ドッカン !! 11
無事に修習に参加できることが出来るのか!
司君は黙っていないと大半の方が思ってるようで(^_^;)
騒がしくなる予感♪
「女は変わるな」
朝一番に会った公平が私を見て呟く。
「でしょ」
嬉しそうに声を上げたのは私を公平の前に押し出した萩原さん。
朝五時にたたき起こされて、頼んでもいないのに身支度からメークまでされるがままの私。
つい数日前に知り合った私のためにここまでできるエネルギーはどこから来るのだろう。
美の追求って・・・そこまでの価値が私にあるとは思えない。
確かに萩原さんによって作り変えられた私は広告にでも使えそうなくらいの『Before』『After』
「あれ誰?」
「最初からいたか?」
「あんな子がいたら最初に気が付くよな?」
周りから感じる好奇な視線。
私の願望とは裏腹に修習生のなかでも牧野つくしは目立つ存在となった。
嫉妬と皮肉な視線には慣れてるんだけど・・・
羨望と賞賛的な視線は慣れていない。
つーかそんな視線を向けられていたって司に知られたら本気でヤバい気がした。
「これからどうするの?」
「どうするって、今さら最初の姿に戻ってもしょうがないし・・・」
壁にもたれ掛ったまま天井を見上げた。
コツンと壁に後頭部が当たって軽い音をたてた。
「手首どうした?」
頭を擦る様に上げた袖の先からちらりとのぞいた赤い痕の残ったままの手首。
「何でもない」
焦ったまま腕を降ろして片方の手のひらで隠す。
隠した手首の方も目ざとく公平に見つけられてしまってた。
「何でもないって、痕じゃないだろう!」
「まさか、ほかにもあるのか!」
公平の怒りのこもった声にビクッと身体に緊張が走る。
私の肩を掴んだ公平の指先は確かめるように上腕に触れる。
まあ・・・
たぶん・・・
これ以外にも赤い痕は残ってるんだけど・・・
公平の考えてるようなものじゃないから!!!
「俺が理由か?」
ギクッとなって公平を見つめた私にやさしく語りかける様に公平はつぶやく。
「そうじゃないから、これは単に冗談が過ぎただけ」
誤解を解かなきゃって思いが空回りしてうまく言葉にならない。
「こんな目にあってもあいつを庇うんだな」
やりきれないような表情を浮かべる公平の方がなんだかとても痛々しい。
本気で私のことを心配してくれるんだね。
ごめん、本当に何でもないんだから。
声にならないままに心がつぶやく。
道明寺は私にはこれ以上ないくらいに優しいし思ってくれてるんだから。
ほんのりと温かい空気が私を包み込んでいく気がした。
「誰?」
「え?」
意外性に驚くような雰囲気の声が入り口から聞こえる。
ザワツキは徐々に大きくなっていく気配。
そろそろ講義のはじまる時間だ。
確かめるように壁にかかった時計に目をやった。
教官の後ろにやたら多い人影。
大人数で指導する講義って有るんだっけ?
「どうぞこちらへ」
それにしてはやたら腰の低い低姿勢の教官が見えた。
「ウソッ!」
驚嘆の声にかき消されてしまったが、同じ単語が違うニュアンスで私の口元から小さく漏れた。
なにしに来た?
何のために?
もしかして私の事をバラす?
「みんなも知ってると思うが道明寺フォールディングス代表の 道明寺司さんだ」
教官の声に静けさを取り戻す室内。
「今回は修習所の視察ということで来られてる」
なんのための視察だ!
道明寺の事業と何の関係もないはずでしょう!
おずおずともたげた視線の先で「文句あるか」的な不敵な顔が見えた。
表向きは修習所の視察でも目的は私の視察に間違いない。
コツコツと響く靴音はそのまま私に近付いて止まる。
「松岡公平ってお前?」
威圧的な低めの声は足元からピキッと凍らせるような冷気を伝える。
頭の先まで凍らせるのには短時間で十分だ。
「そうですけど」
それに負けない冷ややかな声が頭の上で聞こえた。
いよいよ 司 VS 公平 血の雨が降るのか!
どうなるかはつくし次第。
これでつくしの正体もばれる?
続きを早めに!!!
応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
はな様
コメントありがとうございます。
確か300万代のキリ番でしたよね。
はなこ様でメッセージを頂いていました。
その節はありがとうございました。
一押しありがとうございます。
大変うれしかったです。
ひつじ様
ハブとマングースの戦い。
それはすぐに見ないと~~~~~(笑)
ハブは司ですよね?
でも勝つのはマングースじゃなかったですか?
司危うし。
ゆっちゃん様
きっと西田さんが渋い顔をしてますよね。
「この忙しい時に、うちの代表は!!!」って(笑)
この後海外に司は出張に追いやられるってお仕置きを用意してる西田さんが見えるような気が~~~。