迷うひつじを惑わすオオカミ 16
司君つくしちゃんとられてこのまままですか?
どうなんでしょう・・・(^_^;)
廊下を挟んで開いた向かい合うドア。
目の前のドアから出てきたのはセミナー参加のスーツを着なれてない学生らしき姿。
目が点・・・
そんな感じで私を見つめてるのは木崎君と塚原さんの二人。
「それじゃ、後で楽しみにまってるわ」
長身のSPが左右に開いて部屋の外に踏み出すお母様が私を振り返って一言呟いた。
だれよ?
そんなことは聞かなくても分ってるて表情は目が点から驚きの表情で私を見つめてる。
たぶん道明寺楓の正体を知っているからこそ注視されてる感じが・・・ねぇ・・・
・・・分る。
どうして会長の側に私がいるの?って、疑問のビームが鋭く私に降り注ぐ。
それは木崎君じゃなくて塚原さんからだけど。
木崎君は私と会長が知り合いだって、さっきばれちゃってるし。
それでも近い未来に嫁姑の関係になることは話してない内緒の話。
私を一人取り残してピンと張った姿勢のいい背中は遠ざかる。
側に西田さんがいるのは運がいいと思っちゃっていいのでしょうか?
助けを求める視線を西田さんに送ってみた。
「書けましたか?」
西田さんが声をかけたのは塚原さんと木崎君。
2人が差し出した書類を受け取ってその書類に視線を落とす。
「いいでしょう」
2人に告げた視線はそのまま私に移る。
「ここで、見聞きしたことはどこにも漏らさないという契約書です」
「サインしますか?」
書かなくても良いですよ的な声のニアンス。
感情の読めない表情が作りだすいつもよりちょっぴり高めの声。
笑ってる気がするのは気のせい?
「書きます!」
私だけ書かないで済ませるわけないでしょう!
「君たちは、秘書課に部屋に行って指示を受けてください」
ここでまた私だけ二人から離された。
さっき二人が出てきた部屋に西田さんと二人で籠る。
パタンと閉まったドアを確認して西田さんと向かい合った。
「どうしてこうなったんですか?」
他にも細かく聞きたいことはあるが西田さんならこれで全て答えてくれると思う。
「つくし様がセミナーに参加する。それが一番の要因です」
それって責任を全部私にしちゃってませんよね?
「楽しんだらどうですか?」
楽しめって・・・
道明寺とお母様でのあの威嚇満載コンビでどう楽しめるっていうんですか!
教えてほしい。
「あの二人がここでの出来事を他言できないよう契約書はとってますから大丈夫です」
私が心配してるとこそこじゃないんですけど・・・
ん?
それって・・・私と道明寺の関係がばれても大丈夫だってこと?
ばれたくないんですけど・・・
木崎君と塚原さん、あの二人と今度会ったら、お母さまがドアの前で呟いた「後で楽しみにまってるわ」の意味追求されるはずだ。
その上西田さんのこの態度。
どんどんと不安だけが募る。
「あの二人には絶対ばれたくないんです」
そしてこのセミナーを無事に終わらせたい。
「代表の機嫌を損なわなけば大丈夫でしょう」
それが一番自信がない。
「代表も会長もつくし様が会社に興味をもって頂いたことに喜んでいらっしゃいましたからね」
別に興味があるわけじゃ・・・ないくて・・・
行きがかりの上のしかたなく参加しただけなんです。
「塚原って女性は、なかなか厄介そうですね」
しっかり私の悩みを見ぬいてる表情が事もなげに呟いた。
拍手コメント返礼
なる 様
西田さんの手腕はいかに!
つくしちゃんがあたふたするほど面白い!
うんうんわかります。
えっ?
それって私のせいですか?
それでは一緒に楽しんじゃいましょう♪
ゆきこ 様
最近忙しそうですね。
息抜きにご利用いただき嬉しいですよ~。
爆弾投下中の私としましてはもっと楽しんでもらえると保証したい。
したいなぁ~
出来るかな~
頑張ろう♪
レニブル
略、きにいっちゃいました。これで行こう♪
まだ話進んでないのよねぇ。
駿君帰国かな?
楽しく帰国しちゃいそうですよね。
椿お姉さまの出番が少なっ・・・(^_^;)
みわちゃん 様
一番厄介なのは塚原さんじゃなくて司かも~
つくしちゃんその辺分ってるかなぁ。
怒らせたら駄目だよ~
と・・・思いつつ怒らせちゃうのよね。(笑)
まちゃこ 様「
いろんなこと予測して西田さんは手を打っているはず。
たぶん・・・(^_^;)
Gods & Death 様
本能でなにか嗅ぎ取ってる気がする塚原さん。
西田さんがそっとフォローしてると思うんですよね。
どう転んでも大丈夫よ~つくしちゃん♪
花より男子大好き様
ありがとうございます。
ここからもう少しドキドキなお話に仕上げていきたいと思ってます。