パズルゲーム 35
え~
甘々なシーンを書くと終わったような気になってしまいます。
このお話はまだまだ続く。
類君と秘書はどうなった?
類君には、最上階の部屋で孤独に窓際で憂いのある横顔を浮かべて静かに夜景を眺めながら「まきの・・・」なんて呟かせたい。
秘書は完全にシャットアウト中。
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遠くから聞こえていたデジタルのめざましの音は、少しづつハッキリと耳まで届いて意識を覚醒させる。
まだ起きてない頭を虚ろにシーツから顔を上げた。
両手で頭を支えながら前髪を掻き上げて目を凝らす。
乱れて指先にまとわりつく毛先。
指先に絡みつく髪の毛が、今朝までの情事の痕を思い出させる。
寝たの何時だっけ?
麻痺して、溺れて、のめり込んだ時間は、早くて長い感覚。
早く解放してほしい想いと、解放してほしくない矛盾な想いの中で、力強く抱きしめてくれた腕は、すぐに手を伸ばせば届く場所にある。
寝返りでふんわりと動く空気に混じる道明寺の匂い。
閉じたままの睫毛は長くて目元を縁どるクッキリとしたライン。
瞼が開いて私を見つめられたら、吸い込まれるって分ってる。
「9時っ・・・」
そこから視線を外す様にベッド脇の時計を見た。
枕にうつぶせるように顔を落とす。
今日の予定はなんだっけ?
私たちの不仲説を増長する様な行動を見せるのだろうか・・・。
道明寺は今日も仕事で高層ビルの最上階で忙しく私のことは忘れたように働くのだろう。
なんだかんだ言っても道明寺は仕事が好きなんだから。
仕事だって理由で会う時間を削られたのは1度じゃ二度じゃない。
淋しい思いを私にさせたって反省してる?
起きてなくても横柄で我儘に思えてくる寝顔。
「道明寺が謝るわけないよなぁ・・・」
枕から顔を横に向けながら独り言はそのまま小さな声になる。
「誰が、なにを、謝るんだ」
目の前でぱっちりと開く瞳。
「起きてたの!何時から!」
「おまえが、時間を確認して、ため息を付いた時」
「ため息なんてついてないし・・・」
ベットから起き上がった表示にシーツに隠れていた裸体が姿を現す。
鎖骨のラインから引き締まった筋肉に包まれる上半身。
無駄のない筋肉は身体を鍛えてるって一目で分る。
「何か着てよ」
見慣れていても目のやり場に困る。
「おまえの方こそ何か着た方がいいんじゃねぇの?」
生れたままの姿で抱き合ったまま眠ってしまったのだからこの状況もしかたない。
なにも着てないのは道明寺だけじゃなく私も一緒だった。
ベットの上で目に付いたのは道明寺の着ていたワイシャツが1枚。
素早くそれを取って素肌に羽織った。
「自分のシャツを好きな女が着てるっていうのもいいもんだな」
ワイシャツのボタンをかける手が二段目でギクッと止まる。
道明寺が私に近づく動きに沈むベッド。
なっ・・・
もう朝!
無理!
押倒すな!
道明寺の吐息を頬に感じながら拒むように両手を胸の前で交差させて身構えた。
近付くようでこれ以上近付かない道明寺との距離。
触れあいそうな距離で確かに感じる道明寺の熱。
「ボタン、賭け間違ってるぞ」
えっ?
思わずギョッと見開いて視線を胸元に落とす。
かけ間違えてよじれた胸元。
あっ・・・。
ニンマリと意地悪く口角を上げた綺麗な顔立ちは、私からそのまま離れて「シャワー浴びるわ」と楽しげに呟いた。
私の荷物ってここに届いてるんだっけ?
寝室には見当たらないスーツケース。
しかたなく、ワイシャツのボタンを今度は確かめながら止め直す。
私には大きすぎるシャツは太ももまでしっかり隠して、長すぎる袖はひじの辺りまで三つ折りに曲げてたどり着く。
そこから向かったリビング。
朝食の焼きたてのパンの香り。
テーブルの上にはすぐにでも食べられるように用意された2人分の朝食。
それ以外には感じられない人の気配。
まるでランプの精に命令して準備をさせて突然現れた様な朝食。
ここにも日本と同様に使用人はいるってことだ。
準備中に来なくて良かった。
この格好でばったりって絶対ヤダ!
湯気を上げる料理の横に置かれた紙面。
なにげに取り上げた紙面に声を上げそうになった。
昨日の私と花沢類の写真が写っていた。
これって・・・
どう見ても親密に、キスしてる・・・って・・・
してないから!
紙面を持っていた腕がブルッと震えた。
拍手コメント返礼
やなぎ 様
この後気になるのはもちろん司君ですよね?
つくしちゃんはどうなる~ぅ
Gods&Death様
良かったです。
私も週末はべつな理由で憂鬱です。
日曜日は早朝から中学校の奉仕作業で学校の草生むしりに親子で参加です。
暑いだろうなぁ~。
あずきまめ 様
このまま朝食まであま~くなんて♪
私は甘くない~~~。
司君の反応はいかに!