Happiness 7

やっと続きを更新。

止まってるお話もぼちぼち再開したいんですけどね。

結婚式まで秒読みな二人。つかつくとは違ったイチャイチャブリですが、

このまま何事もなく進むのは面白くないような気もするのです。

なにかないかなぁ・・・(^_^;)

*

「きゃー」

「社長が出張先から戻ってきたって本当?」

「今車が着いたところだって!!」

「早く!!見逃したら大変よ!」

浮き足立つ社内。

部署から飛び出す女子社員に押されて壁際に追いやられた。

「もうすぐ会社に着く」

携帯が鳴ったのはほんの数分前。

一秒程度の声を聞いただけでうれしくなるのだから遠目にあきらの姿を見つけて喜ぶ女子社員と私も大差ない。

地上が見下ろせる窓際に張り付く女性の数にため息が漏れる。

あきらと知り合う前なら仕事中に何やってんだかって白々しく眺めてた光景。

全く興味なかったはずの相手が今はもっとも私の興味を引く相手に変わってしまっている。

一番端の窓の隅でちらりと地上に視線を落とした。

「社長よ!社長!」

「社長帰ってきたのねェ」

「お顔が見れなかったこの1週間、ホント寂しかったなぁ~」

お顔って『お』を付けられるあきらって・・・

私が好きになったのは顔じゃないから!

ハンサムで優しくて気が利いて仕事も出来て、無駄に何でも出来る男ってそこも欠点に思えてくる。

女性にもてないはずがない。

私も寂しかった。

あきらの前じゃ言わないから!!!

見下ろしたその先で注目を浴びる長身が歩みを止めた。

ビルを眺めるように上向きになる顔。

軽く右手を挙げて微笑んだ。

遠目にもハンサムって分かるのは反則だ。

「目があった!私かな?私!」

その仕草にまたカッコいって声がどこかで聞こえた。

もしかして気が付いた?

思わず床に座り込むように身体を隠す。

目があったのは一瞬で・・・。

まさかね・・・。

そっと首を伸ばして隠れるようにもう一度、目だけを窓の上に出す。

あきらはビルの中に吸い込まれて見えなくなっていた。

「絶対、私に手を振ってくれたんだと思う」

「きっと私にだよ」

結婚が決まっても相変わらずの人気。

「社長結婚するんだよね」

「もったいないなぁ~」

「眺めるだけなら独身も既婚者も問題ないじゃん」

「だよね~」

結婚しても社内の人気はダントツあきらが独り占めしてそうだ。

ウエディングドレスも決めて着々と私たちの結婚式の準備は進んでいる。

これが順調に二人で決められないから困る。

あきらのお母様と双子の妹。

私たちそっちのけなんだもん。

「ゴンドラに乗って登場するの、スモークも焚いてね」

「お母様古~い」

「今はサプライズな演出が人気よ」

「もう一度葵さんにおにいちゃまがプロポーズの再現てどう?」

「おにいちゃま数回プロポーズを葵さんに断られたんじゃなかったんだっけ?」

ドキンッ!

心臓が口から飛び出すかと思った。

なぜそれを知ってる!

心なしかあきらの表情がこわばるのが分かる。

古傷を掘り返すのはやめてほしいと声にならない心の声。

ほとんど私たちが口をはさめる雰囲気はなし。

「全部無視するから心配するな」

呟くあきらも相当疲れてる。

「おにいちゃまの昔の彼女が古い映画の逆バージョンで花婿をさらう演出ってどう?」

「おにいちゃまならそこまでやってくれそうな昔の彼女がいてもおかしくはないでしょう」

いつもは冷静なあきらがキレた。

「それで葵が襲われたの忘れてないだろうなッ!」

滅多に感情をあらわにしない分、迫力は十分。

「帰る」

そのまま美作邸を出て今日に至る。

「もう相手にしなくてもいい」

あきらはそう言ったけど私にあの3人を無視できるはずがない。

何も言ってこないからなおさら気になる。

ウエディングドレスを選んでいたころが一番平和だった気がした。

あきらが見えなくなって静かになった社内を慌てて社長室まで急ぐ。

一足早く戻っていたあきらがにっこりとほほ笑んだ。

「どうせならエントランスまで迎えに来てくれればよかったのに」

マジで出迎えてたらさっきより大きな騒ぎになる。

あきらと一緒にいると私への注目度は100倍に跳ね上がる。

一人の方が目立たないんだから。

「下手に女性社員から恨みをかうようなマネはしないわよ」

さっき聞いた感嘆の声が悲鳴に変わるのは極力避けたい。

クスッと小さく笑ったあきらが私の腕をとった。

「確かに、こんな真似は出来ないよな」

力強く背中に回された両手の中で胸元に引き寄せられる。

至近距離で私に向けられるとびっきりの笑顔。

背伸びして軽くあきらの唇に私の唇を合わせた。

不意打ち過ぎる甘い声につられるような自分からのキス

離れた唇は小さく「おかえり」って告げる。

「確かに人前じゃ無理だな」

あきらの両方の手のひらが私の頬を包み込む。

ゆっくりと降りてきたあきらの熱が素早く私の唇を塞いだ。

「ン・・・ッ」

激しく求めているような情熱的なキス。

さっきの私からのキスなんてキスに入らない。

身体から力が抜け落ちそうになるのを必死に耐える。

今度こそ煽られないって思ってたのにッ。

負けないからッ。

「また明日から出張だから」

「えっ?」

「少しでも葵に会いたくて帰ってきただけ」

「出張って、また!」

最近本当にすれ違ってる。

会いたくって帰ってきたって言われるうれしさも半減。

「落ち込むな」って声に「結婚式の準備どうするの」って不機嫌な感情が思い切り顔を出してしまってた。

拍手コメント返礼

けい様

久々の1番乗り♪ありがとうございます。

実は予約投稿を夜中にするか朝方にするか迷ったんですよね。

夜ご訪問の傾向の強いけい様が見てくれたらチェックもしていただけるかもって考えて夜中の更新にしました。

たぶん週末予定があるときはこのパターンで予約投稿すると思いますのでよろしくです♪

プレッシャーはかけてませんので♪

なおピン様

宮崎は週おくれの嵐にしやがれ日曜日にあるんです。

昨晩はグルメの兄貴編でしたよ♪

この二人も不足気味♪

この後は順調に行くのかな~。

b-moka

いよいよなんですけどここからどう動くのか!

どうなるのかの想像が当たったらすごいなぁ~

私としては皆様に「おッ!」と思ってもらえるような予想外の展開を考えているんです。

当たったら拍手しますよ♪

りっ**様

お待たせしました♪

この後は順調にUPしていく予定ですのでお付き合いをよろしくお願いします♪

何もないとつまらない(^_^;)

それを言われると・・・。

ガンバ!!