恋の駆け引きは密室で 16

おはようございます。

昨日設置したクリスマスリクの投票所。

200を超える投票数を1日でいただきました。

コメントもたくさんいただいてますが、コメントは各選択肢で50個まで書き込み出来ないんですよね。

書き込みできなかった方は申し訳ありません。

もっと割れると思っていたんですが、王道のつかつくのリクが70%に迫る勢いです。

つかつくではバレンタインも誕生日も正月も、もちろんクリスマスのお話も書いちゃって、

お話数も多いのでここまで差がつくとは思ってませんでした。

今のところ次点は舞ちゃん佑君です♪

投票は23日まで受け付けますのでよろしくお願いします。

*

「牧野は?」

冷静を装う類の瞳の奥には牧野を心配してる感情がハッキリと浮かぶ。

「別の部屋にあいつらと4人でいる」

女を会社から追い出したあと、すぐに俺は牧野の周辺を極秘で探らせた。

「今回は司にしてはえらく慎重だな」

牧野のことになると直ぐに飛んでくるのは類だけじゃなく総二郎もあきらも同じ反応を示す。

『牧野に何かあったら司は手が付けられなくなる』

こいつ等の言い草。

本気で言ってるからムカつくが、反論できない。

「牧野がいつものあいつじゃないんだよ」

大学では四六時中牧野の側に類がいて支えてる様子は論外。

それなのに今回は類に嫉妬する気持をそのまま押し殺して俺らしくもなく押さえつけてる。

「類、お前もいろいろ探ってくれてるんだよな?」

「俺が知ってる事は司も調べがついてるんだよね?」

俺が質問してるんだろうがぁ?

口角を上げてかすかに漏らす息。

牧野を騙した奴らより、今は牧野の落ち込んだ気持ちを、不安を拭い去るのが先決だと、俺も、類も、分っている。

全部を語らずとも分ってしまうのも困ったものだ。

牧野に近づくなって言えねェもんな。

あいつ、俺に会ってもスゲー悲しそうな表情を見せるんだ。

強気で攻めれば谷底に身を投げ出しいそうな儚さ。

たぶんそれは類も気がついてるはず。

眠らされて写真を撮られただけあんなにすまなそうに俺にごめんとあいつは謝るものなのだろうか。

まだ、何かあるのか?

その不安が俺を慎重に、冷静に動かしてる。

全身の神経がただ一点、牧野にだけに向けている。

あいつの振るえる表情、声に心臓が鷲掴みされるようで、それでいてすべて言えよと掴みかかりたくなる乱暴な感情も生れてくる。

だから、滋たちを呼びして牧野をまかせた。

俺より上手く牧野の悩みを聞き出せるんじゃないかと。

「まわりを気にせずぐいぐい責めるのが司らしいって思ったんだけどな」

「そこまで、司が慎重になるってことは、ヤッパリ敵は恋愛がらみの単純なものじゃないてことなんだ」

総二郎の声に類が確信をもった表情を俺に向ける。

「斉藤 彩音 の後ろで糸引いてる相手まで司は掴んでるってことだよね?」

「類もそこまでは調べはついてるんだろう?」

息を吐ききるまでの数秒の沈黙が類と重なる。

「サイモン・ブラットリー」

二人でつぶやく声は見事に重なった。

「家庭を持ってない相手は信用できない」

俺と対面して会話1秒で話し合いの席にもつかなかった相手。

俺に会いたい奴はごまんといるのにガキだと小ばかにしたように俺を見下した相手。

忘れたくても忘れられるものじゃない。

サイモン・ブラットリーが取引のある会社の娘を使ってやりたかったこと。

牧野と俺を別れさせてどんな利点があいつにあるのか。

それが見えない。

牧野が俺の婚約者だからあいつが狙われてしまった。

それが俺の心にしこりを残す。

あいつを守れなかった俺。

牧野を手放せばあいつは平凡に人生を送れる。

分っていても牧野を手放すことなんて出来るはずがないことを俺自身が一番知っている。

これ以上あいつに傷一つ負わせるものか。

世界中のだれよりも守りたくて愛してるただ一人の女だからな。

それに俺はあきらめるってことを知らないんだ。

「大学でも牧野は類に頼む」

目の前に差し出した手のひらを類が掴んで返した。

「俺達もなるべく大学には顔を出す」

俺と類の手の上に総二郎に手のひらが乗せられた。

「司よりは俺たち方が自由に動けそうだからな」

「類と牧野を二人っきりよりその方が司も安心だろう?」

総二郎の手の上にあきらが自分の手を添えながらニンマリとほほ笑む。

一言多いつーの。

こいつらの何時もと変わらない態度が俺の気持ちを軽くする。

「お前らが牧野の周りをウロウロしすぎると目立ちすぎるんじゃねぇの?」

あきらの軽口を振り払う様に俺の手の上に乗っかった3つの手を振り落とした。

「司が牧野を大学で待ち構えているより目立ってないと思うけどな」

「見てたのか?」

俺が牧野を大学から出てくるとこを待ち構えていたのはこいつ等に連絡を入れた直ぐ後。

司の行動なら手に取るようにわかる。

そう言ってる油断のならない表情が3つ俺に視線を送る。

ニンマリするなッ!

あきらも総二郎もすぐに俺たちの周りであいつなりに動いてたみたいだ。

タクッ。

俺より必死に牧野を守ろうとすんじゃねェよ。

口角を上げて不敵に漏れる笑み。

俺達が揃えば恐れるものは何もないよな。

F4を敵に回したことを後悔するなよ。

サイモン・ブラットリー。

ここからちょっとサスペンス調で行けるかな?

このお話の始まりとえらい違いになってきてる気がしますが、呆れないでお付き合いをお願いします。(^_^;)

拍手コメント返礼

かえまま様

私もどんどんお話を進めたいです。

お?最後は楓ママが助けるっていうのもなかなかおつですね。

Gods & Death 様

T3の前にF4登場させてみました。

司君つくしちゃんの悩み知ったらどうなるんでしょう。

ゆかりん

ワクワクしてるのコメントうれしいです。

続き頑張って掻き上げてます。♪

あずきまめ様

F4の友情って最強ですよね。

F4が揃う場面はやはり花男の魅力がUPする気がします。

まちゃこ 様

この後どうなるのか!

もう少しハラハラドキドキする場面を考えてます。

アーティーチョーク 様

ここからもっと奥が深いお話にするつもりです。

つくしを騙した女子学生も男も下っ端だと思って続きを想像してもらうといいかな。

絵梨 様

初コメありがとうございます♪

まわりからこんなに心配されて大事にされるのもつくしちゃんだからでしょうね。

ホント羨ましいですよね。

つくしちゃんの寝顔を心配そうに覗き込む司。

いいですね。

うんうん、できればそんな場面を挿入したいですね。

参考にさせていただきますね。

akko

大人になった司君とF3の活躍。

今後もまだいろんな仕掛けをご用意させていただいてます。