだ!』

ピアノの明るい音にノッて聞こえる柔らかい声。

時折より混じる高い声は坊ちゃん?

『ああアンパンマン

優しい君は

行けみんなの夢つかむため』

アンパンマン

あんぱん?

あのパンのあんぱんか?

屋敷内で流れるよりは遊園地を連想させる。

何気に階段を下りてわずかに開いたドアからピアノのある部屋を覗いた。

ピアノの椅子の真ん中に座る彼女。

その膝に肘を乗せて彼女の体とピアノの合間から小さな顔をのぞかせる。

無邪気な笑顔と優しい笑顔。

「稲美、次はどんな歌がある」

催促気味に坊ちゃんが飛び跳ねる。

「司坊ちゃんはどんなアニメが好きですか?」

「アニメなんて子どもの見る番組は見る気がしないぞ」

不服そうに膨らむ頬。

さっきの歌はどう考えても子供向きの歌のようでしたが・・・。

大人びて見せる必要がない場面で必死に背伸びする坊ちゃん。

可笑しいというか・・・

かわいすぎる。

『あんなこといいな、できたらいいな・・・』

その歌は知ってます。

ドラえもん

わたしも幼少のみぎり聞いておりました。

「プッ」

吹き出しそうになった声を止めるように口元を手のひらで覆った。

私の気配に気がついたように鍵盤の音が止まる。

振り返った彼女と視線が重なった。

「朝からいい声で目が覚めました」

「うるさかったですか?」

「稲美、謝るな。俺が弾けって言ったんだからな」

私と彼女の間にナイトのように立ちふさがる坊ちゃん。

いつもより10㎝は大きく見えますよ。

「このお屋敷で子供の歌が聞けるとは思いませんでした」

「嫌味じゃないですよ」

慌てたように椅子から立ち上がった彼女にそう言いながら1歩、足を進める。

「私も弾けます」

唯一両手で弾ける『ねこふんじゃった』。

外国では『ねこふんじゃった』の曲名は通用しませんが・・・。

『ねこのマーチ』に『犬のワルツ』アヒルにノミにロバの共演。

テンポよく鍵盤に触れる指先。

彼女がクスッと声を上げる。

左側に移動した彼女が私の音に合わせて指先を動かす。

ほっそりとした長い指先はピアノに慣れてる指の動きを繰り返す。

「バンッ!」

不協和音が10個の指先から立ち上がる。

不機嫌につりあがった眉。

「邪魔でしたね」

「すいません」

ぷいと顔をそむけた坊ちゃんが不機嫌な足音を立てたまま部屋を出て行った。

「機嫌を損ねてしまったようです」

坊ちゃんには悪いが、そう言いながら彼女と重なり合う視線は柔らかく笑ってしまってた。

 拍手コメント返礼

no***様

恋の予感♪

坊ちゃんの嫉妬と絡まって♪

朝からいい感じそのまま夜に突入するには大人な司君の特権でした。

何時から特権になった?