君じゃなきゃダメなんだ 14

お久しぶりの更新です。

お待たせしました。

里中先輩と葵ちゃんどうなるんだろう。

どうにもならないのが前提でお話は進めます♪

ばらしていいのだろうか・・・(^_^;)

皆さんわかってますよね♪

*

「珍しいね、こんな時間に一人なんて」

わたしを通り越してキョロッと視線を誰かを探してるように動かしてる。

それはきっとあきらの姿。

ここしばらく外出先での昼食が多かったから会社内で顔を合わす機会も少なかった里中先輩。

よりによってこのタイミングで出くわすなんて誰のいたずらだ?

美作家の双子の計画?

流石に里中先輩の情報まではないだろう。

「今日は会社から出てないので」

ここは何でもないようににっこりと笑顔を作った。

大丈夫とか・・・。

うまく行ってる?とか・・・。

聞かれるのは避けたい。

そんな問いかけをされたら平常心を装える自信がないから。

「何かあった?」

「えっ?」

そう来たかッ。

「考え込んでたろ?」

下から覗き込む様に里中先輩の顔が動く。

先輩ッ。

顔が近すぎッ。

自動販売機のガラスに映る2人の姿。

角度をずらして映る姿は先輩の頭に隠れる私の唇。

ドラマのキスシーンでも最近はほとんど見られない手法。

遠くから見たら絶対キスしてるように見える。

この状態で先輩の肩を押したら意識しすぎだと勘ぐられそう。

「今も、何か考えてるだろう?」

「何も考えてません!」

先輩とキスしてたみたいに見えたなんて・・・

大学の頃に触れた先輩の唇の感覚は今でも覚えてる。

確かにあの時はドクンと胸が高鳴って幸せな瞬間だったことは間違いない。

あきらとのキスに比べればただ触れ合っただけの軽めのキス。

その先に踏み込むことができずに終わった大学の頃の淡い恋。

あきらに対抗してるわけじゃないッ。

根本的に対抗できるほどの恋愛経験がある訳じゃない。

あっちは明らかに大人の関係で、子どもみたいな先輩との関係でドギマギしてる私がばかみたいだ。

「ここにいたのか?」

聞きなれた声にピクッとなったまま振り返った。

里中先輩に注がれた視線は「何してた」と笑顔の中に作る抑制に見える。

「秘書室にいなかったから、探してた」

そのまま腰に回される腕。

いつもなら熱く感じる手のひらも逃げたいと思う気分だ。

「忙しかったんじゃないですか?」

「午前中の仕事は全部終わらせた」

いかにも山積みされた書類だけをかたずけた様な言い方にカチッなった。

知ってるんだからねッ。

社長室を抜け出して誰を相手にしてたのか。

「数人の女性との面会が予定されてたのは知りませんでした」

「珍しいですね。社長室での面会の予定はなかったんですけど」

今の私は秘書の立場を逸脱してる。

秘書の顔でさらりと追求できる心の余裕なんてどこにもなくなった。

「なんで知ってるッ」

「ついさっきだぞ!」

焦った表情のままのあきらに腕を摑まれて引き寄せられた。

困った色合いの瞳がそのまま私に注がれている。

まだ私の隣には里中先輩がいて・・・

社内随一で人目を引く容姿に注がれる視線は徐々に増えている。

「社長に関する情報網は本社では随一でしょう」

「すぐに誰かれとなく教えてくれるわよ」

あきらの腕を振りほどいたのは注がれる視線に耐えられなくなっての事。

このままじゃ『女性関係のもつれ』なんて話題を提供することになりかねない。

「葵ッ・・・」

言いかけた声はその場の雰囲気を察知したように黙り込む。

「来い」

そのまま力加減なしに掴まれた手首。

人目から避けるように連れさられた。

拍手コメント返礼

ゆげ様

いつもと違うあきらが葵に見せる態度っていいですよね。

ちょっと強引気味のあきら♪

つくしちゃんよりは葵の方が少しは素直だと思うんですけどね。

里中先輩いいキャラなのかふたりにちょっかいだしてくるのかそこがこれからの楽しみかもしれませんよ♪