☆昼間の情事は二人の常時

このお話はR推進委員会に2014年10月にUPされたお話です。

いつもより濃厚な仕上がりとなっております。

「失礼します」

杓子定規に聞こえた声はそのまま司のデスクの上に銀のスプーンを添えて

書類に向っている司の前にコーヒーを乗せた皿を置いた。

「どうそ」

相変らず他人行儀な声に司はクスッとした笑いを浮かべる。

「俺とお前の関係にしては冷たいな」

口角を上げて愉しそうに司はつくしに笑って見せる。

朝の話題にしては不釣り合いな意味合いをもつと分かる司の含み笑い。

ベッドの中の睦ごとを忘れるほど経過してない時間がつくしの頬を染める。

「あのね。コーヒーを飲みたいって言ったから

煎れてきてやったのでしょう」

ついつくしが不機嫌な態度を司に見せるのは喜ばせるだけだと分っているのに、口を尖らせることしかできない自分につくしは腹が立つ。

司に見せた今朝までの媚態を思い出したくないのに司の声が、自分を見つめる瞳が、唇がそれを鮮明に思い出させる。

「・・・へぇ」

やらしい笑顔

その笑い方が自分と同じことを司も思い浮かべているのだと思うとどう反応すべき心が落ち着かなくなる。

しかし、それを確かめる勇気もつくしにはない。

「御用はお済ですか?」

「御用と言われれば、お前にしか頼めないことがあるかな」

「私にしかって頼めない事って・・・」

そうつぶやいたつくしが何かに気が付いたようにハッとした表情をこわばらせた。

「そう、お前にしかできないこと・・・だ」

声を立てて笑う司はつくしの手を握り、グイと強引な引きで自分の側に引き寄せて膝の上に坐らせた。

「ちょっ、ここ会社!私はコーヒーを持ってきただけだから」

「誰もこねェよ」

そう言い終わらないうちにつくしは司につよく唇を塞がれてしまう。

「・・・・・っ」

角度を変えて深く口づけしよとする司に身体を強く押し返すが、その胸元はびくともしない。

それが、たいした抵抗にならないことを知りながらつい繰り返してしまう。

そしてますます自分の動きを抑制してしまう。

「何考えているの!」

動揺のあまり高圧的な物言いでつくしは司を責めてしまう。

「お前のことに決まっているだろうが、俺に指図するな」

抵抗を見せるつくしに司は怒るどころか楽しげに笑ってみせる。

「刃向うの無駄だって分っているだろ」

つくしに耳穴に差しこんだ舌先から聞こえてきた低い声。

つくしを抱く手に力を込めて腰を引き寄せられてつくしの身体は思わず強張る。

だから、ここ会社!

そう何度も言い聞かせているつくしも、つくしの胸元から滑り込んできた指先の後を追う唇の感触に流されそうになる。

「色気のねェ、襟元のしまった服を着るんじゃねェよ」

「あのね、誰のせいだと思ってるのッ」

身体のいたるところに残された赤い痕。

消える頃にはまた残されていく司の烙印。

「あぁ・・・そうか・・・」

ククッと喉元を揺らす愉しげな声につくしの体温が上昇していくのがわかった。

服の上から揉みしだかれる胸のふくらみ。

直に触って欲しいと思う欲求が身体の奥から湧き上がってくるのが自分でも分かる。

胸の谷間に差し込まれた司の指先が生れた調子でボタンをはずしていく。

司にじっと見下ろされながらつくしは身動き一つできなくなってしまった。

「あっ・・・」

左右に開かれたシャツ。

肌に冷たい風が触れて思わずつくしは息を呑む。

直ぐに司の目の前に露わになった胸の膨らみ。

その膨らみを司の冷たい指先が包み込んだ。

「触らないで・・・」

掠れた声は触って欲しいと哀願しているように響く。

艶めかしい手つきで司の掌がつくしの胸を揉みしだく。

衝動的に身体が揺れそうになるのを必死でつくしは耐えた。

つくしの耳元に寄せた唇が熱い吐息を吹きかけて「素直になれ」と恍惚とした声は囁く

司の声は麻薬のようにつくしの胃の奥をくすみ上げる様な感覚を付きつける。

「あっ・・・」

司の濡れた舌先がそのまま胸の先端を摘まみ上げた。

ゾクリとした感触が身体中を駆け抜けて甘い声を上げそうになる。

トントンとノックする音が響いて不機嫌な表情の司と視線が重なった。

「あっ!」

真っ青に顔色を変えるつくし。

「入れ」

聞こえた司のとんでもない声にますますつくしは身体強張らせる。

どうするの!

今の自分の姿は何をしていたのか一目瞭然で服の乱れを直す時間もない。

逃げようと起き上がらせた身体を司がデスクの下に押し込めてしまった。

確かにここしか隠れる場所はない。

だけど!

入れなんていわなきゃいいだけのこと。

なにを考えているの。

つくしの頭の中に巻きおる疑問と不安。

物音を立てない様に必死で息を殺すつくし。

司の前に跪いた格好のつくし。

その前で司の指先がスラックスのファスナーを下ろすのが見えた。

なにする気・・・だ。

まさか・・・

司が次の動作に移る手の動きをごくりと息を呑みこんでつくしは見つめた。

「どうかしたのか?」

司の平然とした声がデスクの上で響く。

「新しいホテルの建設の最終に絞った候補地です」

執務室にやってきた部下はデスクの下につくしがいることも気が付ないままに規律正しい声を発しくる。

ホッとしていいはずなのにデスクの下のつくしは落着けずにいる。

少しでも身動きしたらその音で自分がいることに気が付かれそうでしかたない。

目の前の椅子に腰を下ろした司の股間から司の一部がとりだされている。

それをつくしは直視するしかない。

この状況で聞こえてきた「どうしたのかと」か、「絞る」とかいう言葉がつくしには卑猥に聞こえてきてしょうがない。

「もう少し思ったようにやったらどうだ」

私に言っているの?

カタン

考え込む込むつくしの耳に何か小さいものが落ちた音が響いた。

床に転がった一本のペン。

それを拾う動作を見せながら司が腰を屈める。

ペンを拾った反対の腕はつくしの掌を握って、その指先に柔らかな感触を感じた。

「ヒッ」

悲鳴にも似た声を上げそうになってつくしは慌てて息を呑む。

指を放そうとしてもいっそうそれを押しつけられる。

もう!

なにを考えているの!

恥かしさと怒りと混じる感情。

正視できない状況のはずなのに胸の奥底に芽生え籠る熱。

今の状況で感じ始めている今まで知らない自分がいることの驚愕。

どうしよう・・・

理性と欲望が入れ混じる不思議な感覚で陰茎を包み込まされた指先をただ黙ってつくしは見つめていた。

柔らかな肉棒を包み込む格好の掌。

その掌を司の一回り大きな掌が包み込んで自らの陰茎を拭きあげ始める。

それはまるで司に導かられるままに好きなように操られているよう。

逃げようとするつくしの指の中で陰茎は熱を帯び、角度をもって立ち上がり始めていた。

それは司の熱と同調する様に顔から火が噴きだしそうなほどつくしの頬も熱くなる。

包皮を擦り上げて亀頭の根本まで持ち上げてそしてなでおろす行為を何度も繰り返させる。

「本当にいいのですか?」

「最終決断は俺が決めるが、それまでは思うとおりにやっていいぞ」

「ありがとうございます」

司の信頼を勝ち得た喜びを隠そうともしない嬉々とした声が響く。

その声につくしの身体が一瞬にして強張った。

それなのに司の声は平然として経営者の姿を少しも壊していない。

自分だけが不安でどうしようもなくて焦っている。

それなのに司は私を操って楽しんでいる。

なんとなく釈然としない感情がつくしの胸に沸き起こってくる。

道明寺を慌てさせたい。

負けず嫌いなつくしの性格が司の下肢に顔を近づけさせた。

何度も自分の身体を貫いたものをこんなに近くで見たのはつくしも初めてだ。

まだもっと大きかったよね。

卑猥な形をした肉塊を前にそんなことを思いだして躊躇する心をグッと押し込める。

まだつくしの頭の上で飛び交う部下と司の平然としたやり取りがつくしの対抗心に火をつているのが事実だ。

「ヨシ!やらなきゃ!」

やらなくてもいいと思うのが本筋だと思うのだかつくしの気持は司をやり込めたい気持ちに動いてしまっていた。

「んっ・・・」

唇を開きまだ柔らかさを保つ陰茎を口に含んだ重量につくしは思わず小さく声を発した。

つくしの濡れた舌先に陰茎の先端が触れピクリと司が身体を震わせたのが分る。

司の男としての欲望を高めたことがつくしを駆り立てる。

瞳を閉じて必死に絡める舌先。

亀頭を強く吸い上げると陰茎が角度をもって立ち上がり始めた。

「あとは、まかせた・・・っ・・・」

初めて感じるざらついた舌の感触。

自分を加えこんだままのつくしが見せる初めての媚態に司の鼻さきから熱い吐息が漏れてしまう。

「代表、どうかなさいましたか?」

息を乱した司に対して部下が心配そうに尋ねた。

「飼っている子猫が足元で悪さをしているだけだ」

「猫ですか・・・?」

「後でしっかりとした躾が必要みたいだ

話はこれで終わりだ。

さっさと部屋をでて行け」

重圧的な声に変わった司にあわてて部下は部屋を飛び出した。

深く息を吐いた司はその後受話器をとって「しばらく誰も部屋にいれるな」と命令口調で告げる。

「悪戯好きだな」

司がタイを緩める艶めかしい仕草をみせる。

それを眺める余裕は今のつくしにはない。

「んんっ・・・」

つくしの頭を押さえながら肉茎を喉の奥までねじ込まれる。

口の中、いっぱいに頬張らされてつくしは苦しげな声をあげた。

そのままゆっくりと腰を揺さぶる司の動きに合わせて、口の中で熱い高まりが何度も繰り返し抽送されていく。

べたつく舌の先に擦り付けられる包皮の感触。

もう無理だとつくしは瞳を潤ませながら司を見あげた。

つくしの口内を埋め尽くす熱い塊は一層膨れ上がってくるのが分る。

「もう、無理だな」

膨張した肉棒がそのまま口の中からズブリと引きぬかれる。

司の腕がつくしをデスクの下から引きずりだして司の上に坐らされた。

「入れていいか?」

司の掌がつくしの頬に触れて上を向かせる様に持ち上げて唇を重ねる。

司の指先はそのままつくしの下肢に触れこれ以上待てないという勢いで膝下までストッキングと下着を一気に下げる。

一気に外気の冷たさが司の肌に触れる。

じっとりと湿ったつくしの媚肉を司は指で開いて自らの欲望を押しつけた。

「おい、少し腰を上げろ。これじゃ入らない」

つくしの花弁に触れる切っ先が入り口を探して擦り合わせる感覚。

ネットリとした愛液が濡らす切っ先はスルリと花弁に触れて離れる微妙な刺激をつくしに与える。

「ダメっ・・・」

鼻から抜けた声には拒絶の意味などなく喘ぎにしか司には聞こえない。

つくしが飛びかけていた理性を引き戻そうとする抗いを司は難なく抑え込んでしまっている。

つくしが逃れようと腰を持ち上げたのは司にとっては絶好のタイミングでしかなく、求めていた蜜口が簡単に亀頭を飲み込んでいく。

入れられた刺激でわずかに浮き上がったつくしの腰をすぐさま引き寄せるように司の腕が動く。

司の膝に押し座らせられたつくしの中奥にしっかりとはめ込まれた生々しい感触をつくしに伝えてくる。

左右から掴まれた腰はゆるゆるとゆさぶられて抽送されるたびに快感に下がる子宮口を突き上げてくる。

「・・・んっ・・・今っ挿れな・・っ・・いで・・・抜いっ・・」

司の与える刺激に反応するように膣内が収縮して司を締め付ける。

「言っている事とやっている事が違うだろう」

ひどく感じやすくなったつくしの身体に押しかかる様にデスクの上につくしを乗せる体勢に司が体勢を変える。

陰茎を奥から引き抜いて腰を前後させ浅い部分に生まれる疼き。

尖端の亀頭のくびれが司を締め付けるつくしの入り口を強くこすり、膣内をかき乱出す様に動いていく。

虚ろに開いたつくしの瞼の先で冷え切ったコーヒーの茶色い液体が波打つのが見えた。

コーヒーこぼれちゃうよ。

今のこの状況ではコーヒーのシミより溢れている愛液の方が大変なことになっているのはずなのに、この状況でコーヒーの心配をしているなんて、そのおかしさを感じている余裕がつくしにあるわけがない。

「あっ・・・あぁぁ・・・」

意識を抜くと我慢できない声を漏らしそうで仕方がない。

唇に入れ込んだ指先に力がって慈善と拳を作る。

肉が擦れ重なり掻きだされる感覚は次々と新しい快楽と生みつくしを震わせる。

自分でも知らないうちにつくしは司に合せて腰を揺らし始めていた。

司が腰を動かすたびに身体中を熱が包み込み蕩けそうな感覚に支配されていく。

司はゆっくりと挿入した後すばやく抜き取り、それを繰り返す。

やがて膨張し切った尖端を奥に進めて膣壁に押しつけたまま腰を回してさらに奥を突いた。

「一度、出すぞ」

「えっ・・?ダメ・・・出さなッ・・・」

押しつけられたままの身体は抗うこともできないままに司の先端から吐き出された精を受け止める。

司の欲望が自分の奥底に吐き出されて満ちていくのを感じてうっすらとつくしの目が涙をこぼす。

「もう、出さないでって言ったのに」

司の束縛が解かれて振りかった瞬間に司の萎えた陰茎が外れてだらりとした姿を見せる。

身体の奥から流れ落ちる感覚を抑えるようにつくしは脚をすぼめる。

「さすがに、ここには用意してねぇんだよな。

次からは置いとく必要あるな」

ニンマリと微笑んだ司はそのまま自分の乱れを直す様に平然と衣服を整えていく。

置いておくとか、置いていないの問題じゃなくて!

「やっぱ、生だな」

そう小さくつぶやく司のご機嫌な声につくしは言葉を飲み込んだ。

妊娠したらしたですぐにでも結婚を迫る司がつくしには容易に想像できる。

まさかそのつもりで、わざとやっとか・・・!

普通妊娠の手で迫るのって、女性の方だよね。

何事もなかったような平静さで席に着く司を眺めながら、つくしは取り残されていく自分に恥ずかしさを覚える。

衣服のボタンを外されてあらわになったままの自分の姿を思い出して慌てて服の前をつくしは押さえる。

乱された身体の熱の余韻を残す身体はそれだけでは隠せそうもない。

司を非難する様に睨みながらつくしはボタン手早く止める。

「牧野、ボタンかけまちがえているぞ」

確かめるように胸元に落とした視線は司の指定どおりにちぐはぐなシャツのゆがみを見せている。

このまま出て行ったら一目瞭然の姿にワナワナとつくしの唇が震えて頬が熱くなる。

余裕たっぷりに笑顔を見せる司。

無性に腹立たしく思えてしょうがない。

「もう、二度とこんなところで襲わないでよね」

「襲われたのは俺じゃなかったっけ?

お前が俺を咥えこむから止まらなくなった気がするんだけど、気のせいか?」

机の下に押しやられた後のことが鮮明につくしの脳裏に思い浮かぶ。

道明寺を困らせたかっただけなのに、終わってみればその行為が自分を追いつめている。

そうさせたのは道明寺でしょう!

もう二度とやらない。

心の中では司を非難する悪態が浮かぶのに、これ以上何か言っても今のつくしには勝てそうな気がしない。

司の言葉に押し黙ったままなにも言いかえす言葉が見つからないつくしに司が満足そうに微笑んだ。