リミット 12 (完)

どうなることかと思った誘拐事件。

最初のお約束通りに誘拐!愉快!爽快!なお話になってると自負しております。

このお話は甘々不足だったので最後にちょっと甘いエッセンスを~数滴♪

『恋の駆け引き~』で頑張ってる司君にご褒美上げてもいいですか?

なんてね。(*^。^*)

*

「寝たのか?」

「やっとね」

子供部屋から戻って来たつくしがテーブルを挟んだソファーの前に立つ。

腰を下ろしかけたところで俺の方に来いと視線を送った。

一人掛けのソファーに腰を下ろしたままの俺にしょうがないと苦笑を浮かべるつくし。

ゆっくりと俺の前に近付くつくしの腕をとって自分の膝の上に引き寄せた。

慌てる様子もなく自分から腰を下ろすつくし。

焦って、もじもじと顔を真っ赤にしていたころが少し懐かしい。

「こんなことて、これからもあるのかな」

天井を見上げてつくしの口元からため息が漏れる。

ライトにキラキラと輝くシャンデリアの光に眩しそうにつくしが目を細めた。

「誘拐なんてこと二度とあってたまるか」

誘拐されたって聞いた瞬間に駿が俺に助けを求める顔が浮かんで苦しくて、切なくて、歯がゆくて、

そして悲痛な表情を浮かべて、今にも窓から飛びだして助けに行きそうな動揺を見せるつくしの姿がいまだに目に焼きついている。

二度とあんな思いはお前にさせたくないって心の底からそう思った。

「子供達が元気に帰ってくるまで心配で、何時もより少しでも遅くなると事故に巻き込まれたんじゃないかって、必要以上に心配して・・・」

「運転手つきの車で送り迎えで安心は出来るはずなのに安心できなくて・・・」

自慰的に浮かぶ笑み。

「「ただいま」って笑顔で飛び込んでくる駿たちを見るまでホッとできなんだよね」

「それは子供達も司も一緒だから」

とってつけたようにつくしが子供達の後に俺をつけたした。

そのくらいで拗ねるわけねえだろう。

俺をあんまり見くびるなよな。

「凶悪な誘拐犯じゃなくて助かったよね」

「SPを付けるだけじゃなくて、子供達にもっと警戒することいろいろ教えなきゃダメだよね」

つくし・・・

お前がそれを言うのか?

警戒心の無さは、おいでと手を差し出されたら尻尾を振ってすぐにその手をペロッとなめる子犬並みだぞ。

ムッとなった顔が首を横に傾けて俺を睨む。

「なに笑ってんのよ」

つくしの両手が上に上がって俺の両頬を人差し指と親指ではさんだ。

「イテッ」

つくしの手を振りほどいて手首を掴んで太ももの上で拘束する。

「お前が子供達に何を教えるんだよ?」

「だから、知らない人についていくなとか、止まってる車に近寄ったらダメだとか、警備の人から離れるなとか、いろいろあるでしょう」

真剣に俺に訴えるこいつが俺の笑いを誘う。

「それが、一番心配なのはおめえだろうがッ」

さっきのお返しだとばかりにつくしの頬をつねってやった。

「ちょっ!ひたひってっ!」

俺に頬をつままれたままの口元は上手く言葉を発せられずに息を漏らす。

反抗的に俺に向けられた瞳がかすかに憂いで、瞳の中の光がゆらゆらと揺らぐ。

なんで泣く?

覗き込む俺の視線の先でグズッとつくしが鼻をすすりあげた。

「やっとホッとしちゃった」

泣き顔を隠す様につくしの腕が俺の首にまとわりつく。

「泣きやんだ顔を見ないと俺の方がホッとできないぞ」

掴んでいた指先は何時のままか手の平でつくしの頬を包み込みゆっくりと上向きにつくしの顔の向きを変えた。

見つめる視線の先でゆっくりと閉じる瞼。

つくしの口元から零れる熱い息遣いが俺の唇をかすめる。

甘い吐息とともに塞ぐ唇。

柔らかな感触を楽しみながらキスを重ねる。

俺のキスに反応して薄く開いた唇はかすかに震えてる。

背中に流れるつくしの長い髪に指先を梳き入れながら背中を抱き寄せた。

飽きることのない欲望は未だに俺に火をつけるのは簡単で、すぐに追い込まれる。

先ほどよりも深く触れた唇の感触。

熱く濡れた舌をつくしの唇と歯列を押し開いて強く差し込んだ。

絡み合う舌先、強く吸い上げるたびに、つくしがギュッと俺のシャツを掴み高まる熱を俺に俺につたえる。

息も絶え絶えになりながら呼吸のできない苦しさに身悶える。

ジンとした疼きが身体を駆け巡ぐる。

無防備につくしの下肢に手を伸ばして直に触れる肌。

「ベットに・・・」

「ベッドがどうした?」

「意地悪っ・・・」

批難する音色の声が無性に心地いい。

「素直に、頼めば聞いてやるよ」

まだ、夜は始まったばかりだ。

お付き合いありがとうございました。

こ褒美はこれだけか!!!

司君には言われちゃうかな?(>_<)

「夜の大人の時間は始まっちゃいねェぞーーーーー」

拍手コメント返礼

かよぴよ 様

これだけって言われると・・・(^_^;)

だって☆マークつける時間がなくて~

このお話は駿君主役ですからここはホンのりとでお許しを♪

次回きっと熱いのをブチュッとお届けいたします。

りん様

事件が解決してなければ別な意味で眠れない夜をすごすことになっていたでしょうね。

最期はバッチリ夫としての姿もカッコいい司君だったでしょうか?

アーティーチョーク 様

この事件をきっかけに司君の心配は深くなりそうな気がします。

子供達やつくしは直ぐに危機感忘れちゃってりしてね。

つくしの誘拐だったらもっと大騒ぎになったのかしら?

miho 様

拍手ありがとうございます♪