SP物語 16(ソラノカナタ スピンオフ物語 )

昨日はソラノカナタ最終話での投票、番外編にたくさんのプチありがとうございました。

拍手プチをはるかに超える200越え。

西田さんの方も100を超えるプチをいただきました。

あ~こうなると西田さん日記も捨てがたい・・・(^_^;)

相変わらず西田さんも人気者です。

ソラノカナタで登場のオリキャラをもっと登場させたくて新しいお話も構想中です。

しばしお時間をいただいた後連載を開始したいと思っています。

すぐはじめたらソラノカナタを終わらせた意味がないですからね(笑)

*

「一平、起きろ!」

たたき起こされて眺めた部屋は記憶にないカーテンが風に揺らめく。

俺・・・床で寝てるし。

背中イテッ。

「お前の家を知らないから俺のアパートに連れてきたんだよ」

なんとなく断片的な記憶がよみがえる。

好きなんです!

何度となくこの言葉を口にしたような・・・。

誰を好きだって言った?

記憶がない。

「俺はそっちの趣味はないから」

「えっ・・・」

もしかして相葉先輩に告白?

相葉先輩に?

俺は男にときめいたことなんてないぞ!

相葉先輩を見つめる俺はきっと顔色をなくしてる。

「彼女が好きとか代表が好きって俺に抱きついたことは忘れてやる」

先輩は笑いと一緒に言葉を吐き出した。

「一平、彼女が好きって態度を代表に見せたら一発で左遷だよな」

「俺の好きは恋愛感情の好きじゃありませんよ」

「そんな言い訳が代表に通じないのはわかるだろう」

テーブルの上に出されたトーストとコーヒーを片手に喋る話題じゃない。

彼女に挨拶以上の会話で突き刺さる鋭い視線。

彼女がにっこりと俺たちに笑いかけたらそこでアウト。

すぐさま代表が飛んでくる。

今回の護衛は本当の代表の姿を見た気がした。

彼女が代表の中心にあるってこと。

ケンカするたびに二人の仲は深くなるって関係は俺には無理。

今までの俺の恋愛の経験上は女性との波乱を避けたくって必要以上に気を使ってた。

だからうまくいかないってありか?

「一平、今日は牧野家に直行な」

トーストにバターを塗る相葉先輩。

「代表の迎えに屋敷には行かなくていいんですか?」

バターを塗る作業を中断した相葉先輩は『説明いるか?』としらっとした視線を俺にむける。

「あっ・・・」

そうか、代表は昨晩は彼女のアパートに泊まったんだ。

俺たちが引き上げる頃、あの部屋を大きな荷物を持って出ていく彼女の家族。

両親に弟。

その意味が今ようやく分かった俺。

「仲直りできたんですね」

「できてなきゃ俺らが困る」

「もう時間がない、急げ一平」

先輩にせかされて残りのトーストを口に頬張る。

小さなアパートで彼女と二人で過ごす夜。

代表の普段の生活を俺が知ってるわけじゃないけど、狭いベットで彼女の温もりを感じて眠る幸せは俺も代表も変わりがないはずで・・・。

身体がベッドから落ちないようしっかり腕に抱く柔らかい身体。

寝返りも打てない狭い空間で絡み合う4つの下肢。

朝になって腕がイタイとか足が延びないとかそんなことも苦じゃない一時。

これで不機嫌ならどうなるんだ。

「先輩の朝食って質素ですね」

「朝一緒に食事する相手がお前じゃなかったらもっといいもん食わせるよ」

上着を俺に放り投げて先輩が席を立つ。

「これでも料理には自信がある」

「それじゃごちそうして下さい」

上着に腕を通しながらバタバタと先輩の後を追って部屋を出た。

「男に手料理食べさせて惚れられたら困るだろ」

「そんな趣味はありませんから」

俺・・・

昨日先輩に何かやったか?

焦りでさっき食べたものが胃からのど元まで上がってきそうだ。

「昨日俺はお前にコクられたって思って焦ったんだからな」

俺を責めるような声はそのまますぐに笑いを押し殺す。

「一平、お前もすぐに感情が顔に出るよな?SPとしては失格だぞ」

「失格って、冗談でも言わないでください」

「すまん」

何気なく弾む会話。

先輩もきっと今日の護衛は楽勝だと思ってる軽めの会話が続く。

朝方まで警備についていた大野先輩と交代。

「思ったより楽じゃねえかも」

意味深な大野先輩の表情。

「花沢物産の御曹司が登場したぞ」

花沢って、代表のご学友のF4の一人花沢類。

顔くらいは知ってる程度の俺。

彼女を取り合ったって話は俺たちSPの中では有名な話。

引き継ぎもそこそこに「カンカン」と鉄製の階段を下りる金属音が響く。

フードをかぶって顔を半分隠してもすらっとした鼻筋と引き締められた口元は一目で代表だと分かる。

俺たちの前を早足で通り過ぎる代表。

そのまま追いかける俺たち。

緩みそうになる頬をキュッと引き締めて軽い足取りの代表。

それは幻だった。

ムッとした表情はいつものクールさをますます冷却させてる。

そのままドスッと突風状態で車の後部席に腰を下ろした代表。

車のドアを閉めた俺に向けられた鋭い視線。

俺はまだ何も代表の気に障るようなことしてません!

なんとなく・・・

俺たちって無難な警護に今回は縁がない気がしてきた。

拍手コメント返礼

b-moka

おはようございます。

両方のプチの増加が半端なく多いです。

両方かぁ。

番外編おすすみ方で西田さん日記の内容は変わってくると思います。

お仕置きで来るかなぁ(笑)

一平君と相葉君もなんとなく愛すべきオリキャラになってきました。

この二人の巣のかけあいのなかに楽しさが生まれてるんですよね。

きっとこれからちょこちょこと登場してくると思います。

yum***様

爆笑 何よりうれしい褒め言葉です

笑ってくれるかな?と、考えながら書いてるもので~♪

一平君の苦労がまだまだ見たい!

見れるお話を考えないといけませんね(笑)