恋の駆け引きは密室で 23
結婚前の2人はなんてトラブルが多いのでしょう。
行く先々で事件に巻き込まれる探偵ものと一緒だな。(^_^;)
事件の結果は無事に解決と決まってるからいいんです!
いろんな話を書き続ければ何年たっても登場人物は年を取らない大学生のままの2人。
コナンは小学生のまま20周年を過ぎちゃいましたから~。
それに比べれば、しっかりファイナルその後の話も同時に進めてるから司君許してくれるでしょ。
新婚時代のつかつくを想像して書くのも好きな私です。
『欲しいものは』の続きどうしよう・・・
単発短編のつもりがそれで終わらなかったんですよね。
*「司、俺達がついてながらすまん。裏をかかれた」
NYの高層ビルの一室。
総二郎とあきらが二人して心痛な面持ちで現れたのは牧野の誘拐の連絡があったその二日後。
運悪く俺がNYを離れられないトラブルが続けて起こって足止めを食っていた。
順調だったはずのホテルの買収への横やり。
突然の株の買占め。
ほっとけば道明寺ホールデングスの経営に多大な損害を与えかねない問題。
牧野の事件と同時に起こったってことが気に食わない。
サイモン・ブラットリーの動きを見張らせて逐一報告を受けてるが、あいつはバカンスとしゃれ込んで美女を横に侍らせて優雅な休暇を楽しんでいた。
絶対犯人はあいつなのにシッポを掴ませねぇ。
「類が一緒なら牧野一人より安心だけどな」
ああ確かにな。
なんて落ち着いて言えるかッ!
俺は類を信じてる。
それ以上に牧野のことも。
だが・・・
人間の心理つーもんがあるだろう。
一緒の空間で同じ経験をして、それが危機感が強ければ強いほど恋愛に似た感情が男女の間に生まれるってやつ。
同じ目的に向って物事を進めると結びつく感情は密になる。
集団心理の学習は経営面でも反映できると最近学んだばっかり。
それ以前に牧野は類のこと信頼しすぎるほど信頼してるからな。
「心配しないで、牧野のことは俺が守る。司の元に必ず送り届けるから」
そんなセリフ絶対に言ってるはず。
ポッと顔を赤らめて聞いてる牧野。
想像できる自分にムカつく。
「俺達も用意周到に準備して牧野を守ったつもりなんだけどな」
「類が牧野を送ることがばれてるはずはないだ」
言い訳するな。
現に牧野は連れ去られて間抜けな面を俺の前に晒してるんだからな。
そんな思いを全部さらけ出して革張りの椅子にドカッと腰を落とす。
ジロリと睨みつけた感情は牧野の不安な思いを推し測って長くは続かなかった。
こいつ等がわるいわけじゃないんだ。
あいつの側にいれなかった俺が一番悪い。
ため息とともに漏れる後悔の念。
「お前たちじゃない第3者を用意するべきだったな」
「お前ら意外のやつにまかせられっか」
あれだけ用意周到なやつだ。
俺達の関係をサイモン・ブラットリーが知らべていない訳がない。
それでも牧野を託せるのは類に総二郎にあきら、お前らしか思いつかねェよ。
まだ牧野たちの連れ去られて場所も特定できず、敵からの接触もなし。
誘拐後すぐになんらかのリアクション起こしてもいいはずだろう。
ジリジリと不安な感情だけが焼けついて俺を苦しめる。
「失礼します」
部屋をノックしたあとは音もたてない静かさで西田が姿を見せる。
手に持ってるタブレットをコツンと俺の前に無造作に置いた。
画面に赤く小さく映る点滅。
「なんだ?」
「つくし様がさらわれてる場所を特定できました」
澄ました表情はサラリと事もなげに呟く。
「西田、お前もしかして最初から分ってたのか?」
こいつなら敵を騙すにはまず味方からなんて悪びれずに俺を諭そうとする。
今回は容赦ねぇッ。
牧野の居場所を特定出来たのならさっさと助け出すのが本当だろうがぁぁぁ。
「つくし様のカバンの中に発信機が仕掛けられてましたのでそれを利用させていただきました」
「敵が仕掛けた発信機をそのままにしていたってこと?」
西田の言葉に牧野の帰宅経路が敵に筒抜けだった事情が呑み込めたと総二郎とあきらがホッと息をつく。
俺はお前らを責める態度はとってねェつんだ。
こいつらなりの責任感を感じないはずはない。
俺以上に牧野のことを心配して必死で探してたはずだと分かってる。
牧野が大学で眠らされて写真を撮られた後は俺の家であいつを匿った。
セキリィティーの警戒度は最新。
発信機が持ち込まれていればすぐにわかるはず。
西田はその事を俺に報告せず敵の裏をかく算段に動いたって事か。
大学で牧野が襲われた事は詰めが甘いと思ってた。
目的は俺の婚約者を牧野だと確かめて、どれだけあいつが俺にとって大事なやつなのか、俺の取る行動を分析したうえでを牧野を誘拐することを実行したってわけか。
この後サイモン・ブラットリーはどう動くつもりだ。
相手の動きが分んないうちは簡単に俺達も動けいない。
タブレットの画面の地図をタップして浮かび上がる画像。
海に浮かぶクルーザーの一枚の写真。
まさか・・・
海の上につらされてるのか?
「お二人はクルーザーの中に二人で閉じ込められてるようです」
クルーザーの船内ってそこまで広くねぇだろう?
狭い部屋に類と牧野が二人きりって・・・
思いっきり呆けた顔で西田を見てる気がする。
何かあったらどうする。
ゆらっと波でクルーザーがゆらついて、ふらっとふらついた牧野の身体を類が抱きとめて助けるシュツとかあるんじゃ・・・
類!
牧野にそれ以上抱き付くんじゃねぇ!!!!
負の妄想しか浮かべない。
それよりもう二日経ってるじゃねェか。
冗談じゃねぇ!!!
敵の出方を待ってるなんて悠長な気分はぶっ飛んだ。
拍手コメント返礼
Gods & Death 様
司君変な妄想しない方がいいでしょうにねぇ。
なんとなく危険度の度合いが司の妄想で急降下しちゃってますが・・・(^_^;)
つくしの無事を考えたらねぇ。
類が一緒だということにヤッパリ安心しちゃってるんですよね。
もしつくし一人だったら切ない司君が見れたはずなんですけどね。
今回は切ない系は類君に任せてみました。
体調は大丈夫ですか?
正月の疲れ出たのでは?
ゆっくり休んでくださいね。
メルちゃんのママ 様
司君どうやってつくしを助けるでしょうね。
無謀なことは西田さんと総ちゃんあきら君がさせないでしょうけどね。
ゆきこ様
予想通りの司の心情♪
事は重大な事件なのに笑えるんですよね。
何時もどうしてか緊迫感がなくなる方向に行っちゃいます。(^_^;)
あはは、新婚の続き♪
頑張ってみます~。