パズルゲーム 28
さてさて、司君とご対面。
もちろんつくしの横には類君が♪
SP君冷や汗かいてなきゃいいですけどね。
わぁ~
見あげたビルは首がいたくなるほどの高層ビル。
NY支社も本社に負けず劣らず大きい。
日本とNYを道明寺が拠点にして飛び交ってるのもわかる気がした。
「牧野の反応、相変わらず面白いね」
「ビルの大きさには慣れてるでしょ、圧倒されてるのが牧野らしいと言えばらしいけど」
少し腰を折って左にわずかに傾ける角度。
花沢類の声は私にだけ聞こえるように耳元で囁く。
「だって周り皆外国人だよ」
驚いたのはビルの大きさじゃないからと誤魔化す様にビルの中を行きかう人々を眺めた。
日本企業のはずなのにアジアの人種の私達は目立つ。
花沢類は臆することなく溶け込んじゃってるけどね。
受付で来訪を告げる花沢類。
受付の女性が色っぽい目つきに変わって、気がある素振りを見せるのは日本でもアメリカでも一緒らしい。
「やるよ」
白く小さく丸めた紙が私の目の前を通って千葉さんの手の中に落ちた。
紙?
受付から離れた花沢類が私の前に立つ。
「連絡先渡されても困るんだけどな」
全然困ってない顔で花沢類がつぶやく。
受付の女性に確実に残した印象の数万部の1も花沢類の記憶の中には残ってないと思う。
西門さんと美作さんなら渡された連絡先をSPに渡す何てこと絶対にしないはずだ。
道明寺の場合は受けとりもしないだろうけどね。
上昇するエレベーターが止まる最上階。
前を歩く千葉さんが扉をノックする。
重厚な扉がゆっくりと開き出迎えてくれた西田さんと目がバッチリと重なった。
私はここまでです。
そんな態度で千葉さんは無造作に扉を閉める。
扉の向こうで、閉まった扉に背中を押し付けて脱力してる千葉さんを見た気がした。
千葉さん・・・
なにをあんなに焦ってたんだろう?
ここにもエントランスがあるのかと思える様な広い応接間。
その向こうに道明寺ホールディングス代表の執務室がある。
フカブカな毛長な絨毯に靴底を吸い取られながら歩く。
執務室の奥のデスク。
革張りの椅子に腰かけた道明寺は私たちを一瞥しただけでペンの動きを止めずにいた。
「約束通り、牧野を連れて来たけど」
「あぁ」
デスクから顔も上げずに声だけが単調に響いた。
怒ってる?
それもすごく?
まだ私に食って掛かってくれる方が楽なんですけど・・・。
「あっ・・・あのね、あっちの件は片付いたから」
「それが彼氏かと思ってたら相手は彼女だったの。びっくりしちゃった」
必要以上に高くなる声。笑おうとした頬が痙攣するのが分かる。
わぁぁぁぁ。
そんなこと聞いてないと鋭く冷たく私を射抜く閃光。
だからその不機嫌さの原因はなによ!
花沢類とか?
「どういうことだ?」
デスクの上に放り投げたペンがカランと転がって床に落ちる。
道明寺の視線は私の横の花沢類に注がれてる。
えっ?
ヤッパリ原因は花沢類?
どういうことって、どういうこと?
「なんで、いまだにこいつがお前の恋人なんだ」
椅子をな斜め45度に右に回転させて右足を左足に組む。
腕組みをしたまま見つめる冷ややかな視線。
もう十分と言いたくなる冷却度。
「俺達恋人同士だろ」
ホテルでの花沢類の言葉が頭をよぎる。
ウソッ!
道明寺・・・
どこで聞いていた?
「まだ、俺の見合いの相手が諦めてないんだ」
「誰かに手をまわしたみたいで、今回の俺の出張にもついてきちゃったしね」
道明寺の冷却度にうろたえてない花沢類の穏やかさ。
それって・・・
わざと道明寺を怒らせてないか?
「いつもの無関心さで無視しとけ」
ピキッと道明寺のこめかみが上に吊り上る。
「それじゃ応えないらしくてさ」
二人の温度差が笑えない。
どうしようッ・・・。
あっ・・・
無意識に足が一歩後ろに後退してしまった。
逃げたいッ。
拍手コメント返礼
あずきまめ 様
千葉君・・・脱力するのはまだ早いよ~
ピシッとね♪
司と類の火花パチパチは収まるのか!
つくしちゃん大丈夫かな?(^_^;)
やなぎ様
「そう言う事情なら貸してやる」
一番司が言わなそうなセリフですね。
言われたら逆につくしが怒ってしまうとかあるかも~
とくちゃん様
このお話はここからだと思います♪
司と類とつくしがそろってからどうなるのか!
甘アマまではまだまだですけどね。
アーティーチョーク 様
やらなくてもいい事やらせないと、楽しくないですからね。← 誰が?(笑)
諦めない類の秘書は一つカンフル剤みたいなものかなぁ~。
いないと話が面白くならないので厚顔無恥な存在でいてほしいと思っちゃってます。
コスモス様
土曜日の12時間の音楽番組面白かったみたいですね。
見たかったなぁ~
なんせ我が家の地域は放送予定外の地域なもので・・・(;_;)
お話だけ聞かせてもらってます。
この話も20話を過ぎましたから最終話を目指してのラストスパートになります。