DNA で苦悩する 13
おはようございます。
昨日はお騒がせいたしました。
愚痴を言ってすっきりとした朝を迎えましたと言いたいところなんですが・・・
今日は寝不足気味で(^_^;)
スマホアプリのゲームパズドラにはまってしまいました。
きっかけはCM。
画面が小さいから目も疲れる。
寝ようとしたら眠気が覚めていて眠れない。
ただいま頭がぼ~っとしてます。
ヤバイかも・・・
「おい!駿」
うしろから聞こえてきた父さんの声。
「先に帰ってて」
振り返って答えた。
「ほっといてやれよ」
父さんにあきパパが告げた。
「俺らは一日中遊んでて家に帰らなかったこともあったよな」
あきパパは僕に行くように目くばせ。
「駿はバカなことしないわよ。誰かと違って超がつく真面目だしね」
誰と比べてる!的な、父さんの吊り上った眉。
そのままの強気な眼力が母さんに注がれる。
こうなると僕のことより父さんの興味は母さん一本になる。
「牧野に会うのも久しぶりだからこの後一緒に俺と付きあわない?」
「類!人の嫁さんを勝手に誘うな」
完全に父さんの頭の中から僕への関心は薄れてしまった。
母さんとパパ達がそろえば、父さんのいつもの冷静さが崩れる。
思い切り本気で慌ててる父さんを翼や舞にも見せたかった。
中坊は9時前には帰宅させられてしまってる。
『夜更かしは身体の成長を妨げる』
小さいころからよく言われたものだ。
特に父さんが早く帰ってくると父さんの口癖が「もう寝ろ」に変わる。
さっさと二人の寝室から追い出された記憶が残る。
イチャイチャしたかっただけ!
って、今ならわかる。
『近くのコーヒーショップで待ってる』
鮎川にはスマフォからメールを入れた。
「おじ貴たち、サンキュー」
渋めの表情が苦笑気味に笑った。
人前じゃパパと3人を呼ばなくなったのはいつだろう。
3人をパパと呼ぶたびにムッとしていた父さん。
3人がかかわってくるたびに父さんが不機嫌なるのは今も変わらない。
本音を見せれば特別目立つこの集団はみんな十分楽しんでるって思う。
父さんより母さんの方がだけど。
母さんが父さんの横で機嫌のいい笑顔を浮かべてた。
ムッとした父さんの横で笑えるのは母さんだけだと思う。
夜十時の店内は人影もまばら。
スーツを着てるおかげで普段より落ちついた感じに見られてるはずだ。
注文したコーヒーを受け取って、歩道が見える窓側の席に座った。
「お水どうぞ」
女性店員が即座に水の入ったコップをテーブルの上に置いた。
ここってセルフじゃなかったけ?
コーヒーを飲んでるのに水が必要か?
「あの・・・携帯の番号です」
水の入ったコップの横に11ケタの数字が並ぶ小さな紙を置かれた。
そのまま「キャー」って・・・
店内奥に引っ込んだ。
受け取れないって言う間がなくなってしまてる。
「モテるの学校だけじゃないんだ」
テーブルの上からメモした紙を見つめて「ハイ」ってにっこりと僕の目の前に鮎川が差し出した。
「来てたんだ・・・」
「来なかった方が良かったかな?睨まれちゃってるし」
今日はまずいとこばかり鮎川に目撃されてる。
しょうがなく受け取った紙をそのまま数字の書かれた面を下に向けてテーブルの上に置いた。
興味ないからと鮎川に示すために・・・。
伝わった?
クスッとした笑みを残して鮎川はカウンターで飲み物を頼んでる。
しばらくして戻ってきて僕の前に座った。
「驚いたよね?」
それは僕が道明寺司の息子だってばれたことの確認。
「君、自分のことわかってないでしょう?」
「えっ?」
じっと見つめる瞳の中に浮かぶ知性。
それは鮎川の実年齢より大人に見せる。
「気品があるというか、育ちがいいというのかな、普通と違うって雰囲気があるのよね」
「学校で王子様って呼ばれてるの知ってる?」
それは知らなかった。
「何処かの御曹司とか噂はあるけど、道明寺財閥のお坊ちゃんまではみんな結び付けてないのよね」
「道明寺 駿って名乗ってるのにね」
楽しそうな笑顔を鮎川が浮かべてみせる。
僕のことを知っても態度を変えない鮎川は今まで僕の周りに居なかったタイプの女の子だ。
それは多分貴重な存在だと本能で分かる。
「ばれたくないって思う気持ちもわかるから」
ぽつりと言って鮎川は窓の外に視線を移す。
「案外に鮎川もどこかの令嬢とかある?」
道明寺の関連する企業を確認すれば鮎川って苗字も出てくる可能性が無いわけじゃない。
体験のためってさっきのパーティーにバイトで紛れ込めた理由にもなる。
「それって、予測?それとも希望?」
「どっちでも関係ないけど、鮎川は鮎川だし」
「駿君も駿君だしね」
僕を呼ぶ声が道明寺から駿に変わって半日。
それでも慣れてないと言いたげに道明寺と声が飛び出る割合が多い。
今はきっと考えながら僕の名前を口にしてる。
なんとなく微妙な間が鮎川にはあるのがわかる。
わずかな変化が鮎川の何気ない気遣いに思えて唇が緩む。
「・・・でどうなの?」
「ご希望に添えず申し訳ありません」
ぺこりと頭を下げた鮎川は小さな笑を漏らす。
君も育ちがいいって言える気品があるけど?
それ以上は追求するつもりはない。
親は関係ないよな。
「送るよ」
僕の正体がばれても気負いのない鮎川にホッとしながら席を立って手を差し出した。
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
ゆげ 様
キャーキャーきゃぁ~
ゆげ様~。
久し振りにお見かけしてテンションあがってます(笑)
あれはそう・・・
まだ夏の最中に出張のご連絡をいただいてからスッカリご無沙汰でしたね。
秋を通り過ぎて冬に突入ですよ。
忘れずにいてもらってうれしいです。
出張お疲れ様でした。
一気読みもありがとうございます。
『チーバくん』 ゆるきゃらを持つ千葉さん。
持たせてみたい。
舞ちゃんのプレゼントなら千葉さんの手に渡ることはないかもしれませんよね。
短編のヒントありがとうございます♪
穂香様
コメントありがとうございます。
ここからの展開は温かく見守っていただけると嬉しいです。
ゆげ 様
覚えてますよ♪
忘れるわけないじゃないですか(笑)
そうなです。まだ駿君のバイトに行きついてません。
意外にゆるきゃらのキグルミの中に入れちゃうとか面白くないですか?