恋人はSecurity Police 1

この物語は原作ともドラマとも違った設定のお話です。

いつもお付き合いいただいてるまい2様から5周年記念にと頂いたお話を私なりのアレンジを加えて仕上げて見ました。

カテゴリーどこになるのかと思いながら・・・

連載に戻れない・・・(^_^;)

今日もつくしは 財布の中身をみて溜息をついている。

大学に通うかたわらアルバイトで日々の生活を食いつなぐ、所謂 勤労学生。

せっかくいいアルバイトに付けたと喜んでいた矢先に 突然キャンセルされた。

途方にくれながら次のバイト先を必死に探す視線の先に 背中に大きな荷物を背負い、両手に買い物バックを持つお婆さんの姿が目に止まる。

だがそのお婆さんの後ろを挙動不審な動きをする男性も気になった。

「あ~なにすんだい!こら手をお離し!!」

声を聞くとすぐさまつくしの体が反応し、気が付くと男性が歩道に倒れていた。

「あちゃ~またやっちゃた!」

これじゃお嫁どころか、彼氏さえまともに出来そうにないと、肩をガックリ落とす。

そんな娘の呟きに一瞬キラリと、老婆の目が光ったのを気が付くものはいない。 

「お嬢ちゃんありがとうね。ホント助かったよ。それにしてもあんた只者じゃないね。」

「いえいえ…ただのしがない貧乏学生ですよ。それよりおケガはありませんか?」

と歩道に散乱する荷物を拾い上集める。

 

「さっきため息を付いていたようだけど、何か心配事かい?」

このおばあさん挙動不審の男性に絡まれてたのに私の事見てたんだ・・・

すごい。

感心しておばあさんを眺めるつくしにおばあさんがにっこりほほ笑んだ。

「私で役にたつことがあるかもしれないよ。

助けてもらったお礼も兼ねて私に出来ることがあるかもしれないよ」

アルバイトが流れた程度の話を内緒にしておく必要もないとつくしはため息の理由をおばあさんに告げた。

それから数時間後つくしはおばあさんから渡されたメモを片手に巨大ビルの前に立つ。

ここって・・・

日本でも1、2を争う道明寺HDじゃないの。

ここで私のバイトって掃除くらいしかないような気がする。

スーツ姿のサラリーマンの間をくぐっってつくしはビルの中に吸い込まれていった。

「お待ちしてました」

最初は訝しげにつくしを足の先から頭のてっぺんまで観察するように見つめていた受付嬢が秘書室長の西田と自分の名前を告げた途端打って変わって腰の低い態度で満面の笑みを作ってみせた。

それはバイトにきた学生に見せる様な態度じゃない。

おばあさんって何者?

道明寺HDの社長と何か関係あるのかな?

タマって猫の様な名前でセレブにしちゃ荷物自分で背中に背負ってたし・・・

「あちらのエレベーターに乗れば最上階に秘書室がありますからお気をつけて」

指先をそろえて示されたエレベーターに向ってそれに乗り込んだ。

私のバイトって秘書?

出来るわけないと思うが最初からできないって思うのは牧野つくしの名がなく。

なんでも与えられたものはやってやろう。

踏まれても踏まれても立ち上がる私は雑草のつくしなんだから!

 

「本日付で代表のSPに配属されたものが、挨拶に見えてます」

言葉や物腰は柔らかい雰囲気を漂わせているが、その表情は笑っていない…。

この道明寺HDに於いて代表である道明寺 司を抑える事の出来る者は、

この人物の他にはいないと言わしめる程 優秀な秘書、西田である。

「どうせすぐ辞めるんだ。 挨拶なんて面倒な~こたぁ~いらねだろ!」

と長い脚を組んだまま、司はくるりと振り返る。

「牧野つくしです。せ~いっぱい務めますので、宜しくお願いします。」

明るく元気が一番だとでもいうような張り切ってる声が頭を下げた。

「ああ…まあ…頑張れ。」

頑張れ?

俺…なに言ってんだ? 

寝不足続きで、とうとう可笑しくなったか?

だがその顔が、僅かではあるが、ほんのりと朱に染まる。

「あの~どこかおかげんでも悪いのですか? ちょっと失礼します」

そう言いながら物怖じすることなく つくしは代表の額に手をあて 首をちょっとかしげる

「あれ?熱はないみたいですね。

よかった~。

あ!すみません」とぺこりとお辞儀をする

可愛い…。

ん?

あれ?

可愛い?

なんか変だぞ。

くそっ!

この部屋暑いな!

そして周りがぼんやりと感じるのを最後に、司の視界が暗くなった。

おーーーっ!

額に伝わる体温の温もり。

唇から漏れる息が司の唇に触れる。

「少し熱いのかな?」

おでこと手のひらを交互に当てながらつくしはブツブツと一人で考えてそして悩む。

今までにこんなに俺のこと心配してくれたやついるか?

ドクンとこいつの手が額が俺に触れるたびに心臓が飛びだしそうに騒いで体中が熱くなってくる。

西田と牧野が部屋から出て行った後もなかなか静まりそうもない左胸に司は右手を当てた。

すげードキドキしてる。

そしてまた顔が熱くなるのを感じた。

 

執務室を振り返りながらつくしは西田の後ろを付いて歩く。

「あの~私、身辺警護のSPとして契約してるんですよね?」

「何か 問題でも?」

自分のデスクの椅子に腰かけながら、眉を片方だけピクリとして答える道明寺司の第一秘書、西田。

「それがどうして代表室の中に入る必要が…。」

いくら高額アルバイトとはいえ、納得のいかないつくし。

「あなたは、道明寺HDの全社員の生活・収入そして雇用安定に努める責任があります。

アルバイトとはいえ、その責は職員となんら変わりはありません。

万が一、代表室に暴漢が乱入するとも わかりませんから」

この人・・・

なに言ってんの?

ここにたどり着ける者がいるわけない…。

どう~考えても可笑しいじゃない!

部屋の外ならまだわかるけど、部屋の中で警護って、おかしいでしょ?

「それに時給3500円ですよ? 4000円の方がいいですか?」

いきなり時給の値上げって・・・

普通バイトが反論したらバイト代って下がるの普通。

時給がいいバイトって何かしら上げなきゃいけない理由があるはずで・・・

あんまりバイトが長続きしないとか。

上司がいやなやつとか。

人が嫌がってあんまりやらないバイトとか。

時給が上がれば上がるほど大変そうな気がする。

「3500円で結構です!」

つくしは即答!

これ以上無理難題がおきたら困る。

バイトを辞めると言えないのは契約書に判子押しちゃったから。

最低でも1週間って書いてあったものな。

はあ~あ。

「それでは執務室に戻って代表の警備をお願いします」

つくしの背中を押す西田の声が響いた。

「失礼します、牧野つくしです」

声をかけ部屋に入るつくし。

「あの~代表、たった今から代表室内の警護に配属になったんですが、

ここにいればいですか?」

部屋の奥で冷たい表情を浮かべていた司の口元がかすかに微笑んで顔の表情が柔らく変化を見せる。

「……司って呼べ。」

こいつに代表って呼ばれるのがイラッとさせる。

親しみを持ったやさしい声で司と呼ばれることを切望してるのが分る。

「は?」

「これは命令だ!」

「どこの世界に雇い主の名前を呼び捨てにする人がいるのか、そんな会社があったらお目にかかりたいわよ!」

雇い主に対する恩義も礼儀も忘れてる粗っぽい声と表情。

自給3500円で雇う、主に食ってかかる、つくし。

俺にそんな横柄な口を利くやついねェな。

不愉快になるどころか司はうきうきとしてる自分に可笑しさがこみ上げる。

「ここにいるぞ!」

自分のことを言われたと気が付いたつくしは口をあんぐりと開けて雇い主を見つめてしまった。

大きく開けた黒い瞳は真直ぐに司を見つめてくる。

感情をそのまま隠すこともなく見せるつくし。

その顔もいいなぁ~。

司に近づく女のほとんどが見せる媚びる表情。

何の駆け引き見せない牧野つくしのすべては司の興味を引きだしてくる。

だめだ!

このまま目の前のつくしを見ていたい思い。

こいつが俺を見てて嬉しそうに微笑みを見せたら・・・

想像しただけで、顔が崩れそうになる。

緩みそうになる顔を必死に司はこらえる。

まだまだ神経の使う仕事がまだ残ってる。

俺の専属SPってことだからこれからいつもこいつが俺の一番近い場所にいるってこと。

仕事が楽しくなりそうだ。

クッ。

欲しい・・・

そう自ら思った女は初めてだ。

そう思える相手に巡り合ったのが司の気持を高揚させる。

「おい!今から出かけるぞ!」

「いまからですか?予定では会社を出るのは1時間後になってますけど?」

「気にするな。

お前は俺の側に離れずにいればいいんだろうが」

つくしの手首を掴んだ司は執務室を出て、西田に車の用意を言いつけて、歩きだす。

司に引っ張られるのを拒むようにつくしは思わず体重を後ろにかけて足を踏ん張った。

2人で左右から綱引きをするような体勢。

「なにやってんだ!

お前は俺の警護だろ?

早く一緒に来い!」

なんなら一緒に恋!でもいいぞ!

それとも一生、恋?

どっちにしても お前はこれから俺の傍にずっといる事になるんだ…。

逃がさないと言う様に司はつくしの手首を強く握りしめる。

その様子を満足な表情西田が見てる事を、司もつくしも気が付いてなかった。

まい2様ありがとうございます。

ちょっとばかり手を加えて仕上げてみました。

この続きは~

私に丸投げしてしまわれたの~

終点はどこまで行き着けばいいのでしょうか?(^_^;)

拍手コメント返礼

メガネちゃん様

どんなお話でも司がつくしに惚れるのは基本。

次回はつくしが先に惚れるパターンってのはいかがでしょう?

SPというより猛獣の調教師に適任ですよね。

みわちゃん 様

一緒に来い、一緒に恋、一生、恋‥‥

私もまい2様から頂いたお話を読んだとき吹き出しちゃいました♪

ゆみん 様

タマさんもきっとつくしに一目ぼれ♪

タマさんから登場というのも確かにレアですね。

まだレアな事ありそうな予感。

miho 様

皆さんがいろんなお話持ってきてくださるので私も楽しんでます。

このお話はどう進むのやら~

いろんな出会いがあってもおもしろそうですよね。

なる 様

どんな出会いをしてもいきつく先は一緒。

我が家はつかつくオンリーですからね。

うんうん、タマさんいい掘り出し物してますよね。

うさこ 様

何時でもどんな場面でもつくしに惚れちゃう司君。

そうじゃなきゃ話が進まない♪

どっちがSP分からなくなる話になりそうですけどね。

時給1万円でもいいような。

つくしはそれに見合う働き出来ますよ~。

これを逃がしたら大変ですから。

かよぴよ様

つくしに一目ぼれするのは司だけじゃないの~

タマさんも西田さんもですからね。

あっ椿さんもだな。

これからどう司君アタックしていくのでしょうか。

そこが楽しみ~

まい2さんまたポイ捨てして下さらないかしら?

Gods & Death 様

頂き物がだんだんと膨らんでいきそうですね。

連載たまってるのにな・・・(^_^;)

R委員会

結構ハードに楽しめますよね。

あちらもゆるーくパスワード設定してあるはずです。

akko

つくしのがさつさが新鮮にうつる司君。

そこに魅かれちゃう設定。

凶暴だな~といいながら惚れちゃうんですよね。

凶暴位じゃないと司とは付き合えないぞ~

絵梨 様

真新しい設定に喜んでいただけてうれしいです。

出会い方は違ってもたのしい恋の結末を見せてくれるはずです。

ここからどう進むのか展開をお楽しみに♪

ゆきこ

まい2様

ゆきこ様も大絶賛してくださってますよ~ん。

某所のトークも盛り上がりを見せてますしね。

これは数話じゃ終わらない。(^_^;)

一生恋に脳内変換しちゃった司君

どこまで都合よく脳内転換しちゃいますでしょうか?

あ~私も外野で一緒に楽しみたいな~。