我儘な僕に我儘な君 35(おまけの話)
佑君、意外と独占欲あるみたいですね。
今回ジュエリー店での出来事をちょっとした第3者目線で遊んでみました。
正月休みに向けてぼちぼちとしたショートストーリーの予約投稿になると思います。
うっ・・・
まだ休み分のストック出来てません。(/_;)
*「もうなんなのッ」
「あの子達高校生だよね?」
人込みの中でもすぐに目を引きそうな整った顔立ちと柔らかい物腰。
生れの良さはを店員が感じるのは英徳の制服だけじゃない。
酔わされたようなため息を店内の店員がすべて漏らす。
「あれだけ、出来上がってると嫉妬も起きないよね」
「今あのカッコ良さなら2、3年したらどれだけイケメン?」
「もっとびっくりすることある」
支払のカードの伝票に食いいるように店員が顔を並べてた。
「私、ブラックカード初めて見たのよね」
「それを高校生に持たせるってどれだけのお金持ちなの!」
「ねェ・・・この名前・・・ミマサカ タクスって読めるんだけど」
目が点になった表情が一枚の薄い紙に火を付ける勢いで見つめてる。
「美作って・・・もしかしてうちの社長と関係あり?」
「それなら超セレブじゃない!」
「女の子も純粋そうなお嬢様ポイしね」
支払の伝票から視線を二人の高校生に移す。
女の子が嬉しそうに自分の首にかかったネックレスの形を指で大事そうに触れてるのが見えた。
「なんかさ、あそこだけ空気が違うよね」
「でもさ、微笑ましい感じ、オトナのいやらしさがないっていうか、いかにも付き合い始めたばかりって感じだよね」
「あの頃に戻りたいって思えるよね」
しみじみとした声は店内に溶け込んで、別の客が入ってきたことも気がつけなくなってる。
「ねぇ、だからうちの社長と、どういう関係?」
見合った顔で数秒の沈黙
「息子だ」
一気に俺の方向に従業員の顔が向いた。
「社長・・・ッ」
時々、経営先の店内を連絡抜きで偵察。
最新ブランドを立ち上げたのは3年前。
有名ブランドにも匹敵する品質の良さとデザイン。
手ごろな値段がウケて、店の利益も上々。
つーか、客に気をとられて接客出来ずに無駄話って、教育がなってない。
と・・・
店の奥から出てくれば噂の主が俺の息子って・・・
相手は司の娘の舞だし・・・
店員を注意する言葉を失った。
突然の俺の言葉に蜘蛛の子を散らす様に店員は持ち場に戻る。
佑に気がつかれない様に俺も店の奥に姿を隠す。
柱にもたれてスラックスのポケットに手を入れて顔を引き締めるつもりがついついほころんでくるのが俺にもわかる。
佑のやつ・・・
他に店はあるだろう。
親の経営する店に舞を連れてくるな。
値段の高い一流ブランドより手ごろな商品に目を輝かせる舞は可愛いけどな。
「社長、なにかいい事でもあったんですか?」
俺を通り越して店の中に一之瀬が視線を映す。
一目で誰だか気がついた表情はニッコリと俺に向けられた。
「誰かさんの高校時代とはえらい違いですね」
「ほっとけ」
俺の女性遍歴を熟知してる一之瀬。
葵に出会ってからはあいつ一筋で結婚生活は順風満帆。
いい夫、いい父親の見本の生活を送ってる。
「佑君なら舞ちゃんを大事にするでしょうけど、この事って・・・」
司が知ってるかと確かめてる視線を一之瀬にぶつけられた。
あいつが知ったら直で俺のところに怒鳴り込んで来るぞ。
それはそれで楽しめるって思ってる。
今は、黙って見守ってやるのが一番だと思う。
佑が舞を好きなことも、舞が佑を好きだって司以外は気がついてる。
司だけ知らなかったてことがばれても、司は拗ねそうだからな。
それをうまく収めるのは牧野の役目。
猛獣は猛獣使いに任せるのが一番の平和な解決法。
牧野をあきらめた俺の息子が、牧野の娘と両思いだって事には、こそばゆい思いとちょっとした感動が胸の奥に浮かぶ。
佑。
上手くいくといいな。
父さんは応援する。
拍手コメント返礼
あずきまめ様
突然あきら君登場したらダメですよね。
従業員の驚きは半端ないと・・・
このあと仕事になるのかしら?
ちょっと心配
司君が気がついてきた佑君は舞ちゃんに近づけなくなりそう~
ココア 様
こちらこそ、年末のお忙しい中にコメントまで頂きありがとうございます。
あきらくんの目線をお楽しみいただきありがとうございます。
ちょっと思いついたお話を書きたくなって追加してみました。
これからも時々あきら君が登場したりするかもです。
佑君と舞ちゃんを自分とつくしちゃんに重ねることはないと思いますが、他の誰より舞ちゃんと佑君がうまくいってくれるといいと応援してる気がします。
そうそう、ばれた時の司は見ものだろうなぁ。
アーティーチョーク 様
確かにここが道明寺系列のお店だったら・・・
良かったなぁ~美作系列で(笑)
あきらの抜き打ち偵察もも驚いたけど息子って言葉も強烈だったろうなぁ。
司が騒ぎ出すのはもう少し先のお話♪
ゆきこ 様
ここで一番大変なのは司を宥めるつくしちゃん。
まあ、大丈夫でしょうけどね。
トマト様
ストックのお話なかなか時間がなくて、思ったより進んでません。
元旦の分は予約投稿できたのですが、まだまだです。(^_^;)
ヤッパリ年末、年始は忙しいです。
あきら君のせつない思いは佑君には味合わせたくないですよね。
上手くいきますよねと今年の絵馬に書いてこようかな。 ← ほかにもあるだろう~
nanako 様
大掃除のエネルギー補給にしていただきありがとうございます。
わが家の大掃除はまだ終わってない・・・(^_^;)
佑君応援隊がここにも一人♪
こりゃヤッパリ佑君を泣かせるわけにはいかないのかなぁ?
今年もご訪問ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
りん 様
『下弦~』のあきら君は類とはまた違った切なさがありましたよね。
あきら君の気持ちはつくしちゃん気がついてなかったしなぁ~。
「息子だ」というあきらの発言。
これって意外と舞ちゃんと一緒に居る佑君見て高揚する気持を表せるかなと思ったんです。
牧野の娘と付き合ってるの俺の息子だぞ~
司ならよくやったって手放しでほめてるでしょうけど。
かよぴよ 様
「牧野をあきらめた俺の息子~』
その下には牧野は俺の気持ち全然気がついてなかったがな。
なんて自慰の気持ちもあったんじゃないかと・・・。
佑クンよりあきら君にう良かったねと言いたくなる気がします。