Happy life 12 (南の島の夏休み)

つかつくファミリーの夏休み。

夏の陣みたくドタバタにならなきゃいいんですけどね。(^_^;)

 

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「華やかな方が喜ぶに決まってるだろう」

「舞がやりたいのは手で持つ花火なの!」

華やかで目立つのは司だけで十分だとつくしが真顔で呟く。

比較するものが違うだろう。

目の前で膨らむ表情を楽しんで、つくしの不機嫌な声も無性に俺を喜ばしている。

ヤッパ、つくしだよな。

どこにいても俺に本気で文句を言い返すやつはお前しかいない。

俺とお前のやり取りを初めて聞いたやつは驚きを隠せない表情を作る。

そしてそれに気がついたつくしはしまったと唇を噛む。

その一瞬に喜びを感じてる。

「ケンカの内容の次元が低くすぎじゃないのか?」

「私は司の次元について行けない」

頬に手のひらを当てたつくしがハァーと呆れたようなため息を漏らした。

「大学生の頃、花火を見に行った時のことを覚えてるか?」

「それは、覚えてるけど・・・」

ベッドルームから離れた海が見渡せるバルコニー。

そこから緩やかなカーブを描いた海岸線が見える。

海に沈む夕日は水平線を赤く染める。

おなじようにつくしの頬がうっすらと染まったのが分かった。

「初めてだったんだよな、花火を見て感動したの」

「じーさん、ばーさんになっても一緒にお前と花火を見たいって思った」

二人で行くはずだった花火大会。

類と総二郎とあきらまで加わって、俺を落胆させた。

あいつらからつくしを連れて逃げることしか考えてなくて・・・。

人ごみで迷子にならないようにつくしの手をしっかりと握って汗ばんだ手のひら。

本当に初めてだったんだ。

人ごみの中を綿菓子をつまみながら歩く。

買い食いなんてしたことねェし。

薄いピンクに色づけされた綿菓子を指で摘まんだつくしは頬一杯にそれを放り込む。

甘ったるく満足げに浮かべる笑み。

横から顔を差し込むように頬張った俺に「取るな」って、笑いながら食べやすい位置に綿菓子を差し出してくれたあいつ。

500円のしょうもない食べ物が今までの中で食べたどんな料理より眩しくて、おいしくて、

口の中で熔けた砂糖の甘さはそのまま心の中まで入り込むようで。

その後カキ氷にリンゴ飴。

たこ焼まで食べさせられたっけ。

内心は、腹をこわさねぇだろうなって少し心配だった。

「ここから見える花火はきっと、あの時より感動するって思う」

俺の横にならぶ頭一つ低い華奢な体。

チッコイのがバルコニーにぶら下がって、それより一回りチッコイのは両腕に抱いてる俺。

出来れば片方の腕はチッコイのじゃなく華奢な方に回していたい。

「俺としてはすごく単純な願いだって思うけど」

「子供達が喜べばいいんだけどね」

海を向いていたつくしは身体をくるりと回してバルコニーにもたれながら部屋の奥のベットルームに視線を向ける。

「喜ばないのか?」

花火が嫌いっていうやつがいるか?

「駿と舞は大丈夫だと思うけど、翼は雷の音にも震えて、ピーイピーイ泣くからね」

確かに雷も花火も音は似ている。

「だらしねェな」

男ならそのくらいで怖がるものじゃない。

ここは父親として厳しい面も見せる必要がある。

「子供ってヘンなもの怖がることあるのよね」

「風船の割れる音とか、駿なんて着ぐるみを見て泣くし、舞が一番度胸があるかもね」

「だらしないとか絶対子供の前で言わないでよね」

つくしが翼を庇う様に目の前に迫まって口を尖らせた。

子供に諭す様な母親の表情で俺を見るな。

弱い部分を俺が見せることを極端に嫌ったおふくろとはえらい違いだ。

俺の幼少期ってどれだけ孤独だったのだろう。

だから今の時間がかけがえのないものだって人一倍大事に思えるのかも知れない。

駿も舞も翼もつくしが母親で幸せだぞ。

考えたら俺、子供たちのこと全然知らねェ。

苦手なものも怖いものも何が好きなのかも。

俺ことが大好きって事だけは分かってるから満足してるだけじゃだめなのだろうか。

「大人になっても子犬を見て震えてる人の遺伝じゃない?」

クックッと俺をからかうようなつくしの表情。

「あ~あ、子供たちは犬が飼いたいとか言ってるんだけど」

「誕生日のプレゼントにせがまれたらどうする?」

「パパが怖いからダメって教えてあげようかな」

それバラされたら父親の威厳無くなるぞ。

つくしも本気じゃないと思いたい。

「るせっ」

「バラしたら、それに代わるものをお前からもらわなきゃ、気持ちが収まらなくなる」

「キャッー」

つくしの首を締めるように背中から回した腕。

笑いながら冗談の様に上がる小さな悲鳴。

耳元から首筋を唇がなぞるように触れる。

襟元から滑り落ちた手のひらはゆっくりとつくしの膨らみを包み込んだ。

「ペシッ」

柔らかな弾力を楽しんでる手のひらが小さく音をたてる。

「テッ」

打たれて手のひらをわざとらしく上下に振る俺。

「子供達そろそろ起きるわよ」

機嫌のよい明るい声はしっかりと俺の悪戯を受け入れている。

そのままの軽い足取りでバルコニーから部屋に戻るつくしを黙って見つめてた。

今の一時もかけがえのない幸せ。

それをかみしめている。

拍手コメント返礼

あさみ様

案外男の子の方が怖がりますよね。(笑)

この兄弟の力加減はやっぱりTOPは舞ちゃんなような気がします。

らん**様

お久しぶりです♪

つかつくファミリーのお話は人気がありますね。

たまには親子でバトルの大ゲンカというのも楽しそうかも~。

つくしと舞ちゃんがタッグを組んだら男性陣は勝てなさそうですが(^_^;)

なおピン様

御疲れ様です。

気分浮上できました?

潤君と拙宅を並べてもらえるなんてチョーうれしいーーーッ。

どんな褒め言葉より舞い上がってる私。

これで夏休みも乗り切れるぞ!