特別な夜は特別に 3

別館番外編はいかがだったでしょうか?

本編に行く前にこちらにも番外編を一つ。

こっちの番外編はまい2様のコメントにちょっと手足を付けた特別編です。

「たく、使えねぇんだよ」

怒鳴って握りしめてぐしゃぐしゃにしたのは俺が特別に発注したデザイン画。

牧野のためにあいつに似合うジュエリー。

プレゼントといえば…ズバリ手作り♪的な発想の牧野に対する俺の精一杯の譲歩。

「代表が・・・手作りですか?

夜なべしてミシンを使う姿は想像できません」

西田!

何処をどう想像したら俺がガチャガチャやってんだよ。

雑巾しかできねェぞ。

誕生日のプレゼントと言ったら宝石だろう。

そろそ牧野も俺の婚約者としてお披露目しなきゃいけなぇねしな。

それなりの恰好も必要。

それなのにあいつの持ってるジュエリーといったら俺の贈った土星のネックレスが一点だけだもんな。

他に欲しがらねぇし。

誕生日のプレゼントっていったら素直に受け取るだろう。

ダイヤモンド鉱石の山を3日間借り切った。もちろん採掘権も!

ここしばらく仕事を休んで、出掛けた先は大きなダイヤモンドの原石が取れそうだとと連絡が入ったから。

おかげで帰った来てからの俺は休みなしで西田にこき使われてる。

掘り返した砂からダイヤを見つけ出したのは俺。

原石を工房で磨いたんだぞ。

横でいちいちハラハラとした態度で見つめていた職人が頻繁に俺の手を止めるのが邪魔だったけどな。

3カラットにはしあがると言ったダイヤモンドが2カラットだったのはしょうがねェってことで許してやる。

ジュエリーのデザインはとことん俺が注文つける。

今日で数十回目のダメ出し。

本当どいつもこいつも俺の牧野の事を分ってねぇんだよ。

俺以上にあいつを知ってる人間はいないか・・・

あと三日だぞ!

部屋にいる牧野にばれねェ様にこそっと手直。

しあげた図案に満足な笑みを俺は浮かべて メールを送った。

ホントはいつでも自分が傍にいたい・・・けど それもままならない俺だから…。

牧野、お前が寂しくなった時、俺はいつでもお前の傍にいる。

そんなものを贈りたい。

お前のその手で、俺を感じて欲しい…。

俺がいつでも、お前を見守っている事を忘れないように…。

離身放さず付けて欲しいもの。

そう願いを込めて、一生懸命自分の手で磨き上げた石。

あいつの肌で輝くジュエリーを贈りたい。

昨日の話じゃちっちゃな指輪でしたが、どんだけお金がかかった指輪を贈るのでしょうか司君。

続きからは 「特別な~2」 のお話の続きになりますので悩まない様に読んで下さいね。

しまった・・・

寝ちゃったよ。

昨日は家に帰るつもりだったのに。

枕から上げた頭を両手で支えながら持ち上げた。

私の背中に乗っかったままの道明寺の腕がずるりとシーツに落ちる。

私も・・・

道明寺も・・・

裸のままで・・・

浴室に連れこまれたまま・・・

思い出すだけで恥かしくなる。

洗ってやるって言って背中から抱き込まれたまま私。

スポンジに付けた石鹸の泡が白く肌に塗りこまれるように動く。

その動きが艶めかしく変わっていつの間に道明寺の手からはスポンジが無くなって・・

指先が胸元を包んで揉み上げていた。

もう!

洗ってくれるなんて気は最初からなかっただよね。

はぁ・・・

ため息を付きながら道明寺の方を見る様に顔を左横に向けた。

左の薬指に感じる違和感。

シルバーに輝く金属が目に留まる。

これって・・・

思わずベッドから身体を起こして正座してしまった。

これって・・・指輪だよね・・・。

シンプルでいてそれで可愛いハートのデザインの石が小さく中央で輝いている。

それはひっそりと野に咲く花の様で艶やかさはないのに人目を引く可憐さ。

道明寺がはめてくれたのかな?

私に記憶がなきゃ道明寺が私にはめてくれたったことでしか想像がつかない。

指輪と道明寺を何度となく見比べてしまった。

起きてるときに贈られるよりキュンと来るのはなぜだろう。

「んっ・・・起きたか?」

身体を横に向けながら道明寺が右肘をベッドに付いて頭を支える。

私の指に注がれた視線はそのまま私の顔を見つめてる。

「気に入ったみたいだな」

表情をにこっと崩した道明寺はそれだけで華やか。

「起きてるときに渡してくれればよかったのに」

「お前に夢中になり過ぎて忘れちまった」

延びてきた腕はそのまま私の腕を掴んで道明寺の胸元に引き寄せる。

身体ごと捉われて離れるすべを失ってる。

道明寺の心音がトクトクと背中から伝わってくる。

その規則的な音が心地よくて、そして・・・

熱い・・・

道明寺の左指が私の指先を伝ってリングをなぞる。

「ピッタリだな」

何時の間に私の指のサイズ測ったんだろう。

実は私も知らないんだけど。

「今日は、まだ、このままベッドの中で過ごしたい」

耳元に囁く道明寺の声は寝起きのままで低く掠れてる。

私を誘う甘い声に抵抗しなきゃいけないのに・・・

身体は感情を裏切ったまま道明寺に抱かれてる心地よさにしびれてしまってる。

「指輪、ありがとう」

クルッと身体の向きを変えて道明寺の胸元で小さくつぶやいた。

道明寺の顔を今は見れそうもない。

拍手コメント返礼

ゆみん 様

ダイヤ堀りには司をインディージョーンズばりで~

ジャラジャラ♪と映画音楽が流れてきました。

司君、ゆみん様から掘りまくれじゃなかったやりまくれの御許可がでましたけど・・・

「私は許してない」 by つくし。

そう言ってるつくしちゃんもすぐにほだされるから~~~~❤

うさこ様

相手が司君なら何を言われてもキュン死しちゃいそうですよ。

目の前でいるだけで即死しちゃうかも~

うさこ様遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます。

年末の慌ただしさの中にうずもれてしまいますよね。

プレゼントあるだけでうらやましい。

私も以前ブランドバックを主人が誕生日にプレゼントしてもらいましたが一緒にカードの明細書を渡されました。

そりゃ、ハタライテくれてるのは貴方ですが、家計を預かる身としてはどうするんだ!!!

と首を締め上げたくなったことを覚えてます。

なる 様

磨かれる前の原石の大きさをつくしちゃんが知ったら・・・

それって1万円札何枚無駄にしたことになるのぉぉぉぉ

と悩みそう。

何まいじぇありません下手したら百枚単位ですよ~。

つくしちゃん気絶しないかしら?