落ち着きを取り戻せ!(呆れる~番外編)

週末は子どもの中学の秋季県大会でつぶれてしまいました。

疲れがとれない・・・(^_^;)

今日はちょっとブレークタイムと言うことで短編を一つおたのしみ頂けたらと思います。

『呆れるほど~』の番外編となります。

なかなか連載に戻らないなぁ・・・(^_^;)

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「おい」

見下すふてぶてしい態度の御客にはいつも手を焼かされる。

サービスはどのお客にも対等に!

そのつもりでいつも行き届いたサービスを心掛けてる。

平和に、気分よくその場を収める。

それが無理なことだって時としてある。

この場合がまさにそれだとかたずをの飲んだ。

「席を譲る気になったか」

ジロリと食事中の御客を睨み付けるその客の方がどう見ても不法侵入者。

後のゴタゴタを考えると無碍にできない。

そのお客の父親は後援会名目で多大なお金を落とすお得意様。

だからって、その息子にペコペコするのは仕事じゃなきゃ無理だ。

立ち上がった男性の威圧感は半端じゃなかった。

一回りもふたまわりも大きく見える存在。

そこにいるだけでピンと背筋が伸びそうな緊張感に空気が変わる。

視線を上げるのも難しい風圧、それなのに見つめたくなるような雰囲気。

「お前に電話だ、話をしてみろ」

「はぁ~つ」

怠いのっとりとした態度でどの男性から携帯を代議士の息子が受け取った。

「えっ・・・まさか・・・」

見る間に蒼白になってへロヘロと床にへたり込む。

まるでろうそくが熔けてゆるゆると姿を消すように床に姿を同化させる。

「お前が親父の後を継ぐつもりなら終わりだな」

なにごともなかったようにレストランから出ていく二人を見送っていた。

「どういうこと?」

「ただものじゃないよな?」

「静かにまだお客様もいるのだから持ち場に戻って下さい」

「大丈夫ですか?」

座り込んだ代議士の息子は支配人に肩を抱かれるように外に外に連れ出された。

レストランの支配人の指示で何事もなかった様に落ち着きを取り戻す店内。

「俺、すげースカッとしたんだけど」

「私・・・目がはなさせなくなったんだけど、思わず写真撮っちゃった」

「それ、ダメだろう」

「でもさ、ほら、すごくカッコいいし、魅力的なんだもん」

「だから、ホテルの従業員としちゃダメだろう」

女性に向ける渋めの表情。

律を正す様にキュッとネクタイを締め直した。

「って・・・それ・・・まさか!道明寺司!!」

覗き込んだ携帯の画面に息をのむ音が大きくごくり響く。

「えっ?」

「よく見ろよ写真」

俺に向けられた画面を同僚の女性に向きなおさせる。

「えっ?」

彼女は数度自分と俺に携帯画面を向ける仕草を繰り返して画面が抜けるんじゃないかと思う様に最後に凝視した。

「えーーーっ!」

「なんでこのホテルに泊まってるのよ」

バタバタと走り出す二人で向かったのはフロント。

「どうしたんだ慌てて」

怪訝そうなフロント係を押しのけるようにデスクのマウスを俺が操作する。

カチャカチャとキーを叩いて顧客名簿が表示される画面を数人の顔が覗き込む。

「見えないって」

「邪魔だって」

「だからなに調べてるんだ」

顔を押し付けて歪めながら誰一人その画面から視線を外さない。

「出たぞ」

「道明寺・・・司につくし・・・」

「結婚記念日での宿泊予約・・・子供達からのプレゼント・・・」

備考欄に書かれてる文字まですべてをフロントマンが読み上げる。

「勝手に扱うなよ」

「ほら、だろッ!!」

「ホントだ!!」

「なにが、ほら、ホントだなんだ?」

フロントマンはすぐに画面に表示された情報を消す。

「だから、あの道明寺司なんだよ!」

「無茶ぶりの我儘な客をぎゃふんと言わせて何も言わせ無くしたんだ」

「道明寺って、道明寺ホールディングスのか?」

半信半疑のフロント係がもう一度画面に顧客名簿を開く。

「まさかだよな・・・泊まってるの一般客室だろ?」

キーを叩いていた指先はそのままキーボードの上から動かさなくなった。

「このホテル、経営が変わるって噂流れてたよな?」

「まさか道明寺グループ?」

「偵察って事?」

「だから、目立たない様に泊まってるとか?」

「俺、君たちのサービスには満足させてもらったって褒められたぞ」

「一気に昇格とかあるかな?」

「それはないって」

同僚が即座に声をそろえた。

少しは期待させてもいいじゃないか。

道明寺司

惚れ惚れする。

一流の経営者ってやっぱり違うよな。

魅力的なのは容姿だけじゃない。

この事件はすぐにホテル中を数分で駆け巡った。

拍手コメント返礼

ソフィ様

スカッとしていただきありがとうございます。

善と悪。

このくらいハッキリしてると楽しめますよね。。

本来司君が黒をしろと言ったらしろなんでしょうけどね。

つくしちゃんと出会わなければきっとこのバカ息子よりひどかっただろうな(^_^;)

週末の疲れがとれなくて~(^_^;)

でも更新は出来ているので元気かな(笑)

今週から寒くなってくる予報が出ています。

寒いの苦手なんですよね・・・。

アーティーチョーク 様

VIP待遇がなんで一般に泊まるんだよ~

愚痴よりいろんな妄想を周りがやってくれたら楽しそうな・・・(^_^;)

ホテルの従業員に、SP君たち、御邸に使用人の皆様。

見たい気がします。

どんな夜になる事やら♪

ツックー様

息子より代議士の方が真っ青になっていたりして~

横柄な態度取る人いますよね。

金払ってるんだからとか、それで給料もらってんだろうとか・・・

看護士をしていた時代にもよくありましたね。

まわりまわまわって自分に返ってくるのになぁ(^_^;)

あずきまめ 様

子供に言わせると見てただけでしょうって言われちゃうんですよね。

疲れるのは疲れるんだから!!

お母さんは体力ないの!と言っています。

一晩寝ても疲れが取れない年令の辛さは子どもには分からないですよね。

正体を知った後のホテルの騒ぎは大きな方が楽しめそうですけでね。← 司君に怒られる~

かよぴよ 様

週末お疲れ様でした。

来週は駅伝大会の応援に駆り出されます。

これが終れば!今シーズンは終わりだ~~~

ここまでやれば司君も満足でしょう。

いや・・・まだピリピリしてるのかなぁ~。

案外暴力より衝撃を与えてる気がする。

大人になったのだろうか?

あさみ 様

ばれない方がおかしいかな?

部屋に籠ってれば別でしょうけど。

ルームサービス頼んだ方が平和に過ごせた気がします。

りん様

このままそっとしていてほしい。

一番そう思ってるのはつくしちゃんだったりして~♪

静かになるのかな?

Gods & Death 様

ありがとうございます。

週末で今シーズンは終わりました♪

最期まで雨に降られるって(^_^;)

なるほど確かに携帯の画像が印籠の代わりですね。

土下座はあるのかなぁ・・・

無い方が司君にとっては天国でしょうけどね。