FIGHT!! 48

ストーリーも一段落して、話が単発化してます。

10月から更新してなかった・・・(^_^;)

高校生の駿君を書いていたら幼い駿君に会いたくなってくる循環。

そろそろ新しいネタを探さなきゃ!

*

我が家の母子家庭は今日で一週間。

一般家庭と違うのは子ども3人より断然多い大人の数。

司がいないと緊張感は極限に下がる。

子供の笑い声に乗っかる大人の笑い声。

主が帰ってくるとその主の表情一つで緊張感がピリリと加わる。

それでも道明寺邸はいたって平和だ。

「なにしてるの」

テーブルの大きな椅子に座ってぶらぶらさせる足。

やっと頭一つ飛び出した高さでガシッと掴む黒ペンを駿が走らせる。

白い画用紙とその上に乱雑に転がる色とりどりのペン。

丸の上にノッカッタグルグルと乱暴にペン先をまわした乱れた円。

どう見てもみかんの上にセーターをほどいて出来上がった毛糸の山にしか見えない。

円の下には卵形真ん中に青い線が一直線に下に向う。

ネクタイ・・・?

3身頭に表現された人間。

サザエさんにも見えるぞ?

駿が磯野家に興味があるわけがなく、トレードマークのクセっ毛でかろうじて司だって判断できる。

「パパにお手紙書いてるの」

絵の横斜め上に書かれた『パパ』の文字。

続く文字は『おかえりなさい』

『おかあさんが 一ばん さびしがってました』

何書いてるの!

読み進めて視線が固まった。

「駿・・・ママ・・・そんなに淋しそうにしてたかな?」

引きつりそうな頬を必死で緩めて笑顔を作る。

「うん!」

元気よく明るく無邪気な返事と満面の笑み。

私、駿の前で会いたいとか淋しいって言ってない。

と・・・思う。

「パパ、早く帰ってくるといいねって、いつもママが僕に聞いてるもん」

「僕、パパと会えなくても我慢できるから」

赤ん坊の頃から駿が起きているときに司と会うのは滅多にない。

駿からパパ「まだ帰ってこない?」なんて気にされたことはまだない。

3歳児の観察眼・・・

侮れない。

「今日帰ってくるんだよね」

「たぶん会えないと思うからお手紙でおかえりなさいって言うの」

誰に似て駿はこんなに気が付くのだろう。

かわいいっーーー。

「ママ、書けないよ~」

思い切り抱きしめて頬を寄せてキス。

子供のぷにゅぷにゅの弾力のある肌は魅力的だ。

司とは違う気持ちよさがそこにある。

駿は食べちゃいたいって思うけど司だと食べられちゃうのは私だからなぁ・・・。

画用紙の端に赤い紅葉?がふたつ・・・

これだけなぜかうまい。

良く見ると細かい線がいっぱい浮かんで・・・

葉っぱは1つ・・・2つ・・・5つ・・・って・・・。

「駿、これって手の平?」

駿の手のひらにしては小さい。

「これ、舞と翼のだよ」

「文字がまだ書けないから代わりに手の平に絵具を塗って僕が押させたんだよ」

「凄いでしょ」

「うん・・・すごい・・・」

嫌な予感。

絵具を塗った赤ん坊の手のひらどうなった?

側に誰か大人がいたなら問題はないんだけど・・・。

「駿、舞と翼に絵具を塗ったときって誰か大人の人いた?」

「僕一人で出来たからすごいんでしょ」

そのパパ似の不満げな表情・・・。

司がそんな表情浮かべるときも最悪なことになってる事多いんだからぁぁぁぁぁ。

「駿はここにいてよね」

慌てて舞と翼の部屋に飛び込む。

驚く様に私を見あげた二つの顔が無邪気に笑い声を上げる。

赤だけじゃなく茶色に青に緑。

顔に塗りたくってるミニチュアインデアンが出来上がってしまってた。

二人とも手の中にはつぶれた絵具のチューブを握ったまま。

ニッと笑った翼の唇は黄色。

「ギャーーーー食べないで!」

二人を両脇に抱えて速攻で浴室に向った。

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拍手コメント返礼

おかゆ

こんな頃も駿君あったのね~的な不思議な感覚に陥ってます(笑)

匿名様

妄想逞しく~

あははは、子供の幼児期の記憶がすっかり抜け落ちていて・・・

近状の子供を観察中です。

変質者に間違がえられないといいのですけどね。(笑)