雨夜の月を愛しむ夜に

梅雨の合間の一コマ。

なんだかショートが書きたくて♪

じめじめ梅雨をぶっ飛ばせ!

最近甘さが足らない影響かな(^_^;)

連載たまってるのになぁ。

お許し下さいませ~~~~~~。

「雨・・・止まないね」

6月の梅雨前線はど真ん中、数日降り続く雨。

この時期はこんなものだろう。

「だから、梅雨のねェとこ連れて行くって言ったろう」

「ジェットは勘弁」

クスリで眠らせて無理やり海外に連れてった2か月前の出来事を根に持ってる瞳で睨まれた。

窓ガラスを伝う水滴を眺めながらフーとため息をついた顔が何かを思いついたようにニッと笑う。

指先が室内と外気の温度差で白く曇った窓ガラスに線を書く。

二十過ぎの大人が無邪気つーか、ガキだよな。

出来あがった絵は牧野にもらった硬めのクッキーにも書いてあった俺の顔。

似てるでしょ?

うれしそうにそう告げて振り返った牧野が俺に微笑む。

ゆっくりと牧野に近付いた俺は手の平で窓ガラスを拭きあげる。

跡形もなく消えた単純な線を惜しむように「あ~、折角書いたのに」と呟く声

俺の腕を止めるように掴んだ牧野の指先が絡む。

グッと胸元まで引き折らされた腕がふんわりと柔らかい感触に触れる。

触ったとか、エッチとか、スケベとか、最近は言わなくなったよな。

そんなたわいもない変化が胸の奥をクスッとさせる。

窓際から流れる冷たい空気がヒンヤリと肌に触れて身体の熱をかすかに奪う。

後ろから回した腕は温もりをこれ以上奪わせない様に抱き締めた。

誰にも、なんにも奪わせたくなくって独り占めするように抱き寄せる。

「ねぇ、道明寺って良く笑う様になったよね」

見あげるように首を逸らした牧野の瞳とぶつかった。

その中に映し出される俺もしっかり笑顔を作ってる。

「そうか?」

「だってさ、知り合った時はこんなに目を吊り上げて威嚇して歩いてたじゃん」

自分の眉を人差し指で持ち上げて一緒に持ちあがった瞳。

「自分で不細工にしてどうするんだ」

指を眉から離した顔がぷくっと頬を膨らませた。

俺が笑う様になったのは、お前の影響。

笑って、泣いて、怒って、喜んで、忙しいほどに感情がすぐ顔に出る。

おもしろいんだよ。

「もっと俺を笑わせたいと思わねェ?」

そんな必要もないほどお前が側にいれば自然と頬が緩んじまう。

「今、意地悪なこと考えてるでしょう。やらしい笑いしてるもん」

意地悪とやらしって同次元で語れるのかよ。

意味がかみ合わねェぞ。

やらしくなるのはしょうがねェけどな。

このまま肌を重ねたくなるのは当たり前の現象。

なぁ、

2人で過ごす時間は一週間ぶりだって分ってるか?

角度を変えてゆっくりと近づく距離。

鼻先が触れあって牧野の瞼が閉じるのが見えた。

一人佇むビルの最上階。

仕事から解放されたわずかな時間。

何気なく視線を移した窓から見える空は雨雲に覆われたまま。

昨夜は何度も身体を重ねあった。

牧野の身体を抱きながらこの夜がずっと明けなければいいと思いながら抱きしめあった夜。

いくつもの夜を重ねても、その思いは満足することを知らない。

気がつくとベットの隣りは冷たくて、とっくに起きて俺を置いて出っていった薄情なやつ。

すげームカつくんだぞ。

今朝、別れたばかりのあいつにまた会いたくなった。

雨夜の月・・・

雨が降る夜には実際には見ることができない月。

逢えないあいつの姿を思い浮かべて眺めた真っ黒な空。

僅かに流れた灰色の雨雲がきれてかすかな光が射しこむのが見えた。

牧野・・・

明日は久々に晴れそうだぞ。

拍手コメント返礼

メガネちゃん

時には大人な雰囲気の二人で楽しまないと~

こんな二人の御話は数が少ないんですよね。

つい笑いの方向に向っちゃうので・・・(^_^;)

ゆきこ 様

今回は余韻を残しつつ想像しちゃうシュチュで書いてみました。

☆マークで書くより色っぽく感じるとこあるんですよね。

朝から妄想・・・じゃなく・・・想像してそして幸せな気分になれるお話になればいいなと書いてみました。

まちゃこ 様

結婚前の二人私も好きっです。

結婚前が一番幸せなのよ~

つかつくは結婚してもラブラブですけどね。

c4 様

わぁ~お久しぶりです。

コメント頂けてうれしかったです。

最後は道明寺の回想でしめてみましたが、司君速攻でつくしに会いに行きそう。

期待されちゃうと書きたくなっちゃうんですよね。

続を創作開始しちゃいそうです。

Gods & Death 様

ご心配いただいてうれしいです。

これ以上連載増やしたら死にます。(笑) ← 頭の中が完璧にこんがらがるなぁ。

この一話で終りはもったいないと感想をいただいちゃってますが・・・

連載に格上げする勇気は流石にないですね(笑)

でも短編で数話は書ける気がしてるんです。

これがやばいのになぁ~。

なる 様

雨つながりのお話。

連載をはじめたばかりのRainy Blueの雨の別れと重ねるとこんな時間が過ごせるようになって良かったと思えますよね。

親戚のおばちゃんになッた気分、分かります。

ゆゆりき 様

こんな落ち着いた時間を過ごす二人はあんまり書かないんですが、時々書きたくなるんですよね。

司で遊んだ後の反動があるんじゃないかと・・・(^_^;)

このお話の前日のお話の中の司君にはオムツ交換と赤ちゃん言葉使わせちゃってますからね。

このギャップは何なんだろうと自分でも思い始めてます。

統一感ないなぁ・・・(^_^;)