手巻きの次のお話

駿君日記今日も行きます!

えーと・・・連載は・・・

御休みってことで。(^_^;)

「さぁ、なんでも食べていいぞ」

「司・・・これって」

ドヤ顔の父さんに呆れた顔の母さん。

「わ~すごい、お寿司が回ってるよ」

テンション高めの翼はカウンターの丸椅子の上にクツごと飛び乗った。

すかさず母さんが翼の靴を脱がしてる。

舞が回るお寿司をテレビで見て行きたいって父さんに言ったのが発端。

「司・・・俺達まで呼び出す必要があるのか?」

総パパは嫌な予感がしたと愚痴をこぼす。

「回転寿司って知らねえだろ」

「司、知らなくても困らないから」

類パパは椅子に座ろうとしてる舞の身体を軽々と持ち上げて椅子に座らせるとその隣に座る。

舞の前に小皿を並べてそこにお醤油を垂らす。

何となく慣れてる感じが意外。

「類パパ、はい」

舞は自分が類パパにされたのと同じよう小皿を置いてしょうゆを垂らす。

「パパはこっち」

舞の右隣の空いてる席に父さんを手招きする舞。

そしてまた同じように小皿を父さんの前に置く。

類パパに文句を言いたそうだった顔が緩んでる。

最近舞も父さんの扱い方がうまくなってきたって思う。

「回る寿司って食べたことねェよな」

「司、それ別に威張ることじゃないから、別に食べたいとも思わねェよ。

まあ子供は喜びそうだから付き合ってやるけどな」

あきパパじゃなかった、佑のパパがそのまま舞たちの向かい側の席に家族で座った。

「回転寿司を食べることには賛成だけどなんで貸切なのよ!」

翼の世話をしながら母さんが父さんを睨み付けた。

父さんが回転寿司を家の中に作らなかっただけでも僕はマシだと思う。

「ほら、このボタンを押して注文するとあの電車が寿司を運んでくるんだぞ」

父さんは僕たちをここに連れてくる前にしっかりと回転寿司のレクチャーを受けたって気がする。

「司がこんなに回転寿司に詳しいって思わなかったな」

総パパの言葉に父さんが調子づいてる気がする。

「今日は特別に、マグロの解体ショーつきだぞ」

出てきた魚はすごく大きくて、すごく刃の長い大きな包丁も出てきた。

真ん丸のお魚の黒い目玉が僕を睨んでるようで怖い。

舞も僕とおんなじみたいでギュッと父さんのシャツを握ってる。

「いったい何人前あるのよ・・・」

お母さんは喜んでると言うより呆然としてる感じで呟く。

ぼくも食べきれないって思う。

はしゃいでるのは舞と翼と佑と・・・父さん・・・の四人って感じだ。

切り落とされたマグロの頭が天井を向いて置かれる。

「僕の頭とどっちが大きい」

まな板の横で魚の頭と自分の頭を並べる翼。

「切り落とされたいのか」

総パパが慌てて翼をその場所から離す。

マグロを解体していた職人さんのぎこちない笑顔。

怒るに怒れない大人っていつもこんな顔をしてるって思う。

包丁が生きてるように動いて、お魚から刺身に変わってい。

いつのまにか魚の目も気にならなくなって、おもしろくて、楽しくて僕も佑も必死になって職人さんの手の動きを見てた。

「凄い 半分になった。いつも見てるマグロだね」

佑の声に佑のママは困ったような表情を浮かべる。

その横で佑のパパがぷっと吹きだして笑った

「佑君・・・

何時も食べてるマグロって大トロなんだ・・・」

母さんのなんとも言えない顔がおもしろい。

僕はトロッとしたのより赤い色の身の方が好きなんだ。

油がノッテおいしいって大人は言うけど僕は苦手なんだ。

「普通の回転寿司ってもっとネタ小さいのよね」

お寿司のご飯が隠れて皿からはみ出してるネタ。

目の前を通るお皿に乗った寿司は母さんが言うとおり、確かにテレビで見たやつより大きいって思う。

皿の真中にちょこんと乗った寿司。

ぼくでも一口で食べれちゃう大きさ。

今見てるお寿司は母さんでも一口じゃ食べれないって思う。

「なんだ、お前俺を差し置いて寿司屋に来たことあるのか?」

「勝手に俺様の許しもなく行くんじゃねェよ」

父さんの不機嫌な声にピタッと母さんの箸が止った。

「あのね、お昼にたまに職場の仲間と行くこともあるわよ。

時価って書いてあるような高級寿司屋に誰でもいけるわけじゃないんだからね」

「職場の仲間って、甲斐か?」

「そりゃ、甲斐さんとも行ったこともあるわよ」

父さんと母さんの間に挟まれてる僕の頭の上で言い合う声。

あのさ・・・・

落ちついて寿司を食べたいんだけど・・・

「お前のはじめては全部俺だろうが。

俺じゃなきゃ許さないからな」

「あのね。回転寿司は道明寺と付き合う前に経験済みです」

母さんが父さんを道明寺って呼ぶときは本気モードが入ってる証。

初めてを強調するなって言った母さんが真っ赤になってる。

はじめってってそんなに恥かしい事なのかな?

初めての事って僕らはいっぱい今から経験するよ。

「ねぇ、はじめって恥かしい?」

ぼくより先に佑が佑のママに聞いてる。

純粋に好奇心いっぱいの顔は佑のママからの答えを待ってる。

佑のママと僕のママが顔を見合わせて黙ったままで二人でお顔が真っ赤になった。

こんな時は総パパに質問した方がいいってことを僕は知っている。

「初めてじゃなく、司の言い方が問題なんだよな」

そう言ったパパをお父さんが睨み付けた。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

ちびっこ佑君気に入っていただけたでしょうか?

最近頭から被り付きたくなる可愛さを佑君に感じちゃってるのはゆきこ様の影響だと思うのです。(笑)

この後は真赤になった二人のその後?

どちらの夫婦もイチャイチャしてそうですけどね。

ゆみん 様

初恋はあんたじゃない!

そう言ったら司拗ねるだろうなぁ~

子供いなかったら言っちゃいそう。

なる様

可愛い子役さんいっぱいいますからね。

女の子はダカラちゃんみたいな素朴な笑顔のかわいい子いいな。

男の子は将来イケメン!って思える3人を希望します。

マクドナルドオープンに長蛇の列ですか?

開店オープンって言葉には弱いですよね。

みわちゃん 様

司なら家に作っちゃいそうですよね。

お金の使い方を間違ってる!

そこから何時もケンカしてそうですが、今回も貸切にする必要ある?って言いそう。

この二人にはほんとうに初めての話は無理でしょうね。

理子 様

駿くんの家族日記書き出したら止まらなくなりました~

冷静な駿くんの観察眼は両親を見ていて養われた!

なんて大人になったら言えないだろうなぁ(^_^;)

キャンプで虫取り。

司には無理そうですね。

うさこ 様

初めてのお話には過剰反応しちゃいそうですものね。

ハズイことは全部司君とだろうしなぁ。

子供にとったら初めてとつくしの反応が結びつかないのも無理ないでしょうしね。

ここはヤッパリ総二郎の出番?

cocchann 様

困る答えは総二郎にお任せ!

司に任せるよりは恥ずかしい思いをしなくてすむと思います。

すまなかったりして・・・(^_^;)