If 14

ようやく目的地に到着!

そんな気分です。

ファイナルの内容を深く掘り下げる司君目線のお話をお送りしたいと思ってます。

深くなるのかなぁ・・。

『何のトリガラもない』

これ以上の言い間違いを見つけたい!

なにを張り合ってるんだろう。(^_^;)

*

緊張している・・・。

強張る表情で笑顔を作るのは、俺の正面に振袖で傅く牧野。

俺のために着飾ってるって思うと頬が緩む。

いつもよりおしとやかって言うか・・・

目の前の料理には箸もつけない牧野が俺に助けてねって言ってるみたいに時々視線を投げる。

それがまた俺の胸の奥をくすぐる。

その横で料理にひたすら箸を動かす弟が牧野の料理の皿に手を伸ばした。

普通なら阻止しそうな弟の行動には微塵も興味を示してない。

牧野でも緊張が過ぎると食欲は無くなるらしい。

この結納が終れば牧野は正式な俺の婚約者となる。

これからは来年の春に向けての結婚の準備に向けて慌ただしさも増すはずだ。

忙しい俺の時間を有効に割くためには牧野の一緒に住むってこともありだと思う。

あいつが、屋敷で使用人をしていた時のことを思い出す。

今度は堂々と俺の部屋がお前の部屋って言える。

早く言いてぇ~~~~~~~。

婚約記者会見から今日までマスコミに追われる比重は俺よりも牧野が大きくて、大学に行くのもままならないと連絡を取るたびに牧野に愚痴られていた俺。

「慣れろ」

俺と結婚すればそれが当たり前になるんだから。

なかなか会えないままにバタバタ今日まで来たような気がする。

それでも目の前の牧野を見ると・・・

ようやくここまで来れたって俺は感無量で、うれしさが顔を出す。

ここからは幸せしかないって気がしてくる。

おふくろから牧野に贈られた宝石がちりばめられたティアラ。

道明寺家の守り神って・・・

俺はそんなのあるって知らねェぞ。

道明寺家にはたくさんの宝石や美術品があるのですがこれはその中でも特別とか・・・。

道明寺家の女主人しか知らない・・・。

俺が知らなくても当たり前と尤もらしい理由をなれべておふくろが笑みを作る。

なにも口出せない相変わらずの威圧的視線で俺を制することは忘れてない。

まあ・・・

道明寺家門外不出のティアラを牧野に贈るということはおふくろも牧野を次の女主人として認めたってことだ。

その事には俺もすごく満足している。

牧野は来年は俺の妻になるのだから当たり前のことだ。

結納が行われた清楚な料亭から近めのホテルに場所を移す。

道明寺系列のホテルを利用しないのは騒がれたくないための手段。

「私は仕事があるから」

こんな時まで仕事だとは、おふくろらしい。

つーか、おふくろも気を利かせてるのか?

一緒に泊まるはずのスィートルームは俺一人。

おふくろと一緒なんて子供の頃もない。

絶対ヤダと思ってた。

牧野を連れ込めないしな。

牧野は家族と一緒に同じフロアーのスィートルーム。

「ドウセナラ、オレノヘヤデ・・・スゴサナイカ」

誘ってもいいよな?

こんな機会は結婚式まで何度あるかわからない。

西田の奴は俺をこき使いすぎなんだ。

最近は「ハネムーンはゆっくり過ごしたいでしょ」と、こう来る。

言いなりになるしかない。

ドクンと高鳴る思いを抑えて牧野の部屋のベルを押す。

家族と牧野を食事に誘って、そのままもう少し二人で一緒にいたいって囁けばうまくいく気がした。

ドアを開けたのは牧野の父親。

愛想のいい笑顔で俺を迎え入れる。

「つくし、道明寺さんだよ」

その声もやけに明るくて、邪なことを考えてる俺には少し痛い。

「自分、これから食事なんで、良かったら皆さんもいっしょにどうですか?」

「あ!そういうことなら二人でね、水入らずで」

親父さんは俺の前に牧野を差し出してつぶやいた。

「ホントですか!」

思ったより早い展開に俺は牧野の両親が一気に好きになる。

これが笑えないはずがない。

「でも、折角なら、みんなで食べた方が・・・」

この際牧野のためらいなんてどうでもいい。

「じゃあ、そうさせてもらいます!ありがとうございます!」

俺としては感謝の意味も込めて深々と頭を下げた。

「え!ちょっと!パパ!ママ!進!」

一人にするなって表情で牧野がせわしく止めるのを相手にせず家族は部屋を足取り軽やかに出て行った。

牧野より両親と弟の方が離解してるぞ。

久し振りに俺と二人で過ごせることを少しは喜べ!

「なんだよ、牧野。おまえ、俺と二人っきりになるのが嫌なのかよ」

立ちすくむ牧野の前を大股で歩いてソファーに腰を下ろす。

「そうじゃないけど・・・」

「そうじゃないけど、なんだよ」

またしょうもないこと気にかけて悩んでる?

この部屋が豪華すぎたか?

「いや・・・いろいろプレッシャーだなーって」

牧野は大きく背伸びをしてソファーにひっくりかえってため息を大きく一つ付いた。

「牧野、お前、あれか、マリンブルーなんだな」

結婚前の女性がこのまま結婚しても大丈夫かといろいろ悩むってことぐらいは俺も知ってる。

フフッと浮かぶ余裕の笑み。

そんな悩みうらいいつでも解消してやるよ。

「・・・・マリッジブルー、ね」

「結婚はするもんであって色じゃねぇだろう。バカだな、お前は」

そのバカさ加減が可愛いんだけど。

「なんで、英語ペラペラなのに、そういうの弱いかな」

ソファーから起き上がった牧野が同情的な視線を俺に向けてガクッと肩を落とした。

えっ?

俺・・・何か間違えたか?

今はとにかく牧野の気分を変える必要がある。

「まあ、お前がいろいろプレッシャーあるのは分るよ。でも、俺がお前を守り抜く。心配しないで俺についてこい」

「・・・」

道明寺のTOPに立つってことがどういうことかは俺が一番知っている。

その俺について来るってことがどれだけ牧野にプレッシャーを与えるかもわかってるつもりだ。

俺は一生お前を守り抜く。

この約束を命を懸けて俺は果たす。

ゆっくりと近付いて縮めた二人の距離。

肩を抱き寄せて触れあう息。

目を閉じた牧野が目の前で、そして俺も瞼を伏せる。

唇に感じる熱。

こんな風に牧野を感じるのも久しぶりだ。

唇が重なろうとした瞬間に突然東京の夜景を移していた窓ガラスが大きな音を絶てて弾ける様に割れた。

なんだ!さすがの俺も一瞬の出来事に躊躇する。

窓から入り込む高層階の風は突風を部屋の中に送り込んでいる。

目を開けているのもつらい。

ガラスの破片が飛び散る中、窓から全身黒ずくめの男が飛び込んでくるのが見えた。

ここから・・・

俺と牧野の最大の試練の幕開けとなった。

司君・・・

離解は理解だから・・・

つくしの気持ちを解きほぐしてほしい気持もわからないではないけどね。(笑)

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

yuminn 様

離解するのは難しい♪

ほかにないかな~

道明寺語録。

かーちゃん 様

今の潤君で道明寺が見たい。

私も思います。

結婚して5年後ぐらいの設定でやってくれないかな~。

captain様

この時期は体調崩しやすいですよね。

そろそろインフルエンザの予防接種の時期も来ましたしね。

お大事に。

今日もお待ちしてます♪

ひつじ様

セフレサービスは私の中でも一押しです♪

それを考え付いた時は一人でウケまくってしまってました。

司君なら恥ずかしがることもなく大声で言ってくれそうですもん。