ラストシーンは夢の中 10

類とつくしが一緒の客船の中だと司に知られちゃいましたが・・・

司クン船が港に入るまで我慢できるのかしら?

総二郎とあきらがついてるから大丈夫かなとは思うんですけどね。

え?

暴れてほしい?

キョロキョロ~

空耳ですよね?

・・・・

失礼いたしました。(^_^;)

陸地の方向から聞こえてきたのはプロペラの音。

この客船で聞いたのは二度目。

空を見上げてヘリの姿を必死で探す。

ヘリの側面にはどこかで見たことのある航空会社のロゴ。

道明寺のロゴじゃないことに安堵のため息。

道明寺が私を迎えに来たんじゃないかと一瞬思ったことは否定しない。

もし・・・

そうだったら・・・

不機嫌な表情を見せて不満をぶつけられてもきっと嬉しいと思えるだろうから。

叱られるって思っていても・・・

悪いのは黙ってバイトして連絡をしなかった私。

いちいちうるさいって思いながらもそれが道明寺なりの私を思っての事だって分ってるから。

許せちゃうんだよな。

ヘリから下りてきたのは若い女性。

道明寺じゃないって予想してたはずなのにその姿にがっかりしてる私がいる。

あと数時間後には会えるのに・・・

このまま道明寺に見つからないまま日本に帰ることが平和だって思ってたのに、花沢類に道明寺が寄港先で待ってるって聴いてからは、心が落ち着かない。

会えるなら少しでも早く会いたって思ってる。

それから数分後、私は、萩野の奥様の部屋に呼ばれてた。

目の前には私と同じ年頃の女性。

さっきヘリで降りてきた女性だと気が付いた。

「ねぇ、なんとなく顔立ちが似てるでしょう?」

萩野の奥様の話だとどうやら私はこの女性の替え玉ってことだったらしい。

会話をした相手なら一目で別人だと分かるレベル。

あっ・・・

私が話した相手って花沢類だけだった。

確かに目もと鼻筋は似てるって思うんだけど一卵双生児というよりは年子の姉妹って感じだろうか。

似てるって言われても雰囲気はまるで違う。

温和って言うかおっとりとしたお嬢様って感じで、彼女は「迷惑をかけました」と、穏やかな笑みを浮かべる。

「ちょっとした出会いを演出したかったんだけど、彼女、出港までに乗船できなかったの。

彼にあまり若い女性を近づけたくなくてあなたに相手してもらったのよ」

彼って・・・花沢類?

私は単なる虫除け防虫剤に使われたって事なのだろうか。

「後は、あなたとの雰囲気を彼女が受け継いで上手くいってくれるといいんだけど。

そのために彼女に似てるあなたを選んだの」

楽天的なその考え、花沢類じゃなくても受け付けるとは思えない。

私の役目は終わったと早々に部屋追い出された。

彼女を紹介されて花沢類がどんな態度をとるか想像できる。

興味がない相手にはとことん冷たくて無視のパターンは今までも何度も目撃してる。

花沢類は知っていたのだろうか。

後は花沢類次第なんだろうけど。

船のデッキに眺める海は太陽の光を反射してキラキラと輝く。

「ここにいたの?」

私の横で肩を並べる花沢類。

「もうすぐ、司に会えるよ」

吸い込まれそうなビー玉の澄んだ瞳はキラキラと輝いて微笑んだ。

女の子なら誰でも一度は夢見る王子様。

太陽の輝きにも負けてない華やかしさ。

ほっ~と見惚れた夢見心地のいくつもの視線がどこからともなく注がれてる。

そこから私に強く突き刺さる痛い視線。

F4といつも一緒にいると左右前方から突き刺す視線はいつも一緒だ。

優越感を感じるよりいつも逃げだしたくなる心境。

離れたい・・・

まわりの態度を感知してない花沢類がもう一度私に微笑んだ。

「キャーッ」

布を引き裂く悲鳴。

嫉妬の感情丸出しの声。

もう・・・

早く船を降りたいよ。

拍手コメント返礼

ゆきこ様

つくしちゃんを虫除けスプレーにしたって司が知ったら・・・

黙っちゃいないだろうなぁ~

類が側にいる事でも不機嫌なのにどうなるの~

頼りは総ちゃんとあきらくんかな?

大変そう~

ゆみん 様

リサーチ不足、そうですよね。

つくしちゃんタイプが好みだと言うところまではリサーチしてたのでしょうけどね。

詰めが甘い?

うさこ 様

お見合いとまではいかなくても上手くいけばってところでしょうか?

F4を相手には無理だと思いますけどね。

今考えるとF4全員船に乗せた方がおもしろかったかもと思ってます。

お見合い争奪戦でバタバタするなんてお話今度書いてみよう♪