クリスマスなんて大嫌い 3(2016年度)
この話今日では終わりそうもないです。(;^ω^)
鍵付きのお部屋までいきたいんですけどね。
なんせ冬休みに入っちゃからなぁ・・・
こそっとかける時間が見つかるといいんですけどね。
クリスマス企画PW解『tukatuku』もあと少しとなりました。
明日からは通常のパスワードに戻りますのでお間違えないようにお気をつけください。
ご協力ありがとうございました。
*なに?
信号で止まった瞬間道明寺がハンドルの上に顔を乗せて助手席の私を見つめてる。
きらきらとクリスマスのイルミネーションを映しだす車の窓よりも道明寺の瞳のほうがきらりと輝いてる。
「信号変わるよ」
ドキッとした感情をごまかすように焦って前を指さす私。
つまんなそうに漏らすため息。
「この俺様が、うらやましいって思うなんてありえねぇよな」
不満そうな後悔してる声。
「だから、腕を組んだじゃない」
「ちょっとじゃねぇか」
「それは、道明寺がやらしーこと言うから・・・」
私も胸を押しつけ過ぎたって思う。
道明寺の逞しい腕の感触をしっかりと私の胸の中に埋没させちゃった。
わざとじゃいけど腕を組んでまとわりつけばそうなるのはしょうがない。
「あれよりやらしぃことやってるだろうがぁ」
大きくなる道明寺の声に慌てて口を手のひらで抑える。
誰に聞かれることもないはずなのに瞬間的に道明寺にこれ以上しゃべらせなくなかった。
「お前、事故ったらどうするつもりだ」
はがされた手のひらは道明寺につかまれたまま。
そのまま道明寺はハンドルを片手で握って車を発進させた。
マクセルを踏みこむ道明寺はまっすぐに前を見て私を見ようともしない。
そのくせしっかりと私の手は握ったまま。
指の間に指先をすべり込ませて強弱をつけながら遊ばれてる。
艶めかしく動く指先に私の肌の上をすべる道明寺の指の動きと重なって変な気持ちになる。
「片手じゃ危ないよ」
「大丈夫だ」
ハンドルを持つ手より私に触れる手の方に神経がいってないといいけど・・・
道明寺は・・・何も感じないのかな?
車の中だということを忘れてしまいそうなときめき。
このままずっと触れていてもらいたいような気分。
久しぶりに道明寺に会ってドキドキしないはずがない。
道明寺の腕が動いて私の手のひらが道明寺の頬まで引き寄せられる。
「牧野、今日のクリスマスはお前が喜ぶ様なことやりたいって思ったんだ」
「会えるだけでうれしいよ」
普段でも中々会えないんだもの。
クリスマスじゃなくても道明寺と過ごせる時間は貴重なんだから。
「着いた」
地下の駐車場に吸い込まれて車が止まる。
「これ」
道明寺が私の目の前にぶら下げたのは部屋のカギ。
「これって・・・なに?」
「なにってこのマンションのカギ。会社の近くにマンションを買った。
最近この部屋利用してるからお前にもカギを渡しておく。いつでも来ていいぞ。
通勤にかける時間をお前に会う時間に充てられるだろ?」
どうだとどや顔で言われても困る。
相談もなく何でも一方的に決めた後の事後報告。
「うれしくないのか?」
「うれしくない」
そこはきっぱりと言い放つ。
「俺の部屋のカギだぞ!」
「だから?」
「あのな、自由に使っていいんだぞ」
「家はあるもの」
「親と住んでるから一人じゃねぇだろうがぁ。
ここなら二人っきりで誰の邪魔されねぇし、クリスマスプレゼントとしては最高だろうが」
二人で使う部屋ならもっといろいろ相談してほしかったよ。
「行くぞ」
玄関を抜けてしぶしぶと入ったリビング。
用意されたクリスマスディナーが二人分セットされたテーブル。
クリスマスツリーは天井に届きそうな本物のモミの木。
「おい」
椅子を引いて私が座るのも待つ道明寺。
窓の外には煌びやかな街の明かりが見下せる部屋。
程よく温まった部屋は私たちが来る時間をしっかりと計算されたような演出。
「本当なら、ウエーターまで手配するんだが、今日は俺がお前の世話をしてやるよ」
目の前にスープを運んできた道明寺がそのまま私の前にスープを置く。
シャンパングラスに注がれる黄金の液体が泡立つ。
「大丈夫なの?」
「今日はまかせとけ、いつもやってもらってることだから見てるしな」
結構ガチャガチャいわせながら必死にディナーを進める道明寺。
やってもらうのとやるのじゃ違うものだよ。
「次はこの肉だな・・・」
メモを私から見えないようにしてみてる道明寺。
少し焦ってる道明寺に好ましい感情が湧き上がってくる。
「道明寺に給仕されるのって私だけだよね」
「ほかのやつにするつもりはねぇ。
つーか二度とするつもりはねぇし」
食事の最後のケーキをテーブルに置いたところで道明寺は疲れ果てたようにソファーに座りこんだ。
たぶん二度とやろうって思わないだろうなって私も思う。
私も道明寺の給仕に落ち着かないし食べた気がしないもの。
「こんな素敵なクリスマスを過ごしたの初めてかも」
道明寺の横に腰を落として自然と笑みがこぼれた。
「もっと、楽しいクリスマスを過ごすのはこれからだろ?」
肩に回された道明寺の左手がそっと私の頭を寄せて耳元でつぶやく。
耳に触れた柔らかい唇の感触にビクッと背中が震えた。
気が付くとすっかり道明寺のペースにはまってしまっている私がいた。
拍手コメント返礼
m 様
PW思いだしました?
意外とパスワードわからなくなったという問いあわせが多くて焦っています。
しろ 様
楽しんでいただきうれしいです。
今後とも一緒に楽しんでいただけたらと思います。