Happy Xmas (家族編 3)

12月も今日は15日。

クリスマスイブまで10日を切っちゃいました。

早いなぁ~。

無事にいちゃこらまで書けるかしら?(;^ω^)

今回の家族編は久々にあきらくんと葵ちゃんと佑くんの美作ファミリーで行きたいと思ってます。

「すごい・・・」

道明寺HD本社前。

ガラス張りの壁から見えるツリーの頭半分の姿は外からは見えないままにその全貌を確認できない大きさ。

ツリーの枝の横幅から想像する高さはどこまで伸びるのかすぐにでも確かめてみたくなる興味をひきださせる。

「司が自慢するくらいだから相当だとは思ってたけどな」

「外じゃなく、ビルの中っていうのがすごいよね」

ツリーを見つめる葵の瞳の中に映し出されるきらきらと輝くツリーの煌びやかな光。

佑より興奮してるように俺には見える。

佑の手を握る葵の手のひらがギュッと小さく力を入れるのがわかる。

俺と葵をつなぐ小さな手のひら。

そこから感じるぬくもりはじわじわと胸の奥から身体を暖めていく。

自動ドアを抜けた先のエントランス。

いつもとは違った12月特有の煌びやかさ。

経済の中心的緊張感の抜け落ちた商業的にぎやかさが出来上がってる。

ビル一階のコーヒーショップも今日は無料開放。

ケータリングで並ぶ料理。

司から受け取った招待状を見せることなく俺たちはエントランス中央まで案内された。

ツリーより目立つ容姿は相変わらずどこでも目につく。

ツリーの周りを走りまわってはしゃぐ子供の姿。

しっかりと子供から目を離さずに見つめるのは親の情。

微笑んで牧野と視線をかわす司。

幸せな家族の温もりが微笑ましく映る。

人に愛情を見せる司を見るだけでジンと感動してしまうのは牧野に出会う前の殺伐とした司を知ってるから。

牧野から駿に舞に翼に家族だけじゃなく俺たちにもやさしくなったよな。

「仕事じゃねぇのか?」

何気に後ろに振り向いた司が俺に気が付いた。

「クリスマスくらい家族で過ごさなきゃな」

「で・・・俺の会社に来るのかよ」

「お前がツリーを自慢するから来てやったんだよ。

類も総二郎もくるんじゃねぇか?

司がうるせーくらい自慢するってぼやいてたぞ」

「別に自慢じゃねよ」

不服そうにつぶやく声。

しっかり目が笑ってる司が俺をクスッと笑わせる。

ツリーのそばに集まる子供の数は佑が加わって4人に増えた。

男女の割合は断然の違い。

それなのにしっかりと舞の横には佑が陣取る。

翼は落ち着かず飛びはねてるから舞や佑が何をやっていても気にならない性格。

ツリーから落ちた葉を拾った舞の指先を覗き込む佑。

コツンとぶつかったおでこ。

佑が舞のおでこに伸ばした手のひら。

舞も真似するように佑のおでこにを撫でる。

「泣くかと思ったけど佑君のおかげで舞が泣かずに済んでる」

互いに慰めあってる小さな姿は子猫が2匹身体を寄せあって寄り添ってるような微笑ましさ。

「さすがは美作さんの息子だよね」

牧野の感心の仕方は葵を知る前の俺の恋愛の軽さを思いださせる軽いジャブ。

「牧野、俺は誰にも優しいわけじゃないぞ」

「根本、美作さんは優しいよ。それに気が利くから女性にもてる」

「それは否定しない。でも俺の心は葵一筋だから」

抱き寄せるように葵の腰に回す腕。

華奢な腰のラインがしっかりと俺の身体に触れて葵の柔らかい感触を楽しんでる。

俺がマジに口説く女性は今も未来も葵一人。

腰を抱く俺の手のひらにそっと葵が合わせた手のひら。

重なった指先は自然と指先を絡め合う。

「ごちそうさま」

にこやかな牧野の声に葵の頬はかすかに赤みを帯びる。

「いちゃつくんじゃねぇよ」

「司、お前には言われたくない」

俺らより人目を気にせず牧野を離さないのはお前のほうが上。

「お前の息子も舞にあんまり近づけるな」

舞と佑を引き離すように舞のもとに走った司が舞を抱き上げて戻ってきた。

ガキみたいな嫉妬心と独占欲を見せる相手は牧野に舞と確実に増えてる。

せっかく遊んでる子供の邪魔する司がこれでも日本の経済界のトップだと思うとそのギャップがおかしくてしょうがない。

「家族といるときの道明寺さんって、いいよね」

家族や俺たちだけに素をみせる司の一面は冷酷な経営手腕を見せる司より魅力的だと俺も思う。

「葵が俺以外のやつを褒めるのを聞くのは不愉快だって知ってるか?」

「そうなの?」

わざと驚いた表情を見せておどける葵。

「葵には俺が一番だって思ってもらわななきゃ困るんだよ」

「佑がいること忘れてもらったら困るんだけど」

真顔で本気で困ったような表情を浮かべる葵は出会った頃のままの純情さをなくしてはいない。

そこ悩むなよ。

「佑も男だからな」

なんだ・・・。

俺も・・・。

あいつとおんなじ?

司を笑うことができなくなった気がした。