エロースは蜜月に溺れる 16

なんとか終わりが見えてきた~。

あとは司王子の怒涛の攻めでつくしちゃんをその気にさせるだけよ~。

その気になるのか?

ミニチャットで書きこみ頂いた『まりもっこり様』ありがとうございます。

このお話し韓流時代劇チックにアラビア風に宮廷絵巻風などいろいろ妄想してごちゃまぜで書いてます。

さてどうまとまるのか終わりまでもうしばらくお付き合いをお願いします。

浴室に足を踏み入れた瞬間から香り立つ艶やかな香り。

浴槽に浮かぶバラの花びら。

その横に膝をついて傅く女官たち。

無言のままに女官に衣服をはぎ取られてもつくしにはなすすべもなかった。

駆け抜けた馬上で舞い上がる砂ぼこりがつくしの身体にまとわりつき入浴できるのはありがたいと思う。

それでも衣服の脱着まで人の手を借りることはずっと前に忘れていた。

あのころは恥ずかしさなんてなかったのに今は自分ですることが当たり前になって他人の手を借りることに羞恥を覚えてしまう。

生まれとままの姿にされた自分の肌を隠すように胸元を、薄い茂みの前を手のひらで隠したつくしに女官たちは慣れた手つきで緩やかにお湯を流す。

隅々まで磨き抜かれた肌に柔らかな羽でなぞるような絹の寝衣。

世間に出回ることのない献上の反物で作られた一級品は王室の人間でも一握りの人間しか着ることを許されない。

それを身につけることができる女性をどう扱うべきかはすべて女官が心得ている。

つくしに恭しく傅く女官たちに離宮の召使とはまた違った気遣いを感じずにはいられなかった。

手を取られてゆっくりと進む長い廊下。

いつの間にか日も暮れ満点の星空がきらきらと輝く。

星の光が照らす中をゆっくりとした足取りでつくしは進む。

一人でも帰れるのに・・・

そう思いかけた時自分の部屋とは違う方向に連れていかれるのがわかった。

扉の左右に立つ女官が恭しくその扉をつくしの目の間で開いて頭を下げた。

頭を下げたまま身じろきもしない女官につくしは自分が中に入ることを待ってるんだと気が付いて慌てて足を進めた。

パタンと閉められた扉の音にビクッと身体が震えた。

ここどこよ・・・

部屋の間取りはつくしに与えられた広さより奥行きを感じる。

足を進めて開けた視界。

「道明寺ッ!」

口から飛び出した声を慌てて手のひらでつくしは抑え込んだ。

ソファーに優雅に座る人影はゆっくりと足を組み直すと艶やかな微笑みを浮かべてつくしを見つめる。

「なんでここにいるのよ!」

「俺の部屋だから当たり前だろう?」

「それじゃ失礼します」

ぺこりと頭を下げたつくしがくるりと踵を返す。

自分が司の部屋に通された意味がわからないほど子供じゃない。

冷静さを装いながらも心臓は飛び跳ねてしまってる。

「待て」

衣擦れの音まで艶やかに響いてつくしの背中を包みこんだ。

「本気で出ていくつもりか?」

耳元に触れるかすれ気味の声。

胸元に回された腕はやさしく、そして、力強くつくしを抱きしめたままだ。

「わ、私の部屋ここじゃないから・・・」

出ていかなきゃいけないのに身体が、腕が脚がつくしの意思を無視するように動いてくれない。

どうなってるのよッ。

自分の思いがうまく身体に伝わらないように反抗を重ねる。

「俺が、出て行けと言わない限りはここから出ることはできないから」

扉の前にいた女官たちを思い浮かべたつくしは、確かに、司が言う通りなのだろうと思う。

普段なら文句を言って無理やりにでも部屋を飛び出した司の横暴さなのだが、なぜか今のつくしにはそんな司を嫌いになれずにいる。

こんなにやさしく抱きしめられた経験がないから・・・かな?

耳元から首筋をかすめた熱い吐息。

くすぐるような感触に心が蕩けるようで甘く切なくつくしを包みこむ。

司が自分を大事にしてくれる思いは疑いようがなくて、今はっきりと自分を救いだしてくれると信じて夢見ていた相手の顔は、今はっきりと思い浮かべることができる。

「ここに連れてきたお前と俺がなんも関係がないと周りに思われるのはシャクなんだよ。

一緒に夜を過ごしてなんもなかったら俺の股間にかかわるら、協力しろ」

股間・・・?

司に顔を向けようと動かした頬に柔らかな感触が一瞬かすめる。

ギクッとなって反射的に首をそらす。

窮屈な体勢のつくしをかばうように司の腕がつくしの背中を抱きとめてくれた。

「股間じゃなく・・・沽券ね・・・」

つくしの動く唇を食い入るように見つめる司につくしの声は届いてない。

股間でも間違いないといえば・・・間違いないのかな?

司の動じない表情につくしは一瞬自分の知識に疑問を持つ。

いや・・・それはないってッ!

自分の知識を信じるようにつくしは頭をぶるっと左右に振った。

「寒いのか?」

道明寺の言い間違いがね・・・

自分を心配そうに覗き込む司の瞳の中にはつくしに対する愛情があふれてる。

司を追い込むような言葉はつくしの口からは出てきそうもない。

「今日も、一緒に寝るの?」

つくしの声には自分でも気が付かないほどに誘うような甘い音色が織り込まれて司を突き動かしていた。

沽券と股間の言い間違い・・・

何度か私の小説の中には登場してます。

股間にかかわる・・・

確かに股間の機能の問題にはなるでしょうが、司君のバイタリティーを総括すれば問題はないですよね。(笑)

ここからつくしちゃんと甘い一夜になりますかどうかこうご期待!

6周年ですしね・・・

ここは一発今までに書いてないシュツで行きますか? って・・・

どんなんだろう・・・?(;^ω^)

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

初コメありがとうございます。

PWのお話も楽しんでいただけてるでしょうか?

私はドラマから潤君の存在が気になり嵐に興味を持つようになったんですよね。

花男の原作も読んではいましたが単に面白いと思う漫画の中の一つって感じでした。

二次を書くきっかけは映画の続きが見たい!てとこだったんですよね。

小説のネタというよりはこんな場面が見たいなど気軽にリクしていただくだけでいいですので、

ぼそっとつぶやいてくださいね。

かえまま様

お祝いコメありがとうございます。

いよいよ7年目に突入しました。

結構長く書いてますね。(;^ω^)

恩返しなんてとんでもないです。

こうして訪問いただき拍手いただけるのが何よりの励みになります。

これからもよろしくお願いします。