JOYFUL
はぴまりの短編始めます♪
リクエストありがとうございました。
*「北斗なんて、大っ嫌い!」
半分涙目の私に余裕たっぷりの北斗が憎らしい。
愛情なんてない契約結婚のはずだったのにいつの間にか好きになって私の生活の大半が北斗でしめられてる。
私の心はいつも北斗でいっぱいなのに同じように北斗は私を想ってくれないのかって悔しくなる。
ケンカのきっかけはいつもたわいないことで、他人から見たらあほらしい事だけど私には切実。
週末の休みをどうするかでもめた。
映画に遊園地とか水族館とか。
デートらしいデートの経験がない私たち二人。
初対面も最悪でいきなり結婚。
それなのにッ!
「子供だな」
鼻で笑って北斗はため息をつく。
「大人のデートには程遠いよな」
「しょうがないでしょ!今までデートらしいデートって経験ないんだから」
「どうすればそこまでモテないんだ」
「モテなかったわけじゃないもん」
拗ねる私に余裕の表情の北斗。
投げつけたクッションは簡単に外されて床にポトリと落ちた。
目の前のコップを投げるのをためらった結果がこれだ。
「相変らず単純でわかりやすくて、俺は助かる」
クッションかコップか悩んだことは無駄だったってこと?
「何もかも初心者のお前はその分教えがいはある」
つかつかと私の前にやってきた北斗は私を見下したと思ったら覆いかぶさるようにキスをした。
「んっ」
驚いて逃げだそうとしても、北斗の大きな手のひらが、私の手首を掴まえて離さない。
強引な束縛。
見開いた視界の先で目をつぶったままの北斗の長いまつげがわずかに揺れているのが見えた。
言いたいことはすべて強引なキスに飲み込まれていく。
すぐに唇の温もりは溶け合って同じ温度になって両腕から力が抜け落ちた。
このままじゃまた何も言えなくなる。
頭の隅で抵抗しようともがく声はそのまま熔けて消えていく。
身体中が北斗に応えるようと敏感になってしまってる。
頭の芯が震えるような感覚にそのまま自分から舌を北斗に差し出してしまっていた。
その途端に私を突き放す様に動く北斗。
何でもなかったように私から離れた北斗はソファーに座る。
え・・・っ
なに?
なんで?
突き放された欲求はそのまま置いてきぼりにされてしまってる。
「・・・北斗っ・・・」
「俺のこと、大嫌いなんだよな」
大っ嫌いって・・・。
そんなこと思ってないって分かっている表情を浮かべて聞くなッ!
自分から私にキスしてきたくせにッ。
真っ赤になって絶句してる私を無視して涼しい顔の北斗。
「あのキスはなんなのよッ!」
「躾」
ソファーの背もたれにもたれかった横柄な態度のまましれっと北斗が呟く。
「取り消せッ」
キツメの視線はペットを躾ける調教師そのものの威圧。
横暴!傲慢!我儘!
「北斗なんて!」
「なんだ?」
もう一度大っ嫌いって叫べばいいのに、叫べるわけがない。
「ドSっ!!」
思い切り舌を出して叫んだ。
少しの沈黙のあと北斗がフッっと口角を上げて笑う。
「千和、好きだ」
いきなり好きって・・・。
私のドS発言に返ってきた甘い声。
そう来るならもっと別な言葉をって考えても頭の中に響いてるのは北斗のスキだって発した声。
あっ・・・
えっ・・・
もうっ!
北斗は私の反応を面白がっている。
真面目な声のわりにはさっきから目が笑ってる。
最低ッ!
そう思いながらさっきから心臓はドキドキと音をたてている。
「もっと躾ける必要あるな」
もう一度私に近づく北斗の顔は楽しげに微笑んで、そして、優しすぎるキスを私の唇に落としてくれた。
拍手コメント返礼
びー***様
何とかお約束のお話をUPできてほっとしてるところです。
しばらくはこんな感じの短編がお届けできればと思っています。
カッコいい人って得ですよね。
なにをしても様になる♪
授業参観お疲れ様です。
来週は私もだわ(^_^;)