大学の中心で卒業できないを叫ぶ 12

つくしは妊娠を悩み、司はどうすれば1秒でも長くいられるかを画策する。

もしかして・・・

妊娠も・・・

司君、大事な役目をするコンチャンに針で穴をあける原始的な罠を仕掛けたとかあり?

一人部屋でちっちゃな包み紙を指で持ってポスポスと針で穴を開ける姿なんて似合いませんよ~~~

案外

「西田これやっとけ」

「ぼっちゃん・・・」

コンチャンと針を見つめてため息をつく西田さん。

なんて一コマを想像して一人で吹き出しておりました。

リクエストいただければ別館でUpかな?(爆)

*

スカートの裾をたくし上げる指先。

拒むように牧野の指が俺の手首を掴んだ。

キスするつもりで顎の角度を上に向かせた。

「悪さするな」

キッと吊り上った眉。

顰める眉。

怒って白い肌が鮮やかな朱に染まる。

熟れた桃の様な艶めかしい唇。

それが色っぽく俺を誘う。

強情で・・・

反抗的で・・・

それが相変わらずで・・・

そのことがどれだけ俺を感情的にさせて、身体の奥をうずかせるかなんて、まったく理解できてない罪な奴。

誘ってるのそっちだからな。

「まっ・・・」

俺の肩を押しやる力ごと受け止めて奪う唇。

一瞬にしてすべての音を、存在を消し去る。

いつまでもこうしていたい。

「今のは、 ナシ!」

唇を離した途端に切羽詰まった声が聞こえた。

色気のない声でナシってなんだよ。

キスの最中に出る言葉じゃねえだろうッ。

しっかり俺のキスに応えるように返してきたキス。

感じていたことはバレバレで、今さらキスがなしになるような関係でもないはずだ。

予測不能な反応を見せるこいつがどうしようもなく愛しいって思う。

「バカじゃねェの」

頭のてっぺんを俺の手のひらでクシャと撫でながら笑い声が漏れた。

「大体、一方的に一緒に住むって聞かされてハイそうですかなんて素直に言える性格は持ち合わせてないから」

乱れた髪を直しながらぼやく牧野。

「それは分ってる。俺もやりたいようにやる我儘な性格だってお前も分ってるだろ?」

「直せばいいでしょう」

「直ると思ってんの?」

言い返す気も失せたって表情のまま、いまだに頬は膨れたまま。

「もう終わりか?」

「今日はそんな気力ないわ」

俺の目の前を通り越して牧野はソファーにボスッと腰を下ろした。

「・・・で、何時までここにいればいいの?」

天井を眺めた視線はそのまま後ろに倒れてソファーにもたれ掛ったままの牧野が俺を下から眺めてる。

溜息ついてんじゃねェよ。

「期限なんてもともとあるわけないだろう、いずれ結婚するんだしな」

「お前さ言ってたろ、一人暮らしも経験してみたいって」

「そしたら人の目を気にせず俺とも会えるとか可愛い事を言ってたよな」

「私の想像してたのは分相応のアパートで、一人暮らしがしたいってこと」

「別に道明寺と一緒に住もうと考えてたわけじゃないからねっ」

飛びあがる勢いでソファーの上に正座して強気な視線を俺に向ける。

焦ってるの分かり過ぎ。

完全に照れてるじゃねェか。

その反応がスゲー嬉しい。

「大した差じゃねェだろう」

「大した差でしょうッ!」

私の一人暮らしって1LDだぞってぶつぶつと聞こえる声。

そしてまだ納得してないって表情を俺に向けるこいつを可愛って思える俺はどれだけ寛大なのだろう。

「おまえさ、そんなに俺と一緒にいるの嫌?」

「・・・嫌じゃないけど・・・」

口ごもる様につぶやいて牧野が俯く。

「たぶん、忙しいからここに帰る時間もはっきり言ってそんなにないって思う」

「つまり牧野が一人で過ごす時間が現実には多いはずだ。お前が自由に使える場所を提供してやろうと思っだけなんだけどな」

「本当に、それだけ?」

牧野の怒りのバロメーターは少し下がった声に変わった。

「一緒に暮らせるって付加価値は俺の願望」

バシッと痛みのない軽さでクッションが俺に飛んで来た。

膨れていたあいつの頬が確かに今、小さく笑ったのが見えた。

順調に司君の思う方向に向ってるような気がします。

結局いやいやって拒否しながらつくしちゃんは司君を受け止めちゃうんですよね。

でもやっぱりがっくりくる司君も期待したい様な気もしますが・・・(^_^;)

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