迷うひつじを惑わすオオカミ 38
今回のお話は頂いたコメントから構成して作ってみました。
まずはakko様から 頂いた拍手コメ。
>塚原さん、加川さんと対決させて欲しいぐらいの、ご都合主義とアクの強さ！ 対決させて欲しいぐらいです！
加川さんを思い出すの感想は以前からいただいてたんですよね。
『第12話 ないしょ？ないしょ！ないしょ!? 』に登場したオリキャラ、お節介おばさんの典型の加川さん。
楓さんに呼び出されて道明寺本社ビルでバイトをすることになったつくしちゃんを指導する清掃係で登場させたのが加川さんです。
類をつくしの彼氏と勘違いする。
応援してあげてと司に頼み込むなんてことやっちゃって、ひと騒動なお話。
２０１０年の９月に書き始めたお話です。
うちのブログでもいまだに人気のある作品です。
迷えると時期は一緒だな・・・
そう考えたら塚原さんと対面させてもおもしろいかも～
塚原劇場は最終話と宣言したはずなのにお付き合いをお願いします。
「あっ・・・」
捨てようとした缶はカタンと音を立てて缶入れの淵にあたって床に転がった。
大体私をまるっきり無視して、トドメの言葉が邪魔って！
動揺なんてしてないから！
「捨てるんならしっかり捨ててもらわないと」
ハイとにっこり私に落ちた缶を拾って握らせるおばさん。
左の手にはしっかり握られてるモップ。
「あなた、セミナーに来た学生さん？」
「うちは人気あるから大変よ」
「代表目当てでセミナー来る人もいるけどね」
「そう言えばさっき代表の御友達のＦ４も来てるから見れたらすごく縁起がいいわよ」
「私もさっきエレベーターに乗るの見て、ご苦労様なんて言われちゃってさ」
「あなた可愛いからきっと会えたらデートに誘わらるかもね。頑張って」
突然一方的に喋る機関銃。
可愛いって・・・
このおばさんの美的感覚の方が正常なのよ。
そう言われるのは何時もの事なの。
でも！頑張れが余計よ
見たわよ！
会ったわよ！
しゃべったわよ！
そして邪魔って言われたの！
嫌なことは直ぐに忘れるつもりだったのに思い出して感じる屈辱！
「ここだけの話、代表のフィアンセも来てるんだって、
人柄が良くて、人当たりも良くて、みんなに好かれるタイプらしいよ。
まあ、こう評価される子って意外と見た目がダメな子が多いんだけどね」
性格の良さで昔から人気あったけど私の方が美人。
最初は普通見た目重視でしょ。
どれだけ私が美容に時間とお金をかけてるか。
牧野つくしの美容と服装の数倍は遣ってるの！
なんのためにそこまでしてるのか。
それは自分に見合う男性と知り合うためよ。
それ相応の男じゃないと妥協できないの。
「あの代表が夢中になるんだから美人には違わないだろうけどね」
「まあ、あんたも頑張んな」
頑張れって・・・
今日二回目。
それもポンポンって私の肩を叩いてモップで床を磨きにかかってる。
汚れたゴム手で触んないでよ。
このスーツ高かかったんだから。
ズケズケ言うデリカシーのなさ嫌い。
気分がますます悪くなったわよ。
もうこんなとこ！
頼まれても来ないんだから！
続の部分からはのうさぎ様のコメントに色付けしてお届けします。
胸糞悪い。
大体あいつがあんなに体型が変わるとも聞いてねェし。
フルネーム聞いても全然思い出さなかったよ。
なにが、気が付かれない様に牧野を守らせただ。
牧野の事で俺がキレそうになったら俺を抑える役目に木崎を置いてただけだろうが！
あいつに対するトラウマが俺にはある。
俺の上に転んであいつのメガトン体重で起き上がれない俺は肉のクッションに顔がうずまって死にかけた。
それ以来近付くなといじめっぱなしで、親父が外国に移住するとかでいなくなってホッとしたの覚えてる。
今日の今日まで思い出すこともなかったぞ。
「ちょっと、聞いてるの？」
「なにを？」
「なにって、そのデーターも消してって言ってるの」
俺のネクタイに伸びてきた牧野の腕。
そのまま握ったタイをグッと手前に引き寄せられた。
真赤になって膨れる頬。
それは照れてるようで怒ってるようで笑えるぞ。
「聞こえねェ～」
誰がこんなお宝映像を消去するか。
念のため屋敷の書斎の俺様のＰＣにも送ってることはまだ牧野には内緒にしておく。
安全のためには類にも送るべきだったかな。
会社の安全対策を考えるより真面目に考えてる俺。
浮かれ過ぎだな。
「あっ・・・」
タイを握るつくしの腕力が緩む。
「おっ、いた！」
俺達に駆け寄るあきら。
「こんなとこで何してたんだ？」
「ここ、警備室だろう？」
関係者以外立ち入り禁止の赤い文字を総二郎が目で追う。
「牧野、なにもってんの？」
「これ・・・何でもないから」
目ざとく類が見つけたのは牧野の照れる告白が入ってるＤＶＤ。
そのＤＶＤを類の視線から隠す様に牧野は腕を後ろに回した。
「これか、これはだな。
秘書室の防犯ビデオの映像」
「そんなもん、どうするんだよ」
そんなもん見る価値あるのか？的なあきら。
「秘書室で何かあったのか？」
「司、お前牧野となんかやらかしたんじゃねえだろうな」
総二郎がニンマリと笑みを浮かべてる。
「なにもない！本当に何もない！」
全力で牧野が否定した。
「なにもない訳ないでしょう。
何かあったから牧野は必死でそのＤＶＤを守ろうとしてるんだよね？」
類・・・
てめっ！
ここで牧野が頷いたらお前は牧野の味方すんだろう！
邪魔すんじゃねェよ。
「さっき秘書室でな俺にちょっかい出すカン違い女に牧野がキレて嫉妬してな。
牧野の宣言におめえら腰抜かすぞ」
「牧野はブチ切れすぎて何を言ったか覚えてねェつーから今からこのＤＶＤを見せるつもりだったんだよ」
「見なくていい！見せなくていいから！」
「みんなも忙しいんでしょう。帰ろうよ」
類の身体を進行方向に向けて牧野が類の背中を押す。
ＤＶＤへの注意が散漫になったところで俺が牧野の手からＤＶＤを取り戻した。
別にいらねェけど。
このＤＶＤをもたせたままにしてたら、牧野は気になって絶対に一人で見るだろう。
一人より人数多い方がおもしれぇぞ。
「へぇ、このＤＶＤには牧野が映ってんだ」
俺から総二郎の手にＤＶＤが移動。
丁寧に扱えよ。
「で、司がこれだけ浮かれること牧野が言っちゃってるんだ」
総二郎からＤＶＤはあきらの手に。
牧野は目で追うのだけで手も足も出ないで固まってる。
「お前らも興味あんだろう？」
「確かに見たいかもな」
「これ以上にない愛の告白されるんだぜ
お前らにも見せてやるよ。
牧野の愛の告白を！」
視線を牧野に移したところでズームで飛び込んできたのは牧野の拳。
無言のまま殴った勢いで牧野の身体は俺を一歩追いこした。
「おい！こら！お前の大事なもん傷つけんじゃねえよ」
上下に揺らして肩がピクリと止る。
「道明寺は始めから、あたしの男なのよ！ って言ったのおまえだろ？」
息をするのを忘れたような顔面蒼白の牧野が俺を振り返った。
「牧野、大丈夫？」
よろけた牧野を支えたのは類。
「類！触るな！助けるのは俺だろうがぁぁあ」
「なんで？」
類の腕から離れた牧野がむくっと起き上がる。
「誰のせいで倒れたと思ってんの！あんたのせいで倒れそうになったんだから！」
息を吹き返した牧野はもい一発殴りそうな勢いで右手に拳を作る。
今度はそう簡単に殴られるか！
「準備できたぞ」
大きく開いた右手の部屋から聞こえたのは総二郎の声。
そこは第３会議室。
畳２畳分の広さの白いスクリーンを照らすライト。
浮かびあがるのは秘書課の部屋。
「あっ、再生始まった」
総二郎が画面を見ながら呟く声が聞こえた。
拍手コメント返礼
Gods &Death 様
加川さん塚原さんの相手してるようで本人無視で好き勝手に喋ってたって感じに仕上げてみました。
つくづく加川さんは大物だと気が付きましたよ。この人に勝てる人いるかなぁ？
Ｆ４揃いましたね。
つくしちゃんもう逃げられないよ～。
still･･･ 様
つくしちゃんがセミナーに参加する情報どこからかきっと耳に入ってますね。
Ｔ３？ 西田さん？
何処からかな～。
ゆきこ 様
こうして二人を並べると確かにツートップだ～
此の先この二人を上回る最強キャラって出てくるかしら？
Ｆ４集結がかすんじゃいましたか。
確かにこの二人が揃ったらインパクトあるでしょうね。
Ｆ４ファイト！！！
瑛里 様
加川さんの方が上手でしたね。
なんだか塚原さんでも勝てない気がしてました。
でもきっと直ぐに復活しちゃいそうだな。
のだめ 様
何度もコメント投稿トライしてもらっていたいんですね。
ありがとうございます。
投稿できない理由は私にも分からないです。
なんの拒否設定もしてないんですけどね。(^_^;)
私も携帯でコメント返信すると投稿できないことあります。
管理者なのになぜ？って思っちゃうんですよね。
ご迷惑かけちゃって申し訳ないです。
めげずに投稿してもらえたら嬉しいです。
なる様
執務室でＰＣ画面で見た方が良かったような・・・
大上映会になっちゃいましたよ。
ポップコーンとジュース片手に鑑賞する気分にはつくしちゃんはなれませんよね。
akko様
帰宅途中に見ちゃいましたか？
いきなりだとびっくりしますよね。
コメントいただいてイメージが浮かんじゃったので書いちゃいましたよ。
加川さんにはさすがの塚原嬢も勝てなかったようです。
絵梨様
つくしちゃんにとったら最悪のパターンですよね。
大型スクリーンに映し出される記憶をブッとばすような告白。
ここは司君のために我慢してもらいましょう。
きっとみんな温かく楽しんでくれるはずですから～
うさこ 様
こんな上映会ってありですか？
サブ題名にぴったり♪
塚原さんのおかげでホント棚からぼた餅状態でしたよね。
今回の一番の功労者は塚原さん？
メガネちゃん 様
まさかの最強コラボ
うんうん確かにそうですね。
いや～ここで加川さんにもう一度会えるとは思ってなかったんですけどね。
これで本当に終りです。
つくしちゃん逃げられるかな・・・(^_^;)
