ウエディングベルは二度鳴らす 20

春ですね。

桜の開花の話題もちらほら。

更新が滞っていて申し訳なくご心配おかけしてます。

ただ今気が抜けてる状態でして・・・(^_^.)

実生活バタバタと忙しくテンションが上がって余裕が持てるようになるのはもうしばらくかかりそうです。

ぼちぼちの更新となりますがお許しください。

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迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

俺を呼び出す必要あったのか

そんな無言の問いかけを投げた相手は表情を崩さないままにテーブルの上の書類を拾い上げる。

「お疲れでした」

西田が頭を下げるまで要した時間は40分。

ガチャリと開いた扉のよこで「いかないんですか?」的な視線を向けられた。

「このくらいの時間差で代表が現れてもパーティーは、そこまで騒動にはならないでしょう」

パーティーの始まりで代表が現れたら花嫁花婿より目立ちますからね。

そんな理由を西田の堅苦しい顔がつぶやく。

こいつ・・・

わざと仕事持ってきやがったな。

「今日の分の仕事は次回のスケジュールから引いておきますから」

そのスケジュールっていつだよ!

その問いは西田を満足させること二しかならねぇから聞くのをやめてずかずかと大股で歩いて部屋を出た。

ここからは絶対邪魔するなよ。

振り返った俺の前で「冷静にお願いします」と西田は軽く会釈する。

バタン!

ムカつくままにドアを乱暴に閉めた。

日差しの差し込むガラス張りの廊下。

深々とした絨毯の敷き詰められた長い廊下。

その先から聞こえる明るい笑い声。

華やかな喜びにあふれた会場が近いことは誰でもわかる。

角を曲がったところには大きなモニター。

その中に映し出されるスライド写真。

次々に切り替わる画像は結婚式の二人から招待客への画像と切り替わる。

普段なら気にも留めないはすなのに、一瞬映し出された写真を凝視した。

映し出されたのはほんの数秒。

それでも俺が見間違うはすのないはずのやつ。

まあ、招待客なんだからそれもありか。

なんて思えるわけねぇだろう。

あのバカッ!

松岡公平が一緒にいるってことは承知。

差し出しされたあいつの手をとってほんのりと染まる赤い頬。

あいつら何やってた?

もう一回見せろ!

スライド写真はすでに別な招待客を次々に映し出してる。

「ねぇ、さっきの公平クンとつくしだよね」

「あの二人もいい雰囲気じゃないの?」

「え?知らないのつくしって結婚したよ」

「え?そうなの?誰と?私の知ってる人?」

会話しなら俺の後ろを通り過ぎる女性。

俺だよ!

振り向いて叫びたいところで二人の足音が止まる。

ごくりと息をのむ気配。

「つくしの相手・・・本当に知らないの?」

「だって、私、久々に日本に帰ってきたし、だれもつくしのこと教えてくれなかったから」

止まった二人の会話。

背中に感じる視線。

「似てるんだよね」

こそっとした話し声が小さく聞こえた。

振り返った俺の周りで小さな風が起こる。

「キャッー」

「えっ?道明寺司?え?なに?つくしって・・・」

小さく上がった悲鳴はその数秒後、俺の顔を凝視して驚きを隠せない女を引っ張って逃げてった。

いい雰囲気って・・・何やってたんだあいつら。

そんな噂たてられるってどうなってる。

ムカつく感情はそのまま大きくなって俺から抜け出して一気に扉を超えてパーティー会場まで解き放たれてしまってる。

西田には悪いがどこまで冷静にいられるか自分でもわからなくなった。