門前の虎 後門の狼 4
おはようございます。
お話を進める前にふにゃろば様から頂いたコメ。
うんうんこの展開もいいなぁ~
コメントは公開になってるので読まれた方もいるのでは?
それではふにゃろば様のコメントをもとに別物第二のパターンをお届けします。
続きに行く前にお楽しみいただきたいと思います。
照れてるのに不服そうな口元。
このままの状況じゃ絶対こいつは拗ねる。
拗ねると狂暴になるから手が付けられなくなる前に手を打つ必要がある。
こいつと付き合いだして学んだことの一つ。
俺も大人になったよな。
「おい…」
「何?」
やっぱり頬が膨れた。
「お前、わかってるか?」
「? だから何がよ?」
つりあがった眉は今にも眉間でつながりそうだ。
「周りを見てみろ」
俺の声に促さされてようやく異変に気が付いた牧野。
目じりが下がってポカンとした表情に変わる。
俺たちを凝視してざわつく周囲をみたら異変がわかるよな?
「何、これ…?」
「お前さっき『私の都合でサヨナラ』とか言ったろーが。
それを漏れ聞いた連中が、『俺とお前が別れる』って思ってんだよっ!」
「エェッ! ど・どうしよう…」
そのあと唇が波線のようにふやふやに変わった。
「連中の誤解を解く方法ならあるぞ」
俺たちの不仲説を一気に吹き飛ばす方法。
思いついた俺のテンションは今にも一気に天井を突き抜けそう。
ここは落ち着いて冷静に進めろと自分を抑え込む。
少しでも気を抜くと牧野が警戒しそうな表情を作りそうだ。
「ウッ…。」
牧野が何企んでると不気味そうな表情を浮かべる。
「ど、どうするのよ?」
警戒する表情を浮かべながらも俺に頼る素振り。
ここまでは成功か?
「簡単な事だ。お前から俺にキスすりゃいい。 うんと濃厚なのをな♪」
やばい、声が浮かれてる野が自分でもわかる。
「そっ、そんなのできる訳ないでしょ!」
焦った表情と論外だと膨れた頬。
「ほー、じゃ俺とお前が別れるって 誤解が広がっても構わねーのか?」
「うっ、そ・それは…」
逃げ場がない網に追い込まれた小魚。
「お前のダチも気に病むだろーなぁ。自分の電話が原因で、俺らの仲が うまくいかなくなったと知ったら」
「ど、道明寺っ! あんたオドす気!?」
網の中でうろうろすればするほど逃げ場を失い動ける範囲は狭まる。
すくい取るところまで追い込んだ金魚。
逃げ場はねぇよ。
「脅し? 俺は客観的な事実を言ってるだけだぜ?」
「うぅっ、バカの癖してこんな時だけ悪知恵が働くんだからっ」
牧野もそれしか方法がないって観念した表情を浮かべる。
「人聞きの悪い…。で、どーすんだ? やんのか? やんねーのか?」
二者択一の答えは最初から決まってる。
「くっ、判ったわよっ!やるわよ、やればいいんでしょ!!」
ほとんどやけくその声。
全く色気ねぇよな。
そんなの気にならないけどな。
「よーし、よく言った♪女に二言はねーな?」
このルンルンとした気持ちは隠せない。
俺って単純だよな。
これくらいで幸せ感じられる彼氏って楽なんじゃねぇの?
「ないわよっ! じゃ、道明寺、 目を瞑って」
「 何でだ? 俺は目を開けたままのほうが、ずっといいけどな♪」
口を開けば笑みがこぼれそうな俺。
「わっ、私がやりにくいのっ! ね、道明寺、お願い」
赤く染めた頬にウルウル上目目線で牧野が漏れを見上げる。
チクショッ!可愛すぎだろう。
こいつの上目遣いのお願いはなんでもOK出しそうになる俺がいる。
「っ! チッ、仕方ねぇなぁ」
唇が触れるまで見つめていたい瞳を瞼でふさいだ。
しかし・・・
こいつが素直キスするっていうのも眉唾物。
羞恥心からほっぺに軽く唇を触れておこちゃまキスでごまかそうってパターンは経験済みだ。
ちらりと薄く目を開けたその先で微妙に牧野の唇の位置がずれてるのが見えた。
ざけんじゃねぇよ。
牧野が頬に触れる瞬間に顔の位置をずらして唇を奪う。
たっぷり濃厚なやつ。
逃がさないように両手で頬を包んで身体を引き上げてやった。
「ホッペに軽くですませちゃおう。 なんて姑息なこと考えんじゃねぇよ」
息をするのも忘れるようなキス。
離した唇は何か言いたそうに動くが身体に酸素を取りこむことに必死だ。
身体が崩れ落ちそうな牧野を仕方ないと抱き上げた。
ざわつくキャンパスは別な色に染まって俺たちを眺めてた。
数分後・・・
牧野が正気に戻った。
バカ!とヤダ!とか、大学に行けないとか!
ギャーギャー腕のなかでの猛抗議。
知るかッ!
「もとはといえば、お前が撒いたタネだろ? 俺は誤解を解いてやったんだ。
感謝されこそすれ、文句言われる筋合いはねーな。
ごちゃごちゃ言うならもう一度ここでもっと熱いのやるぞ!」
止められた車まで数メートル。
牧野はおとなしくなった。
続きから本編のお話に戻ります。
ごちゃごちゃになったらすいません・・・(;^ω^)
「道明寺さんも来たんだ・・・」
私と道明寺を交互に見つめた優紀。
それは私を非難してるようにも落ち込んだ様にも感じない態度。
「大学に、道明寺さんが来てることもあるんですね。
つくしはなかなか道明寺に会えないってよく愚痴ってたんですよ」
「そんなこと、言ってないよ」
「言ってたわよ」
私と優紀の押し問答をにんまりと聞いてるってわかる道明寺の背中。
後ろの席で座る道明寺の肩が揺れてる。
ソワソワしてるのは道明寺より私のほう。
顔が見れない分だけ私のほうが無理。
さっきのキスも頭から追い出せてない。
「道明寺ッ!」
我慢できずに道明寺の椅子を力いっぱいに回転させた。
私と優紀の間に道明寺を挟みこんだ形。
「俺は、変なのじゃねぇのか」
拗ねたような言いぐさで不平な表情を浮かべてる道明寺。
「それは謝るから、おとなしくしていて」
「俺はおとなしくしてるつもりだけど、お前が俺をお前たちの間に連れ込んだんだからな」
連れ込んだって!
人聞きの悪き単語をここでどうしてチョイスできるのか。
もう道明寺は無視!
「ごめん、道明寺がいてもいいなら相談に乗る」
道明寺を無視したいのにこの存在感の無視は無理だ。
「道明寺さんにも聞いてもらったほうがいいかも・・・」
意外な優紀の反応に私と道明寺はお互いの顔を見合わせた。
道明寺がいたほうがいいってどんな相談?
昔みたいに私をかばった優紀のお父さんがまた首になりそうとか?
あれは道明寺のお母さんが私を追い込むために私の周りも巻き込んだ出来事。
今はそんな手段を選ぶ必要はない。
「これ見て!」
優紀がテーブルの上に広げたのは雑誌。
そこには西門さんとその横には目元の隠された女性のスクープ写真。
相変わらず西門さんお盛んだよね。
深夜2時の密会って見出しはさすがに目を引く。
「いつものことじゃねぇの?」
興味なさそうな道明寺の声。
「誰だか知ってる?」
真剣な優紀の声にもう一度じっとその写真を覗き込んだ。
写真の場所は、街明りから少し離れた公園のよう・・・
肩の熟れあいそうな距離感で少し彼女に落とした視線は柔らかく相手を見つめて微笑んで・・・
楽しい会話が想像できそうな雰囲気。
女性のほうは短い髪に深くかぶった帽子で目を黒く塗りつぶさなくてもわからないって感じだ。
「この女の身長・・・牧野と一緒くらいじゃないのか?」
え・・・
えっ・・・
もう一度今度はしっかり雑誌を手に取って穴が開くほどながめた。
道明寺の声に今私の頭の中はごちゃごちゃに絡まってほどけそうもない。
この写真・・・
私だッ!
変相だってかつらかぶって、サングラスかけて帽子かぶらせて、私で遊んだのは西門さん。
司とデートするとき必要になるぞって遊ばれただけの軽い変相。
ばれないかためそうって外に出たのはほんの少しの時間。
深夜二時ってそんな遅い時間だったのは出張中の道明寺の時差に合わせて携帯をかける私に付き合ってくれただけで、この時、花沢類も美作さんもいたんだから!
変相は直ぐにこの二人にはばれたけど。
優紀だけなら笑って説明できるのに、なぜかこの時の私は道明寺に私だといえなくて、黙りこんでしまった。
拍手コメント返礼
まあも 様
初コメありがとうございます。
軽くさらりと司のかっこよさをお届けできればと思ってます。
りり 様
司とつくし以外は軽く考えてそうですよね。
今回はF4も登場して楽しくお話を進めていこうって思ってます。
絵梨 様
優紀からの悩み事が実はつjくしちゃんも悩み事に変わるという展開。
優紀ちゃんは直ぐに納得してくれそうですけどね。
このトラブルを収められるのは誰だ~。