不機嫌なFACE 22

ここから司対Jの対決。

実際はどちらも同一人物なんだよなぁ。

演技と素の対決!

私の認識はファンの人から見ればしょうもないものなんですが(^_^;)

そこはお見逃しを~~~~~。

「僕のこと忘れてませんか?」

にっこりとほほ笑むアイドルの笑顔。

司とは違った魅力がそこにはある。

好感度抜群だ!

ニヒルな魅力と存在感。

皇帝的な統率力が周りを惹きつける司。

対照的な二人。

似た顔立ちでも受ける印象は全く違うという不思議さ。

蒼と赤のオーラが対照的に見える気がした。

「なに、鼻の下を伸ばしてんだ」

わっ!

鼻の触れあいそうな至近距離に近づく顔は青から赤に変わってる。

温かみのある赤じゃなくて怒りの赤。

「鼻の下なんて伸びてないわよ」

これを言うのが精一杯。

司の機嫌を損ねることは避けたいオープンな場所。

冷静に対処しよう。

自分に繰り返し言い聞かせる。

「彼女困ってますよ」

私と司の間に割って入る様に胸元に伸びてきた腕。

わ~~~~っ!

そんな態度をとられたら司の怒のバロメーターが一気にあがる可能性がある。

「代表・・・」

危険を察知して司に近づいてきたのは西田さん。

「つくし様、少し代表をお借りします」

軽く頭を下げて向きを司の西田さんが向けた。

ナイスフォロー。

流石は西田さんだよ。

「なんだ」

「これも仕事の一環ですからつくし様を構うのはその後にしていただきたい」

いかにもお偉いさんみたいなスーツの男性のところへ西田さんが司を誘導していく。

チラリと私に振り返った司の口元「おとなしくしてろ」と動いたのが分かった。

大人しくって、知らない人ばっかり中で騒げるわけがない。

それにさっきから私の隣にいるのは今を時めく人気者。

人並みにドキッとしても少しはいいじゃん。

「悪いことしたかな?」

わぁぁぁぁ、声も司に似てる。

悪い事って謝る単語は絶対司は言わない。

この柔らかい口調が司なら絶対に胸がキュンとなって動揺しそう。

Jの仕草や声を司に照らし合わせて不思議な感覚を楽しんでいる。

でもそれは私の知ってる司じゃない。

「いえ、こちらこそすいませんでした」

頭を下げる私の前に料理の盛られた皿がスッと差し出される。

「まだ食事はが途中だったでしょ?」

目の前の皿を受け取った私の前でJがぱくりと料理を食べてる。

釣られるように私もフォークを動かした。

料理の味なんてわかんないよ~~~。

ヘンな緊張感。

司がすごく優しく私に接してくれるような錯覚。

「ほら、喰え!」って、司なら乱暴に私の目の前に皿を突き出してきそうだもの。

私に向ける優しさなら花沢類に勝る人はいないって思う。

我儘で傲慢で自分勝手で横暴で・・・

だけど私のことは精一杯愛してくれて大事にしてくれてる司を知ってるから好きになった。

優しさを前面に出してくる司なんて想像できないんだよな。

やさしくされたいって思いながら目の前のJを否定している。

司の横暴さも強引さもやさしさだって気が付いてる。

自分の感情を柔らかく表現するのが苦手なだけなんだから。

Jとの何気ない会話は、ポツンと一人になりそうな不安な気持ちを盛り上げてくれる。

いつの間にか私の周りに集まった5人。

きっと道明寺夫人に対する敬意なのだろう。

司は気が付いてないよね。

背伸びをしないと見えないくらいに私の姿はすっぽりと5人の陰に隠れてしまってる。

これなら大丈夫か?

司に見られてる可能性は少ないか?

会話が途切れがちになったところでその華やかさら逃れるように部屋の片隅に居場所をうつした。

司が私のもとに戻ってくる前に一人になる方が無難だと思えたからに他ならない。

大きく息をついてホッとした瞬間。

目の前に近付く影。

「来い」

突然ズカズカと目の前にやってきた突風はそのまま私をさらう様に手首をガシッと掴む。

「え?」

「帰るぞ」

「もういいの?」

返事がないまま部屋から連れ出されてしまった。

躊躇する隙も与えられない強引さ。

それはいつものことだ。

優しさのかけらも見えない強引な力が手首に痛みを与えている。

ライトの光を抑えたオレンジの照明。

足元だけを照らしてる。

影に当たる壁際に連れ込まれたら何も見えなくなった。

ちょっとの優しさが見えれば私も反抗心がむくむく顔を出さずに済むのにッ。

そう思うのは贅沢なのだろうか。

壁に押し付けられた背中。

動きを塞ぐように両手が両肩のすぐそばに付かれてる。

「ちょっと優しくされるとすぐこれだ」

司の息が鼻先に触れる。

何時もよりきつい瞳が私を見つめてる。

「それなりの対応をしてただけでしょう」

大人の対応と思って欲しい。

「楽しそうだったよな」

憎々しくつぶやく唇。

それはやけに艶っぽく映る。

冷ややかな瞳で見られても身体は熱を感じてる。

「優しくされることがあまりないからね」

気持を誤魔化す様に顔を横に向けた。

「俺が優しくないみたいな言い方だな」

すぐに強引に私の顔は司に向きを変えられてしまう。

「優しいつもりなんだ」

やめればいいのに魅せられる感情を誤魔化す様についつい反抗的な態度を見せてしまってる。

ムッとなった目つきはそのまま近付いて、唇に司の息が触れるのを感じて思わず目を閉じた。

・・・。

・・・・っ?

唇に触れる息はそのままの距離を保ってる。

「キスされるって思ったろ?」

うっすらと開いた私の目の前には悪戯っぽい表情が見えた。

「なっ・・・」

癪だけど違うと否定出来ないのは私も司も分かってる。

「俺はキスしたい」

閉じる間もなかった唇にするりと舌先が入り込んで乱暴なキスで唇を塞がれてしまてた。

拍手コメント返礼

なおピン様

『J』という文字をただけでニンマリしてるなおピン様発見!(笑)

このまま退場させるのは惜しいですよね。

本当におっしゃる通りつくしが羨ましいよ~。

ゆげ様

確かにつくしにしたら

ショウモナイいいがかり。

自分はどうなのーよ!

モデルと食事の約束なんてしちゃってってとこから波乱が起こる設定が一つ。

物陰に引き込まれてその後のいちゃこら。

どっちになるのかな(笑)

ひと波乱の内容は捨てがたいんですよね。

いえいえ、私もゆげ様からいただく感想にニンマリしております♪

自分の考えたものが共有できる方がいるってすごく幸せなんですよね。

完璧な現実逃避もできるこのブログは私のストレス解消法です。