ＤＮＡ で苦悩する 6

なかなかこのお話の進み方はカメで・・・(^_^;)

お話もまだ駿君のバイトまで行き着かない。

駿君の周りの関係の構成がそこまでまだいかないんですよね。

恋バナも匂わせてなかなか進まないし・・・。

ウサギの速さで内容が明らかになるまでもうしばらくお付き合いください。

*

土曜日の朝牧野家を出た僕は家路に急ぐ。

僕の背中を追う足音。

だから！

隠れなくっていいって千葉さん！

ピタッと歩くのをやめて小さくため息が出た。

後ろは振り返らずに着けてるのは知ってるからって暗黙の意思表示。

今日は道明寺邸に帰るだけだから！

走るッ！

ゆっくり歩いていた両脚にスピードを乗せる。

100メートル11秒代の俊足はどうやら両親譲りらしい。

父さんを振り切って逃げた回る母さんは颯爽としてたって、父さんは言うけど、それ、母さんに嫌われたって事じゃないのか？

父さんの嬉しいそうな表情の意味に疑問を感じるのは僕だけだろうか。

「走るときになつくしの制服のスカートの裾がなっ♪ピラっとなって・・・」

少し高揚する父の表情、そしてニンマリなる口元。

子供3人作っといていまだにそこで嬉しげに出来る父さんっていまだに初心？

母さんに関してだけのことだろうけど。

いまだにラブラブだもんなぁ。

こんな感想を子供に与えてる両親て、意外と幸せなんだって思う。

いい加減に僕の前でイチャイチャするのはやめてくれ！

これも率直な感想だ。

そろそろ舞と翼も嫌だって言い出すぞ。

直進から右に左に曲がって目に付いた喫茶店に飛び込んで姿を隠した。

窓の横か姿を隠しながらそっと外を眺める。

喫茶店の外で立ち止まってキョロキョロと僕の姿をさがす千葉さんの姿が見えた。

「道明寺君？」

「いらっしゃいませ」という声から数秒遅れで聞こえた声。

カウンター越しに僕を見つめる鮎川さんがいた。

「どうしたの？」

「どうしたって・・・ここ喫茶店だよね。丁度喉が渇いたから・・・」

走って乱れた息を整えながらつぶやく。

僕の後ろを覗き込むように鮎川さんの視線が動いた。

「あの人って・・・道明寺君の知合いじゃなかったけ？」

「あっ、あの人はほっといていいから」

鮎川さんの視線を遮断するようにカウンターの席に腰を下ろす。

コツン。

水の入ったグラスを鮎川さんが一つ僕の前に差し出す。

何も聞かないって意味の微笑み。

「ご注文は？」って落ち着いた声が聞こえた。

それに惑わされるように落ち着きかけた心臓がまた乱れる。

鮎川さんの場の空気を読む能力は感嘆すべきものだって思う。

ほとんどクラスの女子って何でも聞きたがって僕を辟易させる。

それが鮎川さんにはない。

もしかして・・・

僕には全く興味がないって事なのか？

「オレンジジュースもらえる？」

ジューサーにかけるオレンジの果実。

ガーガーと音をたてるジューサーの音が静かな茶店の中に響く。

午前の店の中には僕と鮎川さんの二人だけ。

「鮎川さん、一人なの？」

「マスターは今出てるから、すぐ帰ってくるけど。コーヒーを注文されたら作れないからジュースで助かった」

少し照れたように笑った鮎川さんがコースターの上にオレンジジュースのクラスを置いた。

「道明寺君ってこの辺に住んでるの？」

「おじいちゃんの家に居候中」

「それよりその道明寺君ってやめてくれないかな」

道明寺って呼ばれるたびに道明寺財閥の御曹司ってことがばれやしないかってドキリとする。

なぜ？って瞳が僕を見つめる。

「なんか、他人行儀って言うか鮎川さんとはもっと仲良くなりたいとか思うから」

「駿でいいから・・・」

「それじゃ私のことも鮎川って呼んでくれるかな？駿君」

僕の前に上半身を突き出す様に鮎川が動く。

顔が近い・・・

って、満員電車の方がもっと近かったはずなのにこっちの方がよっぽど緊張する。

「鮎川・・・」

「よし！商談成立！」

悪戯っぽく微笑んだ鮎川が僕に握手を求めて手を差しだした。

お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

　

拍手コメント返礼

おかゆ様

駿君には司とは違った大変さを経験させたい親御心♪　←　　嘘っぽい♪

ハイ！私もドタバタ大好きなんです。（笑）

プンちゃんのママ様

そうですよ～。

ハンドル名にママが付く人はしっかりとお子さんがいらっしゃるって思いますから（笑）

子供がペットと方も中にはいらっしゃいますが・・・(^_^;)

陸上競技は土砂降りの中開催されました。風がなかっただけましでしたが、子供も私もびしょびしょでした。

次の日は台風の後の秋晴れで～～～。

駿君の高校生活は今からですよね。

文化祭に修学旅行♪

いろいろありますよね。

駿君たちのお話は幼稚園から一気に高校生に成長してます。

その辺は『第7話　FIGHT!!』「第8話　不機嫌～」の後からの話となる予定です。

まだまだ先は長くて～。

変換間違いは気にしないでください。

私もよくやりますから(^_^;)

キアコ 様

拍手コメントありがとうございます。

楽しんでもらえてよかったです。

もぐちゃんママ 様

はじめまして。

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