聖夜の夜に見る夢は?(舞&佑編)
『とにかく今は佑君』
そんなコメントが多かった投票第3位カップル
たぶん今一押しのキャラに佑クンが躍り出ている気がします。
舞ちゃんが心揺れる大内先輩が出てきて微妙な雲行きになったあたりから人気に火がついた気がします。
クリスマスのお話は2話にするつもりだったのになぁ。
なあのん様にお願いされちゃしょうがない(笑)
まだこの二人には初々しさが似合いますよね。
アツアツぶりがまた別の機会で♪
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華蓮様メールがエラーで送信できませんでした。
再度連絡をお願いします。
*道明寺本宅。
広い庭はクリスマス特別仕様に姿を変える。
数十万個のイルミネーションに輝いて浮かびあがる洋風建築。
静かな住宅地のはずが遊園地に迷い込んだ様な錯覚を呼び起こす。
「年々、すごくなってくるな」
家族で訪れた僕ら。
車から降りた父さんは建物を舐めながらつぶやいた。
小6の妹陽菜(ひな)はキラキラと瞳を輝かせてゆっくりと360度視線をまわす。
美作のおばあちゃんの家も負けてないと思う。
今年はシンデレラ城をモチーフに飾らせたって言ってなかったけ?
本来ならそろそろ高校受験に目の色が代わる時期。
中等部から高等部にエスカレーター式で進学できる英徳では受験の緊迫した雰囲気なんて別世界の出来事。
「佑」
玄関に出迎えてくれたのは舞と翼。
淡いピンクのひざ丈のカクテルドレス。
後ろ髪をUPして白く見えるうなじ。
胸元から首筋が露出して見える肌に輝くピンクダイヤのネックレス。
ドキッと心臓が音をたてたのは、制服姿の舞に見慣れていたから。
服一つで大人びて見える舞を僕はどのくらい見ていたのだろう。
「駿おにいちゃんは?」
僕の後ろからヒョコッと顔を出した陽菜の声で我に返った。
今回のクリスマスはどうしても断れないパーティーに参加してるって舞のママの説明に、陽菜は露骨に落胆。
陽菜の一番のお気に入りが駿にいだとみんな知ってるから視線を合せて苦笑する大人たち。
今日の道明寺のクリスマスのパーティ―は、総二郎おじさんや類おじさんも集まって何時もにもましての豪華さ。
100人規模のパーティーにも引け劣らない濃厚さ。
パーティーの準備がされた広いホール。
天井に届きそうな大きなモミの木のツリー。
そのツリーの側にはいくつものラッピングがされた大小の箱が並ぶ。
「ハイ」
いつの間にか僕の側に並んだ舞が微笑ながら差し出すシャンパングラス。
もちノンアルコールの未成年仕様。
を目の高さまで持ち上げたシャンパン。
黄金の泡をグラスの底から浮かび上がらせるシャンパンは見た目は大人たちの飲み物とそっくりだ。
その、のぼる泡の奥に映る舞。
少しはにかんだ様に僕に向ける微笑。
「なんだか、いつも以上に大人しくない?」
「そうかな?」
「ほら、今初めて佑の声を聞いたよ」
「圧倒されてるの」
「確かに、去年より派手さは増してるし、このホールも10人程度人数には広すぎだからね」
小さい頃は大人達の周りを所狭しと駆け回っていた。
穏やかな笑顔を浮かべて僕らを見つめてる父さんたち。
今もそれは変わらない安心感でクリスマスの一時を楽しんでる。
圧倒されてると言うか・・・
落ちつけないのは、きっと舞のせい。
屈託ない笑みを浮かべる表情も、笑う声も、全部袋に詰めて独り占めしたいって思う。
年々自分が舞を好きなんだって自覚させられて困る。
「舞、僕達の頭の上を見て」
窓のサンに飾ざられた、ヤドリギの枝。
北欧の神話が由来のヤドリギの枝の下でキスをするって風習。
「僕ら、今ヤドリギの下にいるんだけど?」
父さんたちも、舞の両親もヤドリギは関係ないみたいにだけど。
今も軽く父さんが母さんの頬に唇を寄せてるのが見える。
「これって何か意味があるの?」
珍しそうにヤドリギの枝を舞が見上げる。
そっと舞の身体に自分の身体を寄せるように一歩足を前に出す。
「この枝の下では男性のキスを女性は断れないって風習があるんだよ」
舞がピクンとなって顔を横に向けようとした頬に僕の唇が触れた。
直ぐに離れた舞は耳まで真っ赤にして僕の唇が触れた頬を右の手のひらで隠す。
「佑、何、考えってるのよ」
「いやだった?」
「いやじゃないけど・・・」
もごもごと口ごもって、舞が焦る表情を作る。
「あーーー翼、一人で料理を食べてるのずるい」
落ちつかない舞の視線は翼を見つけて逃げるように僕の元から離れた。
舞に好きだと告白できるのはまだ当分先のような気がする。
料理の並ぶテーブルに僕も舞の後を追う。
クルッと振り向いた舞は僕がいるのを知っていたという素振りで料理ののった皿を僕に「ハイ」と渡してくれた。
それも僕の好物ばっかり。
それだけでうれしくなって、ヤッパリ舞が好きだって思う。
舞は、少しは僕の気持ちに気がついくれたかな?
「佑?」
心配そうに僕を覗き込む舞。
ヤドリギの下での出来事はすっかりわすれた様な態度。
無視はされてるわけじゃないと分ってるけど、僕の気持ちは舞に届いてないと落胆のため息。
来年のクリスマスは頬じゃなく唇にキスしたいってヤドリギをみつめながら思った。
高校に入学して、好きだって舞に告白できた。
少しずつ近づいてくる舞との距離。
今年のクリスマスは去年までと違って意味を持つって思ってる。
12月を数日過ぎた放課後。
たわいもない会話は途切れて、窓辺から眺める校庭。
冷たい風は校庭の落ち葉を巻き込んで空に舞い上げる。
「今年ももうすぐ終わりだね」
「その前にクリスマスでしょ、ママの誕生日」
年末年始がだんだんと忙しくなってる僕ら。
「子供の時は、楽しかったんだけどね」
舞の気持ちは僕にもわかる。
会社の行事にも引っ張りだされるのが義務みたいになってきてる。
「舞」
「ん?」
「今年のクリスマスの予定は俺のために明けといて」
「うん」
かすかに赤くなった目元を隠す様に舞がつぶやく。
隠しても無理。
舞の口元は嬉しそうにほころんでるのが僕には見えた。
今年はヤドリギの枝を理由にしなくても大丈夫そうだ。
「問題はパパだけどね」
考え込んで舞が眉をしかめる。
舞を道明寺のおじさんが溺愛してるのは俺の頭の中にも刷り込まれてる。
母親を味方につけるのが俺のうちも舞のうちも成功のカギだって思う。
「ママを巻き込むのが一番だね」
真面目にうなずく舞が無性にかわいく見える。
背中から首に回した腕。
俺の腕にぶら下がるような感じで舞が両手で腕をつかむ。
カンガルーの袋からヒョコッと子供のカンガルーが顔を出して、クルッとした純粋な瞳で俺をみつめてる愛らしさ。
「怒られたら俺が謝るから」
殴られなきゃいいけど・・・。
拍手コメント返礼
りん 様
三様のクリスマス。
つかつくと駿君は同じ年齢のお話なんですよね。
佑君と舞ちゃんはちょっと初々しく甘酸っぱい仕上がりになってます。
ここから駿君たちの後を追うのかしらとドキドキ。
佑君を殴るのはまだ早いよ~。
あずきまめ 様
3組のカップル濃厚さの違いは強い絆のつながりの差のというか、トラブルに見舞われた数の差のような気がします。
今年のクリスマスもどうにか乗り切れました♪
アーティーチョーク 様
ド派手にイルミネーションも子供が大きくなると終わっちゃいそうな(^_^;)
陽菜ちゃんの初恋♪
最近の小学生は積極的ですからね。
駿君もたじたじになってたりして・・・
二人がクリスマスを過ごすためには隙のない計画を立てる必要があるでしょうね。
F3が勢力を上げて手伝ってくれそうな気がします。