恋人はSecurity Police 28
このお話・・・
短編の分類に振り分けてました。
まい2様から頂いたコメントをもとにアレンジして書き始めたんですよね。
まさかここまで続くとは・・・
最近ポイ捨て張本人は何処に行ったのやら~(笑)
キスの値段から始まってそこからてんぷら、まつたけ値段表の勘違い。
時価はどうなった?
恋人はSpからどこでこうなるの~
あっ・・・
何時もの事ですね。(^_^;)
あのさ・・・
あのさ・・・
あのねッ!
道明寺が私の腕を引っ張って歩くから目立つ。
さっきから、すごく見られてる。
道明寺HD本社ビルエントランス。
天井まで吹き抜けのフロアー。
出来るなら上を見上あげて、前を向いて歩きたいが顔を上げれない。
少しでも顔を隠したい私とは対照的に、真直ぐに見つめた視線は、威風堂々と辺りに艶やかなオーラをまき散らしてる。
ここで立ち止まるのと道明寺に引っ張られたまま歩くのとどちらが正しいのだろう。
立ち止まって私たちを見つめる好奇な視線。
「代表が笑ってる・・・」
私たちを見送りながら珍しいものを見た様な驚きの声を上げるのは一人や二人じゃなかった。
「クールさも素敵だけど、笑顔も素敵ね」
「かっこいいとなんでも様になるのよね」
うっとりとした表情はそのまま道明寺が引っ張る私に移って「だれ?」って好奇心に変わる。
私の人生で最大に目立ってるのが今。
あーーーーーっ。
もう!
手を離して!
道明寺の手の中で握られた手首を引き抜こうと悶える。
右に左に手首を回すたびに道明寺の指先が離さないと言う様に強く肌に食い込んでくる。
痕がついちゃうよ。
「おとなしくしろ」
機嫌のいい声でもなかなかの凄み。
一瞬にして感情を使い分ける器用さ。
凄んだ後にはにかんだ様に笑うから私の方が悪いのかなって、気にさせられる。
ずるい。
ずるいよ。
それ、反則だからね。
本社ビルの出入り口。
数メートル先の路上には横付けされた車。
その後部席は道明寺が乗り込むのを待つばかり。
軽自動車にも滅多に乗れない私がここ一週間高級車の乗り心地の良さを体験しちゃってる。
何もかも、すべてが値段が高いのにはそれなりの訳があると実感。
道明寺と一緒だと自分の今までの価値観が全部否定されてる気がして不安になる。
この生活には慣れそうもない。
さっきから、じっと注がれる視線。
それはビルの中で向けられた好奇心と明るい視線にはほど遠い。
睨まれてるような・・・
鋭く冷たい痛みを感じる様に肌に突き刺す。
えっ?
斜め45度後ろに視線を移した瞬間キラリと光に反射する手元が見えた。
わぁぁっ。
「危ない」
勢いよく向かってくる男から道明寺を庇う様にとっさに身体が前に出た。
「おいっ」
車に乗り込む寸前、道明寺は私より先に気が付いていたのだろう。
庇ったつもりの私はそのまま道明寺の胸の中に閉じ込められてしまってる。
キャーと広がる悲鳴に似た叫び声。
「守るのは俺の役目だろうがっ」
ナイフを持ったままの男は路上に転がってSPから押さえつけられてる。
私を庇いながら反転させて蹴り上げた道明寺の脚はしっかり男の鳩尾を捉えて倒してしまってた。
「強いんだ・・・」
映画の様な一瞬の出来事。
「これじゃSPなんて要らないね」
「あのな、俺の話聞いてねェな。
お前はSPじゃなく婚約者だって、何度言わせれば気が済む」
息の触れる距離で甘く囁くような声。
こんなに近い距離で言われちゃうとドキッとなる。
ちょっ・・・
ゆっくりと道明寺の顔が私に近付いてきた。
おっ!
これ以上近づいたら触れちゃうよ。
こんなところで?
そりゃ、周りの関心は暴漢魔にいっちゃって私たちの方には向いてないけど。
キスしたいならもっと別な場所で・・・
ねぇっ。
今はやばいよッ。
・・・・
・・・・?
・・・・・!?
近付いた道明寺の唇は私の顔の横を通り過ぎて肩にもたれ掛る。
「イテッ・・・」
苦しそうに呟く声。
ふと下げた視線が道路にポタ、ポタと落ちて赤く染めていくのを見た。
えっ・・・血・・・?
道明寺のスーツの腰のあたりが赤く染めて広がってる。
「道明寺っ」
倒れ込んだ道明寺を抱きかけながら私は何度も叫んでいた。
拍手コメント返礼
ゆみん様
このお話でまさかの刃傷沙汰。
刃傷沙汰って~♪
思わず某所委員会進呈の任侠のお話の続きを仕上げないといけないことを思い出してしまった・・・(^_^;)
司君、今までにない早さでつくしちゃんにいろんなことシテルノダカラ・・・
忘れたらもったいないぞ~
うさこ様
もう♪
黄金の腰のコメに拭きださいちゃいました。
シッカリ元に動きに戻るかな?
どんな心配だ!(笑)
次回より『介護人マキノ』に題名変更?
なる 様
油断したのコメ他の方からもいただいてます。
でも、ベッタリ看病の値段はいくらかのコメはなる様だけよ♪
笑っちゃったじゃないですか。
もう少しでコーヒーが口からブッーでしたよ。
そしてコメの内容が私の考えに近かったんですよね。(^_^;)
akko様
一大事!一大事!
坊ちゃん刺されちゃったよ。
つくしを庇ってって一番の見せ所♪
坊ちゃんカッコいい♪
言ってる場合じゃないですよね。(^_^;)
かえまま 様
記憶喪失の心配。
大丈夫です。
ぼっちゃん忘れません。
散々朝まで良い思いシチャッテマスから。
記憶を無くしたらこれも全部真っ白になっちゃいますからね。
りん 様
怪我はしちゃってますけど終りに向けて進ませてもらいます。
でも、まだまだ楽しめますねの期待のコメにノセられそうな自分がいます。