Unfair 8

こちらもつかつくに劣らず甘い雰囲気が漂いだしておりますが、北斗のドSな攻めはさすがに今は自重。

ということで今回は割愛させていただきました。

来週からが本番です!

さあ、できたぞ!

テーブルの上に並べた朝食。

豆腐とわかめの味噌汁に鮭の切り身に大根おろし

ほかほかの白いご飯にきんぴらを一品に添えての和食定食。

朝の朝食が今日の活力。

北斗を起こしてしっかり食べてもらわなきゃ。

残り香をスーツに残して帰ってきた北斗が嫌で嫌いでムカついた。

しばらくは冷戦、口もきかない、寝室も別、掃除も料理もしない。

そのつもりだったはずなのに、北斗の腕に抱かれて、愛されてその朝はこれだもの。

私の決心はこんなに簡単に崩壊していいものだろうか。

北斗それをわかってるから甘い手で攻めてくる。

我ながらおいしくできた。

向かい合った席に並べた朝食を自画自賛しながら北斗のいる寝室に向かった。

枕にうつ伏して横に向ける顔。

長いまつげは閉じたまま。少し乱れた前髪が額をおおう。

寝ぐせというよりは乱れたまんまの髪の毛にさっきまでの情事を見せつけられてるようでどきっとなった。

上掛けの布団からはみ出し隆起して見える肩甲骨。

いつどこで鍛えてるのか、引き締まった身体と程よい筋肉。

見惚れてたら北斗を起こせなくなってしまう予感。

「北斗・・・」

床に膝をついて覗き込んだ北斗の睫毛がわずか動いたのが見えた。

「北斗、起きて、時間だよ」

遠慮がちに呼んだ名前。

二回目は本気で起こす態勢の一歩手前。

肩に置いた手のひらに感じる北斗の肌と熱。

まだ揺さぶって起こすのは遠慮がちにただ、触れているだけ。

数度瞬きをして眩しそうに開いた瞳。

定まらない視点は宙を数秒泳いで私に定まった。

「起きて・・・」

自分でも甘いって思える声。

北斗が動いたと思ったのはほんの一瞬。

北斗を覗き込んでいたはずの私の視線がとらえたのは天井。

そして北斗が私を上から覗き込む。

え?

ちょっ!

ベッドに押し倒されたというよりは引きずりこまれてしまってる。

着替えのすんでる私とは対照的な裸体のままの北斗。

「寝不足・・・」

不機嫌な声は寝起きのせい?

でもって・・・寝不足って・・・

私を捉えてベットの中に転がした北斗の腕はしっかりと私を抱きしめたまま。

「お前だけすっきりした顔してんじゃねぇよ」

そんな、すっきりしてるかな?

自分の頬に手を当てて確かめる肌の感触。

肌のハリは年相応だって思う。

言われればつやつやしてるような気もしなくはない。

「私だって寝不足は一緒でしょ。

違うって言ったらやっぱり年の差・・・」

そう言いかけて口をつぐんだ。

目を細めてジロリと向けられた視線は北斗が怒鳴りだす一歩手前。

「証明してやるよ」

「え?」

「体力はお前より上だってな」

ぎゃーーーっ。

身体に覆いかぶさる北斗の重みは本気の度合い。

「せっかくのごはんが冷めるよッ。

本当に遅刻するしッ」

バタバタと手足をばたつかせてもそれは直ぐに北斗の脚と腕に束縛されて囚われてしまってる。

「今、食べたいのはお前だよ

それに仕事に遅れても文句は言わせない」

ダメだって!

必死で抵抗を見せてベッドから這い出した私。

抗う息を整えてる私の横で笑いを漏らす北斗。

北斗にいいようにされて慌ててる私を面白がって弄んで見てる意地の悪さは天下一品。

「意地悪!」

一息に息を吐いて叫んだ私の声は無視。

「起きてやるよ」

何事もなかったようにベッドから下りて寝室を出ていく北斗。

その北斗の背中をめがけたつかんだ枕を思いっきり投げた。

これ以上ドキドキさせないでよ。

拍手コメント返礼

akko

たまには振り回される北斗も見たいですよね。

北斗を振り回すことができるのは千和だけですからね。