Rainy Blue 22

もう少しでこのお話も終わるかな。

だだまだ司への罰が足らない気もしますが・・・

耐える坊ちゃんのイメージが~

限界バロメーターはもうギリギリ。

類にはキレてもおねェ様には太刀打ちできるんでしょうかね。

「つくしちゃん、食べてないじゃない。

お昼もあんまり食欲なかったみたいだし」

そう言ってチクチクと俺を責める視線を向ける姉貴。

類、牧野、姉貴に俺そしてなぜか神宮寺の席で座る丸テーブル。

この並び普通じゃあり得ねッ。

牧野は・・・

最初から俺を見ようともしない。

腕を伸ばせば届きそうな距離なのにそこにいきつくまでの遠い隔たりは巨大。

もうあの女と神宮寺の関係なんてどうでもいい。

俺は牧野と二人で話し合えれば・・・

今それだけが望み。

少しでも牧野に近付こう椅子を横にずらせば姉貴が椅子を俺に方に押しつけて俺を元の位置以上に追いやる。

「この料理、牧野の好みだって思う」

大皿から取り分けた肉料理を牧野の皿に移す類。

お前はいつからかいがいしく世話するタイプになった。

牧野もありがとって笑顔を見せるんじゃねェよ。

「司、あんたが怒る理由はないから」

不愉快に眉を寄せる俺に耳打ちする冷たい姉貴の声。

そして笑顔を浮かべて牧野の好きそうな料理を姉貴がまた牧野の皿にのせる。

姉貴や類が気に掛けるのは相手が牧野だからに他ならない。

今の俺は全く牧野に声をかけることも出来ずにただ手をこまねいてるだけだ。

何とか牧野が俺を見てくれれれば・・・

牧野に視線をやると姉貴の背中が俺の目の前を覆う。

姉貴の完璧な防御。

どうにか崩せねェか?

姉貴じゃなきゃ椅子を蹴りあげて床に転がしてる。

「蓮華を泊めたんですか?」

俺に唯一声をかけてきたのが神宮寺 昴。

あの女の相手は聖って弟の方じゃやねぇのか?

俺を見つめる鋭い瞳の奥にはわずかにみせる嫉妬の炎を感じる。

あいつが追いかけてきたのは弟の方だよな?

そう言えば会社で交わされてた二人の会話・・・

「蓮華、お前、日本に帰れ」

「このまま帰れって言うの?」

「兄貴がいるだろう」

何となくこの3人の関係が見えたような気がした。

今の俺には関係ない事だ。

「泊めたといっても部屋は有り余ってるし、ひと晩部屋を貸しただけで指一本さわっちゃないから

荷物をとられて一文無しで困ってるって言ってたしよ。

ホラ、情けは人のためだからとか言うだろう」

神宮寺に聞かせるというより牧野に対する言い訳。

「情けは人のためならずって言いたかった?」

類がフッと笑みを漏らす。

なんだそれ?

一瞬気が抜けた俺の目の前で牧野にホォークでとった料理を口の前に差し出した類。

「牧野、食べて」

一瞬躊躇しを見せながらもそれに答える様に牧野が大口を開けた。

食べてんじゃねェよ!

どう見ても牧野と類がイチャコラしてる様に見える。

俺と目が合った牧野が料理を飲み込んで蒸せるようにゲホッと咳き込む。

「牧野、大丈夫か?」

背中をやさしく類が擦る。

もう無視できね!

たちあがった勢いでガタンと椅子がうしろに倒れた。

ピタリと流れていた生演奏の曲が止った。

微妙な緊張感が曲の代わりに流れてる。

「来い」

姉貴より神宮寺の後ろから回って牧野の腕を掴んだ。

「司」

類の鋭い声も今はどうも思わねェ。

「牧野、お前は俺に会いたくて来たんだよな。

これ以上茶番に付きあう必要はねェだろう」

握った牧野の腕から伝わる肌の温もり。

引き立たせた身体をそのままバランスを崩す様に俺の胸元に倒れ込む。

その俺から逃れるように牧野の腕が胸元を押しやる様に動いた。

「いいから、来い」

大きく見開かれた瞳。

キッとした意思の強さを秘めた瞳が俺を見つめる。

「命令なんてしないでよ」

反抗的な声は強気で俺を責める。

「俺が悪かったのは認める。だが類とイチャコラ見せつける必要はねェだどうが」

「誰もいちゃこらしてないでしょう」

「人の目の前でハイ、あ~んって食べさせてもらいやがって、俺もやってもらってねェぞ」

牧野との言い合いは白熱。

自然には止りそうもない。

「司、牧野に食べさせてもらいたかったんだ」

のんびりとした類の声が聞こえる。

「もう、お店に迷惑だから、つくしちゃん連れて行ってよ」

姉貴が牧野に何か渡した。

牧野の開いた手の中には真新しいキーが輝いてた。

拍手コメント返礼

メガネちゃん 様

さすがに「あ~ん」は我慢できませんよね。

類もなにげに司を煽ってますからね。

確信犯!

さあ次は、いよいよ本命と対決よ~

なる 様

拉致ったら終わりだなんて司君思ってないかしら?

ここからが本番!

何の本番だか~(^_^;)

ここまでは類と椿さん計画通りすすでますよね。

結局お仕置きとか言ってつくしちゃん返すの前提でしょうしね。

ラスト10分で許す場面が楽しいのか楽しくないのか・・・

どっちがいいかなぁ~(笑)

akko

これでも結構司君椿さんに引っ張り回されてると思います。

自分の部屋は勝手に換えられるしつくしはとられるしでね。

たった半日ですがこれ以上引き延ばすと仕事に支障きたしそうですからね。

「椿様、ほどほどでお願いします」

西田さんに御願いされちゃってたりするかもですよ。

やなぎ 様

司君、ここまでモッた方でしょう。(笑)

still・・・ 様

2人で冷静に話が出来るのか?

ケンカ別れにならなきゃいいんですけどね。

どっちにもっていこう?

うさこ 様

類君が~

うんうん、つくしを連れて来てくれたの類君ですからね。

でも二人の邪魔をしない類君も潔くて好きなんですよね。

きっと一人でNY摩天楼を眺めながら一人物思いにふける姿を想像しちゃいます。

つくしちゃん帰る10分前に許すって言っちゃってますからね。

ここは司の駆け引きにかかる。

出来ないだろうなぁ・・・

かよぴよ 様

カギを司じゃなくつくしちゃんに渡したってことは結論は椿さんつくしちゃんに任せたってこと。

この後の方が司君大変だったりして~

そうです。二人は清い関係の状況。

ここを突破するのは至難の技の状況ですよね。

これが一番の罰だったりして・・・(^_^;)

mizuta 様

類はわざと司を見せつけてますよね。

つくしちゃんも普段なら司のこと気にして類から食べさせてもらおうなんてしない筈ですもの。

ここ二人の仕返し♪

ここでキレなきゃ司じゃないし。

その事みんな確信してるだろうしな。

もう少し類といちゃつけないのはやっぱりつくしちゃんらしさだと思ってます。

類のほっぺにチュくらいしてやればよかったかな?(^_^;)

そうですよ、つくしちゃんのお仕置きはまだこれからです。