愛を叫べ! 15

新連載に没頭する前にこのお話を終わらせたい!

さっさといけるかな?(;^ω^)

ビル最上階に作られた庭園。

ベンチに数人掛けの椅子とテーブル。

仕事の合間のちょっとした休憩時間をここで過ごす社員も多い。

珍しく風のない屋上には柔らかい日差しが降り注ぎいつもより休憩してる社員が多い気がした。

屋上で休憩するなら最上階を通過するついでに俺を誘えよ。

つくしの携帯を鳴らして連れなく告げられた休憩中の声。

「くる?」

付け足した言葉にそわっとなる心境。

いつもならほかの社員が緊張して迷惑とか言うやつ。

俺を見て喜んでるやつもいるよな?

きゃーとか嘘っーーーとか

代表!!!

とか興奮した声を上げるやつが少なくとも半分はいるはず。

つくしから誘われるように来るといわれて断る理由はねぇ。

浮きだつ心を押さえながら早々に切り上げた面会。

西田の渋い表情はこの際問題じゃねぇ。

「20分」

そんな時間を西田に告げて執務室を飛び出した。

屋上までは1階分の階段を駈けあがればすぐ。

非常階段の先の重い鉄の扉をガチャリと開く。

直ぐにわかる場所で地上を見下ろすつくしの姿が見えた。

手には二つのコーヒーカップ。

最初から俺を誘うつもりだったんじゃねぇか。

そわっとした感情にうきっとした感情が交わる。

本当に素直じゃねぇな。

「来るまで、待ってる」って、言えよ。

つくしの背中を覆うように柵に手をついて身体を寄せる。

「びっくりした」

言葉より先にビクつく背中。

ここでお前に触れるやつ俺以外にいるかよ。

「コーヒー落としそうになったじゃない」

ムッと膨らんだ頬はすでに弾ける笑顔を見せて俺にカップをハイと差し出してくれた。

向きあうように反転させたつくしとの距離はコーヒを受け取るにも狭い距離。

「あちっ」

口に一口運んだコーヒーの苦さとコーヒの香りが口の中に広がる。

「相変わらず猫舌だね」

自分のカップをベンチの上に置いて俺のカップをとってふたを開けて広がる湯気。

フーフーと冷ますように息を吹きかけて何度もつくしが頬を膨らませる。

「なかなか冷めないけど・・・

少しはましかな」

ふたをもどしたカップを俺に握らせた。

つくしの吐息が混じるコーヒー。

なんかさっきより熱くなった気がするぞ。

手のひらに感じるはずのない熱の熱さ。

ベンチに腰を下ろすつくしのその横に並んで座る。

「んっ!」

思いきり両手を空に向けて伸ばして背を伸ばすつくしの肩がボスッと下に落ちる。

「午前中書類の整理だけしてたから肩が凝るんだよね」

「おばさんくせねぇな」

首を回しして肩をもむ仕草に俺も気が緩む。

「あのね。本当に疲れるんだから。頭も目も使うし、誰かさんが邪魔してくるし」

俺に見られてること気にせずに色気も何もない。

媚びも売らずに自然体でいるのはお前だけだよな。

「邪魔してねぇだろう」

「用事もないのに事務所に顔をだすの誰よ」

「それは俺だな」

悪びれずに応える俺に飽きれたような表情をつくしが見せる。

「お前に会いたくなるんだからしょうがねぇだろう。

もうしばらくしたら飽きるからしれねぇからそれまで我慢しろ」

「飽きるって!」

ムッとした表情で俺を睨む目つき。

くるくるかわる表情は面白くてしょうがねぇ。

「明日かもしれねぇし1年先?3年?10年?20年?先かもしれねぇけどな」

たぶん俺がこいつに会いたくなくなる日が来ることはないって思う。

永遠に愛しつづける自信があるのが悩みかもな。

「お前は覚悟が足りねぇんだよ」

「なんの覚悟?」

俺に愛される覚悟つーやつ。

考え込むつくしがおもしろくて返事をするつもりがなくなってしまってる。

教えねぇよ。

「なに?私の顔に何かついてる?」

見つめすぎてる俺に焦るようにつくしが自分の顔を確かめるように手のひらでさわりまくってる。

「コーヒー飲まないと冷めるぞ。

それに後10分しか俺は付き合えないから」

グイとコーヒーカップをつくしの口に押し付けるように押しつける。

「こぼれちゃうよ」

「飲めッ」

嫌がるように顔をそらすつくしにわざともう一度カップを押しつける。

「もう!飲めないから!」

バカらしいような無邪気で短い休憩を楽しんでる俺達二人がいた。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

新連載以外はほぼバカップル気味ですからね。

お遊びの感じで軽めの空間のお届けになると思います♪

>つくしは司にずっと愛される覚悟できてますよね?

>自覚してないだけで。

>でも、つくしに言わせると自分の方が司のことたくさん愛してるよ!って心の中で思っているんでしょうね。

私のほうが俺のほうがって二人で言いあわせて最後は愛を叫ばせちゃいましょうか?

収拾がつかなくなったりして・・・(;^ω^)

りり 様

ですよね~♪

司が飽きたらそれこそ問題だ~。