パズルゲーム 37
このお話もいよいよ最終巻に突入した状況です。
最初の設定では類君がメインを飾る予定だったのですが変わっちゃいました。
類君ファンの方には申し訳ありませんでした。
ここでお詫び申し上げます。
やっぱり私はヘビにの生ころがしが多い司が好きなようです。(^_^;)
*
飛び散った食器の破片を拾おうと座り込む。
膝小僧が丸見えで、下着が見えそうな状況。
道明寺の視線を感じて、慌ててシャツの裾を引っ張った。
「片付けなくていいから、そのままにしとけ」
へ?
でも危ないし・・・
なんでも使用人任せじゃなく自分がやれることは自分する方が気が楽なんだけど。
なんでも誰かが面倒見てくる生活に慣れてる道明寺には理解できないであろう気苦労。
ここはまだ道明寺本宅より使用人の数もいないから、尚更自分のことは自分でするべきだって思う。
「ケンカした後の残骸に見える。だから片付けるなッ」
威圧感で有無を言わせぬ命令口調。
こんな時の道明寺には誰も一言も発せず『YES』と言うしかないんだと思う。
目の前をスーッと別な皿が落ちてガシャッと音を発てて砕け散った。
高そうな皿が何の躊躇もなく道明寺の指先から床に落ちる。
わぁぁぁぁッ。
床にぶつかる寸前でその皿を私の手のひらが受け止めた。
「丸見え」
えっ?
道明寺の視線の先には白い膝小僧が顔を出してる。
「着がえてくるからッ!」
立ち上がって、道明寺を睨らむ。
鼻歌でも聞こえてきそうなニンマリとした人の悪い笑み。
「意地悪ッ」
道明寺の手に、割られるのを阻止した皿を渡してその横を通りすぎる。
数歩進んだその後で「ガシャン」と、皿が割られる音が響く。
一枚で十分でしょうッ!
その考えをグッと飲み込んでクローゼットのある部屋を探した。
道明寺が出かけた後、陶器の破片が散らばったテーブル下。
確かにこれは騒然とした雰囲気。
朝食も食べずにケンカして様子がその部屋に作られている。
この部屋でこんな状況を作ってどうする?
散乱した部屋の様子がまた一面に載るって事って、ないんじゃないの?
道明寺はわざと流すつもりなのだろうか?
花沢類との今朝の写真で十分じゃないの?
読めない英字を眺めながらため息が漏れた。
この部屋に入ると落着けない。
道明寺はここから出るなとか言ってなかったはずだ。
エレベーターを降りてマンションの1階のエントランス。
受付に入り口にはガードマン。
ここにパパラッチが入り込むなんて出来そうもない厳重さ。
朝のケンカなんて・・・
それもしてないケンカが噂になるのだろうか。
玄関を出て歩道までの数段の階段を駆け下りる。
少し冷たくなった風が肌を撫でて心地いい感触。
どこに行こう?
折角NYに来たんだから観光しなきゃ。
高校時代、道明寺に会うために一人でやってきたNY。
パパの忘年会の景品で当たった飛行機のチケットを握りしめた一人で降り立った想い出の街。
言葉も通じない初めての土地の心細さ。
不安は道明寺に会いたい一心が打ち消してくれていた。
あの時、一人で周ったタイムズスクエア―、セントラルパーク。
今度は道明寺と二人で歩きたいって思う。
落ちついたらきっと二人で歩けるよね?
自由の女神も見につれていってもらうからね!
「どこ行くの?」
目の前に現れたのは華奢な男性のようで女性な赤西 玲さん。
その横にはしっかり河合さんが金魚のフン状態で吸着中。
この二人・・・
道明寺の住むマンションの住所は知らないはず。
だって、私も連れてこられるまで知らなかったんだから。
偶然?
それとも待ち伏せ?
どっち!
初めてこの二人に警戒心を持った。