不機嫌なFACE (社員食堂で昼食を♪)
久々に道明寺本社での一コマ。
「100万回~」からつながるお話。
時期は双子を出産後、仕事に復帰したばかりのつくしと司の一コマです♪
『テェファニーで朝食を』みたくかっこいいお話にはなってませんけどね(^_^;)
*「やっぱ、ここにいたか」
その声に思わず食べていた麺を吹き出しそうになった。
「今日のお昼は会食じゃなかったけ?」
「中止になった」って、涼しい顔は私の皿から餃子を指でつまんで口の中に放り込んだ。
指でつかんだその餃子も輝いて見えるから不思議だ。
社員食堂の冷凍餃子のはずなんだけど。
「案外食える」
ニンマリとなる顔。
その顔は悪戯して楽しんでる子供のままの表情を作る。
真直ぐに私を見つめる下まつ毛もくっきりとしたアーモンドアイ。
華やかさを添えて私の真正面へと腰を下ろす。
「私もラーメンセットで!」
セルフサービスに並んでいる社員の食事の注文が、いきなり私と一緒の内容に変わってる。
それも一人だけじゃない。
司が社員食堂に出没するのは見慣れた光景。
出産前は仕事じゃなければほとんど向かい合って社員食堂で食べてた二人。
私の仕事復帰の第1日目で、この場所で、司を見ることは予想外。
久々の代表登場に色めき立つグループと、緊張感が漂うグループに分かれてる。
空気の色は赤と黒。
温度差は歴然と違う。
「司が来ると喜んでる人と、嫌がってる人が両極端だよね」
「俺の外見を楽しんでるやつらと、仕事で言い合ってるやつらとの違いだよ」
司と仕事で言い合える社員はいないと思うけど。
ほとんど一方的に指摘して、やり込めて挫折する社員もいるとかいないとか。
「俺と対等じゃないやつは、仕事を辞めても問題ない」
そう言い切る司の威圧は、相手をビビらせるのには十分で、逆に相手を委縮させて能力を発揮できないんじゃないかって思うんだけど・・・。
自分ができる能力があるから、相手に求めるのものもかなり高度。
傲慢さと威圧感に打ち勝って仕事ができるのは、西田さんしかいないって、思う。
確かに色合いの赤いのは女性社員が多い。
「緊迫した雰囲気を和らげてやろうとか思わない?」
「キャーキャー、言ってるやつらも多いぞ」
私たちのテーブルの近辺は、明るい色の空気が飛び交ってるのが分かる。
遠くから離れた場所で食事をとる人たちは、食事を摂ってるって言うより、口の中に無理やり詰め込んで飲み込んでる。
司の影響だってわかるから申し訳ないって思う。
「今は休憩時間なんだから、穏やかな顔できないかな?」
「別に怒ってねぇぞ」
大体が無愛想なんだからッ!
近寄りがたいオーラを背負ってるから、なおさら始末が悪い。
その自覚は本人には、サラサラないときてる。
「笑顔!」
「面白くもねェのに笑えるか」
ホントにもっ。
頬杖ついて絶対笑わないって、頑固な表情でそっぽを向かれた。
「キャー、撮れた」
「かっこいい♪」
黙っていても何をしても絵になる艶。
パシャッと光るフラッシュ。
携帯を片手に笑顔じゃなくても笑顔を向けられたようなテンションの高さが見える女子。
「撮るな」とか「見るな」って、怒鳴らない分には少しは私も安堵する。
司も確実に成長してる。
「それより、一人で食事って珍しくねェか?」
注目の視線を、相手にするのもばからしいって感じで舌打ちして、私に、道明寺が向き直った。
「いつもの同僚は?」
「玲子さんは外出中だし甲斐さんは玲子さんの代わりに育児休暇中だけど」
「へぇ~あいつが子供の世話するの?」
「出産後1年は玲子さんが取ったんだけど、1歳を過ぎてから甲斐さんと交代だって」
抱っこ紐をつけてる甲斐さんは玲子さんより様になってるように見えていた。
今はやりの『イクメン」を楽しんでる。
「私なら怖くてできないけどね」
「それ、どういう意味だよ!」
「駿のオムツをかえたの3回。それも大の時は開いたオムツを代えずに元に戻したよね」
「昔のことだ」
「舞や翼は1回もやってないし・・・」
「その場面に遭遇したらやってやるよ」
ムキになっている道明寺を私は楽しんでる。
こんな会話をしてる司を見たら緊張感もほぐれそうなんだけどね。
小声の会話は隣のテーブルに座る社員にも聞こえてないはずだ。
「楽しみにしてる」
私は緩みっぱなしの表情でそうつぶやいた。
「でも甲斐さんみたいに抱っこ紐をつけて舞や翼を抱いてる司って想像できないな」
「抱っこ紐?なんだ、それ?」
「スーツ姿でさ、背中に赤ん坊背負ってる司って・・・」
「プッーーー」
想像したら笑いをこらえられなくなった。
赤ん坊を抱っことかおんぶの道明寺グループ代表。
高級スーツに身を包んでシルクのネクタイ。
つややかなシルクの光をてかてかにコーティングするのは赤ん坊の口から流れ出るヨダレ。
颯爽と的確に部下に指示を出す司の胸元で眠る舞。
笑うなって言う方が無理だっ。
「なに、大口開けて笑ってんだ」
「ごめん・・・っ。でも、ツボに入った」
「ブッ!フフフフ」
笑っちゃだめだと思うと余計にまずい。
口を塞いだ掌は必要以上に勢いのついた息が噴き出て指の間から声を漏らす。
司の不機嫌さを無視するように笑い声が止まらなくなった。
拍手コメント返礼
なおピン様
こちらはいい天気です。
のどか~
午前中はコメントに返信で終わりそう。
社員食堂での食事シーンはいろんなパターンは考えているんですよ。
小出しでUpしていきます。
ドラマ見たいですよね。
こ*様
社員食堂からどうしてここにつなげられる?ってお話ですが、笑ったの感想で張り切り度UPできます。
こちらこそよろしくお願いします。
ゆげ様
そうですね。
久しぶりに玲子さん&甲斐君との一コマも楽しいかもしれません。
私も書きたくなってきた~。
どこで書こうかな♪
今書いているものの中では・・・。
>私の中で玲子さんは井川遥さん、甲斐さんはにの、のイメージなんです。
なるほど♪
>道明寺ホールディングスの社員だったら、社食は楽しみの一つだろうな~♪代表夫妻を見れる可能性を求めて毎日行っちゃうな~
行っちゃうでしょうね。
別な会社からも食べに来るとかありそう♪
こっちではジャージをスカートの下にはいてる子はいないですね。
モンペのおかげかな?(笑)