クリスマスの夜に その3

書き始めた時はクリスマスにUpということで1話だけのつもりでした。

熱い期待が感じられるのは気のせいじゃなく・・・。

続きが読みたいとお初のコメントまでいただき yu**様 ありがとういございます。

このお話で終わるかどうかは微妙ですがつづきをUpさせていただきます♪

できれば年越しまで甘い~お話を続けたいなぁ~。

*

勢いだけでついてきた。

黙ったままの道明寺の背中だけを黙ったままの私が見つめる。

外のにぎやかさとは無縁の静けさを作り出してるホテルの地下駐車場。

コツコツと響く足音はそのまま心音と重なって響き渡る。

道明寺の後を追う様に乗り込むエレベーター。

階を示す光の点滅が上昇するごとに道明寺を見ることなんてできなくなりそうだ。

「すげー恰好」

バカにしたような笑いを含んだ声。

どーせ、可愛くない格好ですよ。

トレーナーに袢纏を着込んだまま家を出た格好のまま。

髪は洗いざらしのままで前髪だけちょこっとゴムで止めてむすんだまま。

小学生ならかわいいで済むんだけど・・・。

今さら髪の毛を直しても始まらない。

それでも慌てて前髪を結んでいたゴムを外した。

靴もちぐはぐのままでコツコツ響く道明寺の足音とぺたぺたと響く私の足音は不協和に鳴り響いていた。

道明寺からプレゼンされた紙袋はしっかり道明寺が持っていて、そのふくろを楽しそうに目の前でゆらゆらさせている。

「着替える時間はあったんだけどなぁ」

「着替えるって!車の中で着替えられるわけないでしょう。誰が見てるかわかんないのに」

「外から見えない作りになってるよ」

「道明寺がいるじゃん」

「俺に見られて困る必要ないだろう。今から全部見ッ」

ばかっ!

勢いで背伸びをして道明寺の口を手のひらで塞いだ。

「やっと俺を見たな」

私の手のひらを包み込む様に道明寺の指先が触れる。

自分の口元から引き離した私の手のひらにそっと触れる唇。

吸い込まれそうな黒曜色の瞳が優しく笑った。

指の先から伝わる唇の熱に心臓が悲鳴を上げそうだ。

チンとなって開くエレベーターの扉。

「行くぞ」と力強い腕が私の手首を摑む。

その指先はヒンヤリとした冷たさで手加減を忘れたように私をつかんでる。

少し汗ばんだ指先。

道明寺も緊張してるんだ。

それなのに表情は何でもないような横柄さ。

チラリと気にするように私に投げかけた視線。

「痛い」

手首を見ながら呟いた私に慌てたように私を離した。

垣間見える道明寺の緊張。

それが私の緊張を解きほぐすなんて思いもしなかった。

「すごい」

入った部屋は想像以上にクリスマスの演出。

テーブルの上には冷えたシャンペン。

ロストチキンにケーキにローストビーフにサラダ。

今からの時間じゃ体重を気にしないといけないような料理が並ぶ。

極めつけは部屋の天井までの高さのツリー。

その後ろからは都内の夜景が美しく光ってる。

「何とか間に合ったな」

時計の針は午前零時15分前。

道明寺の差し出したシャンパングラスにはゴールドの液体が泡を立てっている。

家族で飲んだシャンメリーの100本分だろうか?

喉が水分を欲しがってたのを思い起こさせる様にギュッとグラスの中の液体を飲み込んだ。

「一気に飲むと酔うぞ」

「まさかお前!ここまで来て酔っぱらって一人で寝てしまおうなんて思ってないよな」

焦ったように私の手から道明寺がシャンパングラスを奪った。

道明寺のグラスからは一口程度の量しかシャンパンは減ってない。

「大丈夫だよ」

クスッと零れる笑い。

いつもの私と道明寺に戻ってる。

テーブルの上に置いた二つのグラスがぶつかって澄んだ音色を鳴らす。

それが合図のように道明寺が私を抱きしめた。

「まだ、道明寺の贈ってくれた服に着替えてないけど?」

「服を脱がす特権が私のプレゼントだったよね?」

強く抱きしめられて胸の中でくぐもる声。

精一杯の抵抗。

「お前いじわるだな」

道明寺の左の手のひらは私の髪をなでて動く。

「どんな格好でも牧野は牧野で・・・」

「お前を見るだけで俺はいっぱいいっぱいで・・・」

「昨日より、今日、今のお前をもっと俺は好きになるって知ってるか?」

擦れた声が耳元をくすぐる。

耳元に吹き込まれるとともにどこか艶のある音色が鼓膜を震わせる。

より一層密着する身体。

優しく触れた唇は小さくチュッと音を立てる。

服の上から触れる道明寺の手のひらが胸を掴む様に形を変えた。

優しくついばむ様なキスは道明寺の指の動きと共に激しさを増す。

すぐに二つの唇の温度は一緒になって身体から力を奪っていく。

トレーナーの下に滑りこませてきた指先はそのままトレーナーを上にあげて直に素肌を侵す。

「・・・っ」

肌も舌も熱くて・・・

耐えられなくて・・・

胸元の腕が道明寺から逃れようと押し戻す。

抗いもすぐに飲み込まれていく熱いキス。

逃れようとずらした舌先を道明寺の舌がどこまでも深く追ってくる。

「愛してる」

ほんのわずかに解放された唇から息を継ぐ。

紙一枚分の薄さの隔たりに見える道明寺の唇。

漏れる声はそのまま吐息となって私の口元に流れ込んだ。

もう何も考えられなくなった。

本当は一気に☆~と行きたい気分。

日が高いうちは書けません・・・。

今までの初体験のお話では一番スムーズな設定で~♪

Oh!珍しいと叫んでるドS倶楽部会員の皆様はいるのかなぁ(^_^;)

拍手コメント返礼

ふ*様

最近嵐も正装してること多いですよね。

私も司だ♪と思いながら見ています(笑)

普段はドS砲のほうが私も好きですが今回はまじめに最後までと考えています。

ゆげ様

3日分まとめて読むと確かにおなか一杯なりそうですね。

次の話で~

こそこそと隠れながら準備しています。(^_^;)

プルコ様

文庫本って~

お褒めいただきありがとうございます。

Gods&Death様

こんな気持当の昔に私も・・・

ドップリ少女漫画に浸っていた頃を思い出しながら書いています。

あのころの漫画はキスシーンだけでドキドキものだったなぁ。

今みたいに性的描写なんてほとんど~なかったし・・・。

やさしく~やさいしい~続きですか?

ドキドキもので仕上げなきゃいけませんよ。

b-moka

順調過ぎる甘めのお話。

そうか出てこないと思ったらドS倶楽部会員御一行は出張中だったんですね。

そろそろご帰宅かなぁ~。

↑嘘で~す。

じゅ*様

つかつく最高のお褒めの事がありがとうございます。

結婚前のラブなお話は私も書いていて楽しいです。

どれもほとんど楽しんで書いてはいますけどね。

続きをすぐにUpできるといいんですが・・・。

まりあ様

今回だけは私も期待を裏切れず・・・(^_^;)

コミカルな方が私としては書きやすいんですけどね。