whitedayの夢のあと 6

着いたは着いたけど・・・

このあとどうなる?

それは素直なつくしちゃんと甘い言葉をささやく司がうまく重なればって展開です。

邪魔者はいないことを祈ろう・・・。(^_^.)

 *

有名な温泉郷のホテル。

身近な家族向けリゾートが売り。

誰にも邪魔されない静かな温泉宿のイメージじゃない。

「牧野にいつも豪華すぎるとか文句言われるだろう。

たまには庶民的お気軽宿泊施設のほうが牧野も落ち着くんじゃねぇの」

俺様のスィートホワイトデー企画をあいつらに話したのが運のつき。

「本当ならバレンタインのお返しを俺らも牧野に考えてたからこれくらいさせてくれ、司も着くまでのお楽しみな」

思わず頭の隅を嫌な考えがよぎた。

「お前らついてくる気じゃねぇだろうな?」

「お前らの邪魔してなんの徳がある」

あいつらっ!

邪魔しに来ないのはいいが、もっと落ち着けるホテルを選べ!

俺たちの周りは小さな子供がさっきから走り回ってる。

フロントには俺らの前に同じようなカップル。

「ねぇ、名前どう書く?」

「・・・クンの横に・・・って書いて」

猫なで声の甘えきった声。

どう書いてもいいだろうがッ。

宿泊名簿を書くだけにどれだけ時間をかけてるのか、いつまで俺を待たせる気だッ!

「道明寺ッ」

俺の袖口を牧野が落ち着いてとガシッと握られた。

見下ろした俺と牧野の瞳が重なる。

不安そうに俺を見るな。

おまえの嫌がることはしない。

ようやく受付の済んだカップルはその仲の良さを見せつける様に腕を組んで俺たちの横を通り過ぎる。

あんなのと一緒のホテルかよ。

出だしで躓くとはこのことだ。

俺たちが案内されたホテルの部屋はそれなりに上等。

部屋に室内風呂もあるって点ではあいつらもそこまで意地悪じゃなかったってことだ。

部屋に着くまでに牧野が目を輝かせたのは女性は選べる浴衣。

「道明寺が選んでよ」

照れくさそうに俺に頼むあいつは今日一でかわいかった。

「着てるひまねぇぞ」

耳元でささやく俺に肘鉄を食わせる牧野も想定内。

わざとらしく横っ腹をイテッと抑える俺も遊んでる。

「ここすごいよ・・・」

このホテルの売りだという、水着着用の屋外型温泉。

「14時から23時までご利用できます」

そんな説明いらねぇっ。

「これなら道明寺と一緒に入れるね」

うれしそうに目を輝かせて俺を見上げる。

あのな・・・

こんなとこ来なくても部屋には露天風呂完備なんだぞ。

俺様の予定じゃこの三日間は二人きりで誰にも邪魔せれずに過ごす計画。

「ねぇ、ちょっとゆっくりしたら遊ぼうよ」

うれしそうにはしゃぐ牧野は子供みてぇ。

俺は子供の遊びより大人の遊びがしたい。

部屋は和室と洋室のある作り。

なんか・・・違う。

目の前のベッドにそのまま倒れこんだ俺。

腕に牧野を抱いて倒れ込みたかった。

そんな俺の横にやってきて、ベッドの上に正座して牧野がちょこんと座る。

首をかしげて覗き込む牧野の視線と重なった。

「大丈夫?」

「ん?」

「朝まで仕事って言ってたから疲れてるのかなって・・・」

俺の前髪に牧野の指先が絡む。

「疲れてねぇよ」

うつぶせの身体を起こして牧野の腕をぐいと引っ張って俺のほうに引き寄せた。

牧野の身体はそのまま俺の上にかぶさるように落ちる。

そのまま抱く牧野のやわらかい感触。

胸元に感じるぬくもりと牧野の重さが生む心地よさ。

「あのねっ」

身体を起こそうとする牧野をもう一度抱きしめる。

胸元で観念したように大きく吐いた牧野の吐息。

「おとなしくなったな」

「道明寺の心臓の音が聞こえる・・・」

左の胸にぴたりとあてられた牧野の右耳。

「遊びたいんじゃねぇの?」

「今はこのままいたいって思う」

牧野の長い髪を指先がそっと梳く。

鼻先に流れ込む清純な牧野の香り。

「待ってたんだからね」

「なにを?」

「道明寺からの連絡」

「メールとかチマチマ打つがらじゃねぇだろう」

「声聞きたかったのに」

素直っていうより牧野がすげー甘えてる。

なんか悪いもん食ったか?

思いっきり抱きしめたくなった。

両腕を回すように横に向けて身体を押し付けた。

腕の中で繰り返す何でもないたわいない会話。

会社に呼んだお前と過ごした昼食。

あのあとあの店に行列ができたとか・・・

から揚げ定食と生姜焼き定食がいつも売れきれるとか・・・

すべては俺たちの影響だと秘書課の連中が騒いで俺の耳まで届いてきた。

「道明寺と近場で食事をするのやめる。

個室で食事するのは贅沢が好きなだけじゃないんだね」

真面目に納得してる牧野。

俺は牧野が行く店のほうが好きだぞ。

「いつまで・・・こうしてるの・・・」

その声はすげー甘ったるく聞こえて俺を誘う。

「いつまでもこのまってわけじゃねえよ」

回転させた身体は牧野を下に俺を上に入れ替えた。

「牧野・・・」

愛しさを込めて呼ぶ声は自分でも驚くほど媚びている。

らしくねぇ自分をさらせるのもお前だから。

目の前で牧野が瞼をそっと閉じるのが見えた。

 

拍手コメント返礼

なる 様

そうなんです。

珍しく順調な滑り出し♪

ホワイトデー企画ですからね。

邪魔者になりそうな登場人物を配置はしてますがほんのおまけです。

この邪魔者を匂わせて~の甘々突入予定。

次回をお楽しみに♪

メガネちゃん様

こんな素直なつくしちゃん見せつけられたらF3でも「どうした?牧野じゃねぇっ!」て叫びそうですよね。

次回はもっと素直かも~

坊ちゃん鼻血注意報発令中

ゆみん 様

今回はこのままつくしちゃんに司を料理してもらいます?

大胆に行けるか!

今回は何も企んでませんから~

え?企んでほしい?

ゆきこ 様

は~い今回は邪魔しません。邪魔できません。

たぶん・・・(^_^.)

ホワイトディーですからね。

このままいちゃこら街道を突っ走ってもらいます(予定)